スパイサー大統領報道官の辞任に、トランプ・ジュニアのロシアゲート問題など、最近も順風満帆とはほど遠いニュースばかり聞こえてくるトランプ政権。
 先ごろ発表された大統領支持率も36%(米ワシントンポスト、ABCテレビ 2017年合同世論調査)と、「過去70年の同時期の大統領の中で最低」と報道された。だが当のトランプ大統領は「4割近い数字は悪くない」と、ツイートでいつものようにすぐ反撃している。
 就任直後から高くはなかった支持率だが、トランプ大統領の捉え方が正しいのか? それとも実際は危険水域に突入したのか?
 米国共和党保守派と深いつながりがある政治アナリストの渡瀬裕哉氏に、共和党内部の見方を含めて話を聞いた。

 

トランプ大統領のツイート(2017/7/16)より

 

 トランプ大統領の支持率が下げ止まっていると言える理由

 米調査会社ギャロップの支持率調査で歴代最低45%の支持率でスタートしたトランプ政権。その後もトランプ大統領への支持率は下落傾向を続けています。しかし、実際の支持率の下限は35%程度となっており、CNNを始めとしたトランプ大統領に敵対的なメディアの報道が連日のように続いているにも関わらず、トランプ大統領への一定割合の支持率は岩盤のように揺らがないようにすら見えます。

 トランプ大統領の支持率が下げ止まる秘密は支持率の内訳にあります。トランプ大統領の支持率の内訳を見てみると、共和党員からの支持は一貫して80%前後を維持しているのに対し、民主党員からの支持率はほとんどありません。つまり、有権者全体の傾向としての支持率を合算した場合は支持率40%前後という結果になるものの、トランプ大統領は政権発足当初から共和党員からの支持をほとんど失っていないと言えるわけです。特に共和党保守派の人々からのトランプ大統領への支持は底堅く、今後も共和党保守派からの信任が継続する限り、トランプ大統領は首の皮一枚で延命し続けることになります。

 

 共和党保守派はトランプ本人というより「保守主義の理念」を支持している

 トランプ大統領は大統領選挙の本選でヒラリーや民主党と戦っただけでなく、共和党内の候補者を選ぶ予備選時に党内二大派閥である「主流派(比較的民主党に近いリベラルな傾向を持つ)」と「保守派(減税・規制緩和などの小さな政府の原理原則を貫く)」の候補者と激しい内ゲバを繰り広げてきました。そのため、共和党内を見ても、どちらの派閥からも嫌われてきたトランプ氏はそもそも主流派からの支持は低く、保守派の人々も積極的にトランプ大統領を支持してきたわけではありません。上述のトランプ大統領の政権発足時の支持率が低かった理由は共和党の総意によって選ばれた大統領でないことが影響したものと推量されます。

 

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