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明日クビになっても大丈夫!

2017.10.29 公開 ツイート

「好きなものが見つからない」という人は、
自分がやってみたいことを100個書き出せばいい。 ヨッピー

「インターネットで一番数字を持っているライター」と呼ばれるヨッピーさん初の本『明日クビになっても大丈夫!』が発売になりました。爆笑しつつも大共感、そして仕事について改めて考え直すきっかけとなる本書の試し読みを少しずつ掲載していきます。第七回は、「好きなことで生きていく」ために、そもそもの「好きなこと」をどうやって見つければいいのか、その方法についてです。

*   *   *

副業から開始する事のメリットは既に書いた。次は貴方の中にある、「何をお金に変えていくのか」、という部分についてここから考えていきたい。もちろんそれは貴方の好きな事であり、趣味の延長線として捉えられるものがいいだろう。何度も言うが「それが好き」という事ほど強いものはないからだ。逆に言えば好きじゃないものを仕事にしても続かないし、仮に続いたとしても、楽しくない。僕だって好きでもなんでもない、毛嫌いしていると言ってもいい「赤ワインが美味しいバー」みたいな記事をひたすら書かされたら発狂して頭をモヒカンにしてバーボン片手に西に向かうと思う。

 ただし、ここでひとつだけ考えておいて欲しい事がある。「なりたい」という気持ちと「やりたい」という気持ちはまるで別物だ、という事だ。「お笑い芸人になりたい」のと「お笑いがやりたい」という事も同じく全然違う。例えば僕に向かってよく「ライターになりたいです! どうしたらなれますか!」みたいなことを言ってくる人がいて、そういう人に僕は必ず「じゃあ、書いたものを見せてください」って言うのですが、高確率で「まだ何もしてません!」とか言うわけです。完全に意味不明である。

「プロ野球選手になりたいです! でも野球やった事ないです!」なんてやつがいたら完全に頭がおかしいやつだと思うし、「いや、ごちゃごちゃ言ってないでとりあえずやれよ!」って話なのですが、どうもライターに関して言えばそういう理屈は通用しないらしい。結局のところ、そういう人達は「ライターという職業に憧れているだけ」であって「文章を書きたい」わけではないのだ。ここに大きな溝がある。お笑い芸人だってそう。お笑いをやりたいのであれば今はYouTubeもあるし撮影機材だって安い。コントでも漫才でも自分達で撮ってネットに上げちゃえばいい。「お笑いがやりたい」のであれば別に吉本興業に入る必要なんてない。「吉本興業に入らないとお笑いがやれない」なんて法律はどこにもない。やりたいならやればいいのだ。歌だってそうだ。別に音楽事務所に入らなくたって、自分達で作曲して演奏したものを広く公開する手段は今ならいくらでもある。それなのに、まだそれをしていない、もしくはしたくないのであればきっとその「貴方のやりたい事」は本質的にズレているのだ。お笑い芸人になってテレビに出て女優と合コンしたい、とか、バンドで売れて女にモテたい、とかそういう俗っぽい事を想像しているんじゃないだろうか。

「やりたい事」と「なりたいもの」は明確に違う。ライターになりたい人が文章を書いた事がないのはお話にならない。文章を書いた事がないのに何故「ライターになりたい」と言えるのか。実に摩訶不思議の世界観である。

 これを踏まえてまず貴方の「したい事」「するのが好きな事」を洗い出そう。しつこいようだけど、「アイドルになりたい」とか「お笑い芸人になりたい」なんてものは本質ではない。「なりたいもの」じゃなくて「したい事」を考えて欲しい。自分の中にある純粋な気持ちを洗い出すつもりで。

