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阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし

2018.07.19 公開 ツイート

大人の会話ができません【書籍発売記念リバイバル掲載】 阿佐ヶ谷姉妹

この度、阿佐ヶ谷姉妹の初書籍『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』が発売になりました!本サイトの連載エッセイはもちろん、書き下ろしのエッセイと小説も加わった盛りだくさんな内容。こちらのリバイバル掲載をお楽しみ頂きつつ、ぜひ書店でお探し頂けたら幸いです。

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最近の悩みは何ですか?と聞かれて「うーん、悩みがないのが悩みですかねぇ」などと答えられる人に一度でもなってみたいと思う、悩みだらけの私。エリコ四十路ど真ん中。
ここ最近では、「エッセイが書けない」という悩みがまず頭に浮かんだりするのですが、それをここに書くのは本末転倒な感じもありますね。ですので、それを除いて考えますと、「大人の会話が出来ない」という事でしょうか。


「大人の会話」などと書くと、「はっ!下ネタ!下ネタが始まるのかしら!?」と過剰反応される方もいらっしゃるかもしれませんが、今回そうではありません。
折にふれて訪れる、懇親会ですとか、打ち上げですとか、そういった席での会話について、困っているのです。


飲めそうな顔でありながら、まったくの下戸な私。とはいえ、飲み会の雰囲気や酒の肴が大好きなので、そういった席が嫌いではありません。
ただ、そういった場で周りを見ると、とても自然に会話に花を咲かせている皆さんがいらっしゃって、大人だなぁとうらやましく感じるのです。


それに比べて私はと言うと、まるで初めて行った美容室で、初対面の美容師さんと会話を始める時の様な、ある種の緊張感とありふれた会話からのスタート。話しながら、お相手がつまらなくなっていないか、会話が浅くなっていないかばかり気になって、ワキ汗ばかりかいてしまいます。私が見栄っ張りで八方美人なのもあり、この年になっても人に対してなかなかドッシリと、自然に構えることが出来ないのです。

少し言い訳がましくなりますが、これは 今の環境にも一因があるかと思います。
プライベートでも、お仕事場でも、ほとんどみほさんと一緒。そうなると見るもの聞くものが大体一緒。なので、帰り道や食事中にする会話も、説明もあまり要らず、ツーといえばカー。(死語でしょうか?)
あらためて考えると、本当に楽させてもらっているなと思います。
あまり多くを考えずに、好きな事を好きな様に話して許される、話がなければそれはそれでそのままいられる。最高の話し相手が当たり前に近くにいる、とてもありがたいことです。
ただ、普段のあまりに居心地のよい環境に慣れすぎて、いざほかの方との会話となると、変に意識し、緊張してしまうのです。

先日、女装家であり、新宿2丁目でお店もされながら、多彩に活躍されるブルボンヌさんの山梨でのラジオ番組に出させていただきました。その中のお悩み相談コーナーにて、姉妹それぞれの最近の悩みを出して、リスナーの方からアドバイスをいただく事に。


このチャンスを逃さぬべく、私の悩みは「大人の会話ができない」ですと言いましたら、コミュニケーションの達人とお見受けしていたブルボンヌさんから「私もです〜」とまさかの言葉が。大人の会話しまくっていそうなのに! 聞いてみないとわからないものです。


ちなみにその時のみほさんのお悩みは、「うちの観葉植物の植木鉢に次々と発生するヤスデをどうすればよいか」。公共の電波で、虫駆除の相談!? さすがみほさん。
似たような顔の二人でも、これだけ悩みに振り幅が出るとは!


二人のボケなしでの質問を、「芸人なのにボケなしっておい!」とか言わずにちゃんと受け止めてくださった、優しいリスナーの方からたくさんのアドバイスが寄せられました。


・相手に色々と質問する事で、共通する話題があればそこから会話を広げる
・ 食べ物、映画、失敗談の話辺りから話せば、何かしらあるはず
・年上の方たちと会話し、もまれて経験を積む
・時事問題がやはり大事、その為にも新聞を読みましょう
・話をふるのではなく、聞くことが大事

どれも、なるほど確かに!と思う事ばかりでした。

ただ……やせたい!しかも簡単に!今すぐ!!というこのお年頃のわがままなダイエット探しと一緒で、理論よりさらにスグ使える、しかも簡単な方法をもっと教えてほしい!!とそこにおばさんの厚かましい願いが出てきてしまいました。


そんな中、私のお悩みだけでなく、アドバイスがとんと来ないみほさんの、両方の悩みを一気に解決できそうな回答が送られてきたのです。


・色々と質問する事が大事です。とはいえ、何を質問するのかが難しい所ですね。そこで、みほさんの「ヤスデ問題」の解決方法を知らないか、その質問から始めたら、一石二鳥ではないでしょうか。


ナルホドその手があったか!となりました。
今、これをお読みの皆様には、「何だそんな事〜」と思われるかもしれませんが、「そんな事」の取っかかりが自分の中にようやく見つかった気がして、嬉しい瞬間でした。

さらにみほさんには、回答1件。


・ホームセンターで、ダンゴムシ用の殺虫剤を買う事をオススメします


ダンゴムシ!!確かに、ヤスデは外部から刺激を受けると丸まる性質があったと、以前番組で学習した気が。ナルホド!!

二人でいると、気は楽なのですが、なかなか新たな考えに至らず、停滞する事が多い気がします。なので、その事も含め、楽さや慣れに流されず、刺激を受けていこう、そういう意味でもっといろんな事を見聞きしたり、悩み相談も含め人にお話を聞く機会も増やして行こうと思いました。

次に機会があったら、アドバイスに基づきながら、まずはヤスデ問題を皮切りに「大人の会話」ができるか試してみたいと、意気込んでおります。(姉・江里子)

 

みほさんの悩みの種「ヤスデ」が発生した我が家の観葉植物。ヤスデ問題が解決するまで、しばらく玄関前での生活が続いていますが、元気そう。

関連書籍

阿佐ヶ谷姉妹『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』

40代・独身・女芸人の同居生活はちょっとした 小競合いと人情味溢れるご近所づきあいが満 載。エアコンの設定温度や布団の陣地で揉め る一方、ご近所からの手作り餃子おすそわけ に舌鼓。白髪染めや運動不足等の加齢事情を 抱えつつもマイペースな日々が続くと思いき や――。地味な暮らしと不思議な家族愛漂う 往復エッセイ。「その後の姉妹」対談も収録。

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阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし

40代、独身、女芸人ふたりの地味おもしろい同居生活エッセイ。

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阿佐ヶ谷姉妹

ASH&Dコーポレーション所属
高い歌唱力で歌って踊れるピンクのドレスの二人組。
劇団東京乾電池研究所にて知り合い、以来親交を深める。
本当の姉妹ではないけれど、顔が似ているということでコンビを組むことに。
2016年フジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」『第22回細かすぎて伝わらない モノマネ選手権』優勝。現在、数々のバラエティ番組で活躍中。

渡辺 江里子(わたなべ えりこ・写真右)
1972年7月15日生 栃木県出身 特技:ハモり 趣味:カラオケ

木村 美穂(きむら みほ・写真左)
1973年11月15日生 神奈川県出身 特技:ゼリー作り 趣味:仏像鑑賞

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