歌って踊れる女芸人ユニット・阿佐ヶ谷姉妹。姉役の江里子さんと妹役の美穂さんは実際の姉妹ではないのですが、まるでリアル姉妹のように仲睦ましかったり、時に静かに言い争いをしたりと見ていて飽きないお二人。大好評のリレーエッセイ、今回は妹・美穂さんのターン。大好評の引っ越し編、第四回目は引き続きの内見について。ぴったりの物件を探し続けて、自分の本当の気持ちに気づいた美穂さんなのでした。

*   *   *

私たちの物件探しへの情熱もいよいよ高まり、熱に任せて姉を引っ張りだし、一日三件の内見をしたのですが、どれもあと一歩の決定打に欠け、不動産屋さんの態度の急変にもショックを受け、しばらく途方にくれていました。
そんなある日、姉がカーブスに行く道すがらの不動産屋にある貼り紙で、いい物件を見つけてきたのです。

2階の2DK、風呂トイレ別、エアコン2台、室内洗濯機置場、ベランダ、1フロアに一室のみ、阿佐ヶ谷駅から5分、家賃 97.000円。
うわー来たわ、理想の物件!!
これは決まっちゃう? 決まっちゃう? などと姉妹で盛り上がり、早速内見させてもらう事になりました。

立地も阿佐ヶ谷駅から5分、周りにこじんまりしたレストランや雑貨屋さんなど何軒かあり、ちょうどいい賑やかさの通りで、いい感じです。
それに今回は2階の物件ですし!
わくわくしながら部屋に入ってみると…
通りに面した部屋は明るくていいのですが、台所やもう一つの部屋は昼間なのに、ずいぶんと真っ暗なのです。んんん?
私はまあまあ日当たりがよければ、そこまで気にしない方なのですが、これはかなり暗い…障子がしまってるせいかしら?と開けたりしてみるのですが、どうやっても真っ暗いのです。パッと姉を見ると、日当たりにうるさい姉は、審判が旗をあげて「マイナス5点!」と言っているような顔をしています。台所も窓がなく電気をつけないとダメな感じです。ん? 暗い上に何か圧迫感もある…なぜかしら? とふいに天井に手を伸ばしてみると、157センチの私の手が天井にピタッと付いたのです。ええ? 拷問部屋の天井みたいにどんどん下がってきているのかしら?…と思ったりしていると、姉が不動産屋の方に「天井がちょっと低いんですかね?」と聞くと「これくらいは普通の高さですけどね」と言われ、この一言で心のシャッターがガシャーン!と閉まり、あっけなく内見は終わったのでした。

何件か内見をして気付いてしまった事がありました。
「私、今住んでいるこの場所がすごく好き!!」と言う事です。
どこがそんなに好きなのだろうと考えてみると、
・大家さんがいい方(自宅ロケにも好意的。ありがたい)
・2階の部屋、南向き
・ご近所の方もすごく良い方(出演しているテレビを見てくれたり、
ライブも見にきてくれたりする。ありがたい)
・アパートの周りには、花や木々が植えてあり、
スズメ、ハト、カラス、ネコがくるので和む。
・通りからちょっと入った所なので、
賑やかすぎず、寂しすぎず、暗すぎずちょうどいい。
・駅からも遠すぎず、ちょうどいい。
・天井に手がつかない。

今のアパートに近い二間の物件があればいいのでは? とインターネットで探したり、不動産屋さんにも聞いたのですが、近いけど片方の部屋が4畳だったり収納がなかったりと、日当たりが悪そうだったりと姉妹の納得する物件はなかったのです。
困りました…私はガンコで頭が固いのでしょうか?もっと柔軟に考えるべきなのでしょうか?いやしかしピンとこない所には住めませんし、でも今のところを越える物件なんてなさそうな気もしますし、超えなくても、あらいいじゃないと思える何かが欲しいのです。姉も無理して引越しする気はないようです。
しかしこんなに私ぞっこんだったなんて!

でも、このアパートは全部1Kで空き部屋もありませんし、こうなったら、大家さんにお願いして2間にリフォームしてもらうしか…
ああっ引越しできないっ(泣)


理想の物件探しは暗礁に乗り上げたのでした。

続く

我が家にて、大好きな京都の三十三間堂のお線香をたき、癒される私。

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