北海道から沖縄まで、ふるさとの「名低山」100座を山岳ガイド協会所属のプロが紹介した『日本百低山』(日本山岳ガイド協会編)より、各都道府県の「名低山」をご紹介。
第10回は、群馬の「名低山」子持山、鍋割山から、「子持山」を。

子持山 komochiyama 渋川市・沼田市・高村山 1296m

深田久弥「気になる山」
紅葉や雪の谷川の遠望

榛名山と赤城山との間に位置し、渋川市の背後にそびえる休火山だが、両山に比べると悲しいほど知られていない。JR渋川駅を出て新潟方面へ向かうと、車窓に大きな岩稜を抱えた子持山が見えてくる。亡くなった深田久弥さんが「気になる山」という趣旨の記述をした山である。

この山には、南側の子持神社からしし岩などを経て山頂に至る代表的ルートがある。沢あり、岩ありで変化に富んで楽しいが、難所が多い。

家族・親子で登るのに最適な北西側のルートを紹介する。こちらは岩場などの難所がなく、尾根筋はなだらかで、登山道から景色を堪能できる。

起点は、ぐんま天文台への分岐手前の駐車場だ。公共交通機関がなく、車でのアクセスとなる。渋川から水上方面に抜ける県道の中山峠から林道を進むと天文台ゲートに出る。
ここに駐車場があり、車を降りスタートだ。標高は約800メートル。林道を進むと分岐が現れ、左は天文台、右は山頂の標識。指示通り右に進むと、20分ほどで車止めゲートとなる。ゲートの先も林道を進む。

小一時間ほどで林道正面にガードレールが切れ、立派な道標が現れる。小峠からの登山道の合流だ。ここの標高は1100メートルほど。林道を進むとすぐ左側に山頂への登山道の標識が現れる。そのまま林道を行けば電波塔に着く。電波塔から頂上へも行けるが、ここは素直に頂上への直登ルートを進もう。林道を離れ、登山道となる。残り標高約200メートル、40分ほどの行程だ。尾根を踏みながら高度を増す。広葉樹林帯で、秋には紅葉や、落葉による景色が開けて気持ち良い。頂上直下の急登を終えると山頂に出る。

頂上で目立つのは、大岩に立つ十二山神の文字が刻された碑と、不似合いに大きな1等三角点の石柱だ。山頂は360度の大展望というわけにはいかないが、初冬なら雪の谷川連峰、日光方面、赤城山などの遠望を楽しめるだろう。
下山は同じ道を下るか、電波塔に寄り道しても。1時間半ほどで天文台ゲートに戻る。
(日本山岳ガイド協会正会員 小林正樹)

ガイドの目
天文台駐車場には、立派な水洗トイレがある。他にトイレはないので、利用してから出発しよう。ルート上に水場はないので、水は持参したい。道標・標識は多くはないが、適切で、迷うことはないだろう。
晩秋には、登山道が落葉に覆われてルートが見づらくなることがある。さらにふかふかと気持ち良い歩き心地の半面、下に隠れた木の根などにつまずくこともある。注意したい。林道は所々舗装されているが、その上にコケが生え、大変滑りやすいので注意しよう。
秋の日は短い。万一に備え、ヘッドランプと予備の電池は必携だ。

参考タイム
駐車場(20分)−林道ゲート(50分)−小峠からの登山道合流(40分)−山頂(20分)−電波塔(1時間20分)−駐車場

 

この記事をシェア
この連載のすべての記事を見る

★がついた記事は無料会員限定