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2017.06.20

シンギュラリティ到来でエネルギー価格はゼロになる

齋藤 和紀

シンギュラリティ到来でエネルギー価格はゼロになる

■未来が見えている企業はもう動きだしている

 ただし当然のことながら、ソーラーパネルだけが進化しても、太陽エネルギーを十分に利用することはできません。技術的にクリアすべき課題はほかにもあります。とくに重要なのは、「蓄電」と「輸送」の問題でしょう。太陽光から生み出した電力を蓄え、それを遠隔地に届けられるようなインフラを整える必要があります。

 しかし、すでに太陽光発電の可能性を信じる人々によってさまざまな試みが行われているので、それらの問題もいずれ解決するでしょう。

 たとえば、イーロン・マスク氏が率いる電気自動車メーカーのテスラ社がネバダ州郊外で建築したバッテリー工場「ギガ・ファクトリー」では、この工場単独で、1年間の生産量が数年前の全世界で生産されたリチウムイオンバッテリーの総量を超えるといいます。テスラ社はこの製造ボリュームを利用して、各地に蓄電所を建設し始めました。太陽光発電の技術が「潜行」を終えて「破壊」の局面を迎えるのは、もう時間の問題なのです。

 だとすれば、「破壊」の後に訪れる「非収益化」への準備も始めなければいけません。

 いうまでもなく、市場からの撤退を強いられるのは石油産業です。たとえば米国の石油会社は、これまで石油の代替エネルギーとしてシェールガス(頁岩層[けつがんそう]から採取される天然ガス)の開発に取り組んできましたが、すでに力点を太陽光のほうへシフトし始めました。少し前までは「シェールガス革命」という言葉もよく聞かれましたが、もっと大きなエネルギー革命に向けて動き出したわけです。米国が原子力発電の開発をほとんどやらなくなったのも、太陽エネルギーの将来性を見越してかもしれません。

⇒次ページ[水不足も地球温暖化も食糧不足もなくなる]に続く

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