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2017.08.31

死ぬほどいい女

狗飼 恭子

死ぬほどいい女

   わたしの友人に、ものすごくいい女がいる。
 たとえばわたしが彼女を誰かに紹介したとき、「すごい美人だね」とは言われない。

   けれど必ず「なんだか素敵な人だね」と言われる。直接的に「いい女だなあ」とか「愛人にしたい」とか言う男性もいた。
 色気、とはちょっと違う。ファム・ファタル的でもないし、フィルムノワールの悪女とも違う。立てば芍薬座れば牡丹というのでもなくて、だから彼女が「いい女」であることを説明するのは、少し難しい。
 彼女の何がそんなに特別なんだろう。考えてみた。

①姿勢がいい。
 バレエを長くやっていたからなのか、彼女の背中が丸くなっているのを見たことがない。

②年齢相応である。
 わたし含め、女の人はつい若さをいいものだと思いがちだけれど、彼女は若作りはしない。自然体、ということかもしれない。

③流行の服を着ていない。
 別に古いとかではなく、いつも、彼女が好きで選んだのだろう格好をしている。

④話すのがゆっくりである。
 東京に出てきたとき訛っていることを気にしていて、考えながら話していたらゆっくりなのがくせになっちゃったの、と言っていた。

⑤悪口を言わない。
 合わない人の話をすることはある。でもそこで終わらない。彼女はそこから、合わない人とどうやって接していけばいいのだろう、と改善策を考える。他人を否定しないでいられるのは、自分も間違う可能性のある弱い人間であるということを、ちゃんと知っている人だけだ。

⑥不思議なことを受け入れる。
 たとえば、神様や妖怪やUFO やそういうもの。月の満ち欠けに影響される体や、その日の運勢。占い師や霊能力者。そういうものも、けして否定しないで楽しむことができる。

⑦強い人だけど強すぎない。
 人に甘えるというのではなく、人に弱さを見せることもできる。

 たとえば今思いつくのは、そんなところ。
 全部、特別なことではないかもしれない。

 たぶん「美人」や「色っぽい人」は生まれつきのものだったり、特別な魅力を持っていなければなれないものだ。けれど「いい女」は、齢を重ね小さな魅力をたくさん集めていけばなれるものなのかもしれない。その証拠に、彼女は十年前より五年前より、今のほうが魅力的だ。

 もしもわたしが男性か、あるいは同性を愛する人だったら、彼女に惚れちゃって大変だったろうな、と思う。

他の人に会わせたくなくて、嫉妬に狂って監禁とか刃物沙汰とかにしちゃっていたかもしれない。なんせ彼女は死ぬほどいい女なのだ。わたしは女で、友人として彼女に惚れることができて本当に良かった。命拾いした。

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