 例えば僕は文章を書く以外にも銭湯や温泉に行くのが好きだ。暇さえあれば銭湯に行くし、なんなら週に5回くらいは行く。つまり、僕は「銭湯に行くのが好き」なのだ。そんな僕なら、都内にある銭湯に全部行ってそのすべてのレポートを書けばまあまあのアクセス数が稼げるようになるだろうし、「銭湯ライター」みたいな枠で媒体から声がかかる事もあるかもしれないし、「本を出しませんか」って言われるかもしれない。実際「銭湯の本書きませんか」っていう話が来た事もある。この本を書いてる真っ最中だったので「えへへ。僕今ちょっと手一杯でヤンス!」って断ったのだけど。貴方も、貴方の中のこういうものを探す事からはじめるといい。「ゲームが好き」「アニメが好き」「風俗が好き」でも本当になんでもいい。

「好きなものが全然ない」みたいな人がいるかもしれないけど、恐らくそれは貴方がまだその事に気づいてないだけなんだと思う。

 以前、京都で大学生を集めた講演会みたいなのに登壇した時に、同じような事を言ってる人は確かにいて、「やりたい事が見つからない場合はどうしたらいいですか」なんて言う。そこで僕は会場の人達に呼びかけるわけです。「この中で、パラグライダーに乗ってみたい、っていう人はいますか?」会場の半分以上が手を挙げる。「では、今度はパラグライダーに乗った事がある人はいますか?」一気に手が下がる。残ったのは5人くらいだ。要するに「やってみたい事」は誰にでもあるはずなのに、それを実行するところまでいってないだけなんじゃないかと思う。パラグライダーをやってみたいのならやってみればいいし、やってみたら「これはすげぇ! これを一生の仕事にしよう!」ってなるかもしれない。

 だから、まず「やりたい事が見つからない」なんて人は本当にやりたい事がないのか、よく考えて欲しい。パラグライダーに乗りたい、ウユニ塩湖に行きたい、アイドルのコンサートに行きたい。いろいろあると思うけど、とにかく自分がやってみたい事を一つひとつ書き出して100個くらい書いてみよう。それを実行していく内に「これだ!」というものが見つかるんじゃないかと思う。ここでももう一回言っておきたい。「なんでもいいから、とにかくやれ」と。

関連書籍

ヨッピー『明日クビになっても大丈夫!』

商社マンを辞めて好き放題してるのに、 サラリーマン時代の何倍もの年収を稼ぐようになった WEBライター・ヨッピーの ストレスフリーな生き方! いまを生きながら楽しく稼げ! 「現役の千葉市長とゲーム対決をする」「AV女優と童貞を合コンさせる」「24時間テレビの100kmマラソンが本当に大変なのか試す」「大阪でひたすらたこ焼きを食べる」などの面白記事をネットで発信し続けているWEBライター・ヨッピー。 好き放題しながら楽しく稼いでいる彼による、 会社に寄りかからずに生き延びる方法。 ・新卒で入った会社の仕事が死ぬほどつまらなかった話 ・個人のやりがいがないほうが、組織がまわるという不幸 ・日本の大企業はなぜダサいのか ・会社を辞めてもいい3つの条件 ・好きで仕方がないことを仕事にしたほうが断然強い ・「好きなものが見つからない」という人は、単にまだ気付いていないだけ ・僕の収入に関する本当の話 ・ライバルに勝つための「ちょい足し」のススメ ・自分にとっての「神様」は誰なのか問題 ・アイデアは見つけようと思ったら見つけられる ・六本木の会員制バーには行くな ・とりあえず水風呂に入ろう  など。

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明日クビになっても大丈夫!

「ウェブで一番数字を持っているライター」と呼ばれているヨッピーさん、初の書籍『明日クビになっても大丈夫!』が発売になりました!面白いのに超マジメで使えるビジネス書になっています。発売になったばかりの本書から、少しずつですが試し読みを掲載していきたいと思います。

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ヨッピー

「インターネットで一番数字を持っているライター」と呼ばれる。関西学院大学を卒業後、大手商社の会社員を7年間勤めるも 転勤の辞令をきっかけに退社。以来「オモコロ」をはじめとしたWEB媒体でバズ記事を量産。下ネタから身体を張った面白記事、 最近では企業の広告案件や不正に対する追及記事なども書く。 ツイッター @yoppymodel ブログ http://yoppymodel.hatenablog.com/ フェイスブック https://m.facebook.com/yoppymodel

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