老いるとはどういうことか。5つの老人病(痛風、前立腺肥大、高血圧、頸痛(けいつう)・腰痛、慢性気管支炎)に次々襲われた著者64歳の体験記。著者は痛みにどう対処したのか。余計な手術ばかりする整形外科医と、長生き推奨医の罪も糾弾する痛快エッセイ。――『老人一年生』(副島隆彦著)

 

 

 街中、白髪の老人だらけ

 私はまだ老人になったばかりの一年生だから、“年季の入った”老人たちが、お互いに本当は何を話しているのか、実のところまだあまり分かっていない。聞き取り調査をしたわけでもないので、私の自分の観察眼力(がんりき)の範囲で書いている。

 高齢者が互いにいたわり合っているのかも分からない。老人になるほど、みんなバラバラでいろんな人がいて、「他人と口をきくのももうイヤだ」と偏屈(へんくつ)になっている人もいる。ゲートボール場では、みんな手術自慢をしている、という話を聞いたこともある。

 それでも話し合える仲間がいるというのは幸せなことだ。仲間がいなくなってひとりでポツンと孤立している老人がたくさんいる。

 ある日、「街中、老人ばかりだな」と悪態(あくたい)をついていたら、「ア、私も白髪(しらが)の老人じゃないか」と気づいて、タクシー運転手の老人と笑い合う、という経験もした。

ここから先は会員限定のコンテンツです

幻冬舎plusの会員登録(無料)をすると…すべての会員特典を見る
  • 会員限定の記事が読み放題に
  • 会員限定イベントに参加できる
  • プレゼント抽選に参加できる
  • ストア利用でポイントが貯まる

会員の方はログインして続きをお楽しみください

この記事をシェア
この連載のすべての記事を見る

★がついた記事は無料会員限定

関連書籍

副島隆彦『老人一年生 老いるとはどういうことか』
→試し読み・電子書籍はこちら
→書籍の購入はこちら(Amazon)

私は初期の老人、老人一年生だ。この半年、痛風で歩くことが困難だった。他に前立腺肥大症、高血圧、頸痛・腰痛、慢性気管支炎に次々襲われた。体のあちこちが痛い。痛いと訴えても同情すらされない。老人に当たり前のこのことが若い人には理解できない。これは残酷で大きな人間の真実だ――。老人病とは何か。著者は痛みにどう対処したのか。余計な手術ばかりする整形外科医と、長生き推奨医の罪も糾弾する。老化のぼやきと、骨身にしみた真実を明らかにする痛快エッセイ。