設営後、少し離れた場所にあるArtqpie library(アキュパイ・ライブラリー)へ行ってみた。Artqpieはこれまで、空家になっている建て物を借り、そこをセルフリノベーションし本屋やギャラリースペースにする、というスタイルでやってきている。私が今回お世話になるArtqpie caveは、その一番新しいギャラリーで、Artqpie libraryは全てのArtqpieの拠点のようなイメージだ。

 Artqpie libraryは20時まで営業してるのだけれど、営業中にスタッフみんなで集まって夜ご飯を食べた。店員が皆ご飯食べていても、お客さんも気にしないのが台湾。台中に来たならぜひ食べて欲しいという麺と、台湾を代表するようなおやつの豆花、だけどシロップが黒糖で出来ているのが台中らしいそう。


「Artqpieで展示出来るなんて、すごく良いですよ!」台湾を数回しか訪れたことがなく、台中は初めてだと言う私にそう教えてくれたのは、台湾案内の本も出しているエッセイストの柳沢小実さんだった。その後も、台中で知り合った、台中在住の伊藤さんにも「ここで展示が出来るなんて、アーティストの憧れですよ」なんて言われた。2016年の春に自力で写真展会場を探しに来た時はどこにも縁が繋がらなかったのに、本当に不思議なことだ。

 最初に探したのは、台北だった。台湾通の友人たちから情報を集め、いくつかの書店を回った。何より有名なのが誠品書店、それからVVGというグループが展開しているオシャレなお店の数々。それから、インディーズの本屋数件、日本人オーナーが運営しているカフェなども巡った。大きいお店は広すぎていったい誰に話を通せば良いのか躊躇するし、小さいお店はオーナーが留守だったり、やっと店主と話せても「ギャラリーは来年まで埋まっている」と言われたりした。

 それでも一番たくさん話を聞いてくれたのが、田園城市生活風格書店という出版社の社長だった。年に何度も日本に買い付けに来るというオーナーの陳さんは日本語も上手。持参した写真集もじっくり見てくれて、台湾でも手仕事について興味を持つ人が増えているからそんなテーマが良いのではないか。あるいは、欧米や日本への関心が高いけれど、まだまだ知られていないインドの写真展も面白いかもしれない。来年あたり、展示出来るんじゃない?と、予言めいたことを言われた。

 予言だと思ったのは私の英語理解力の問題かもしれないし、遠回しに今は無理だと断られただけかもしれない。そんなことがいろいろあっての今である。

 

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