秋。なんとなく切なくなる季節です。
ライブで日本各地を廻っていると、自分より若い人たちと出会うことも多い。
もしかしたら今の自分が、そんな若い人に影響を与えているかもしれない。
そんなことを、ちゃんと感じて生きていけたらいいな。

***

エッセイ
秋の実り

 雲が高い。ふと空を見上げると、綿雲がゆっくりと西から東へと流れてゆく。夏の間の湿った風はどこへ行ってしまったのだろう。日差しはまだ強いけれど、乾いた風は汗を飛ばしてくれる。暑苦しくてタンスにしまっておいたお気に入りのスキニーシーンズも、ようやく出番がありそうだ。

 それに、夏バテのせいか、冬眠ならぬ“夏眠”していた食欲も、ムクリと顔を出してきた。僕の田舎では祖父母が美味しいお米を作っているのだが、そろそろ収穫の時期だ。稲が、金色の穂を重たそうにぶら下げて揺れ始めると、ピカピカに白く光った新米が待ち遠しい。そう、実りの秋である。

 僕みたいな安定も保証もない世界に身をおいて生きていると、季節の移り変わりや、小さな幸せが、どうしようもなく愛おしく想えるときがある。

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