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2017.06.19

がんばることより、あきらめることのほうが難しい

諸富 祥彦

がんばることより、あきらめることのほうが難しい

「ふつうの幸せ」が難しい時代です。憧れの仕事、理想の結婚、豊かな老後……を手に入れることができるのはごく少数。しかし、そこで「人並みになれない自分」に焦り苦しむことなく、満たされて生きるにはどうすればいいのか――?
『人生を半分あきらめて生きる』には、人生を上手にあきらめる知恵、そこから生きるエネルギーを取り戻す工夫が詰まっています。
臨床経験豊富な心理カウンセラーの言葉をどうぞ。


人生は、「あきらめざるをえない苦しみ」の連続

「どうしても、この人と結婚したい」

「どうしても、この仕事に就きたい」

「どうしても、この学校に受かりたい」

「どうしても、これを手に入れたい」

「どうしても、あの人の愛を手に入れたい」

「どうしても、うちの子をあの学校に入れたい」

 誰でも、人生で何度か、そんな命がけの思いを抱いたことがあるはずです。

 しかし、現実は過酷です。多くの人は、「これだけはどうしても」「これだけはあきらめられない」と思っていたことが実現せず、あきらめていかざるをえません。

 そして、「理想」や「目標」の高い人であればあるほど、努力家であればあるほど、「いくらがんばってもあきらめざるをえない」というこの苦しみは強烈な痛みと苦しみを伴うものになります。まじめで向上心の強い人にとって、「あきらめないでがんばる」ことよりも、「あきらめたくないことを、あきらめる」ほうが、はるかにつらく苦しいことなのです。

 一番苦しいのは、「頭ではあきらめなくてはとわかっているけど、あきらめきれない」「いくらもうあきらめようと思っても、あきらめきれない」状態で硬直し停止したまま、何年も過ごさざるをえないときです。心身は次第に疲弊し、追い込まれていきます。

「どうして……。いったいどうしてだめなの?」

 そんな嘆きとうめきを天にぶつけながら、ただ七転八倒し続けるしかない。内臓がひきちぎられるような痛みを抱え、その痛みを抑えようと、爪で胸を掻かきむしり、何時間も倒れたまま……涙を流しながら……。

 大半の人は何度か、そんな思いをしたことがあるでしょう。

 私自身も、そうでした。そんな思いを何年もし続けたことがあります。

 どうしても叶えたい思いが叶わず、あきらめるにあきらめられなくて苦しみ悶もだえ続け、

「もういっそ、この思いが叶えられないなら、死んでしまおうか……」

 そんなところまで追いつめられたこともあります。結局、勇気がなくて自死はできませんでしたが……。

「何かをあきらめる苦しみ」は、時に人の心を回復不可能なほど深く傷つけ、心の病を発症させ、死に追い込みます。何かを「あきらめざるをえないのに、あきらめられない」のは、それほどまでにつらく、苦しいことです。特に、それまでの人生で、自分が心からほしいと思ったものの大半が手に入ってきた「幸運な人生」を歩んできた人ほど、何かをあきらめざるをえなくなったときの心の痛手は大きいものです。

 私は、心からほしいと思ったものを、何一つあきらめずに、人生の途中まで過ごしてきました。そんな私にとって「どうしても必要な何か」を失わざるをえなくなったときの痛みと苦しみは耐え難いほどのものでした。それは、毎日何時間でも倒れたまま、ただ、のたうち回るほどの苦しみでした。

 私の人生は、そんなつらく苦しく孤独な「あきらめ」を抱えた人生です。奇跡的な出来事でも起きない限り、これから先も、ずっとそうなのでしょう。

 そして、心の底から言いますが、「それでいい!」のです。「あきらめようにも、あきらめられない苦しみ」「あきらめてしまったら、全人生が終わってしまうかのような苦しみ」の中で、私の心身は大きな傷を負い破壊されましたが、たましいの深いところは、深く満たされてきたからです。のたうち回るほどの苦しみの中にあってこそ、たましいの深いところが満たされたのです。

 私は、まったく後悔していません。しかし反面、「あきらめの悪さ」のために人生が、どれほどつらく、苦渋に満ちたものになったか、わかりません。もっとうまくあきらめることさえできれば、生きるのがどれほど楽になっただろうと思います。

 そして、これほど追い込まれ続けながらも、私が何とか社会生活を送ることができてきたのは、もちろん私を支えてくれた多くの方のおかげ(感謝しています!)でもありますが、心理療法家という私の仕事が、ある著名な先生の言葉をお借りすれば「半病人・半健康人」でなくては務まらない、という特殊な仕事であったからでしょう。この意味でも、私がここまで生きながらえてきたのは、多大な幸運に恵まれてのことです。

 

何とか、生きしのいでいくために

 心理カウンセラー(心理療法家)の私は、本書で、このつらく苦しい「あきらめ」の方法について語りたいと思います。大切なものをあきらめるのが苦しいのは仕方ないとしても、病気になったり、命を断ったりすることなく、生き続けてほしいからです。

 これからの厳しい時代、ますます多くの人が夢や豊かさをあきらめ、愛をあきらめ、孤独に生きていかざるをえなくなります。社会の無縁化はますます進行し、ひとり孤独にマンションの一室で誰にも知られることなく死を迎える人も、さらに増えるでしょう。

 本書で私は、そんなつらく厳しい時代にあって、それでも人生に絶望しきったり、大きな心の傷を抱えたりすることなく、いや、たとえあなたがすでに心を病んでしまっているとしても、その苦しみを抱えながら、「何とか死ぬことなく、生きしのいでいくための、具体的な方法」と「生き方」を示したいと思います。

*続きは、書籍『人生を半分あきらめて生きる』をご覧ください。

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「ふつうの幸せ」が難しい時代だ。憧れの仕事、理想の結婚、豊かな老後……そんな選択ができる人はごく少数。日本は、個人の努力とは無関係に、就職できない人、結婚できない人、孤独のまま死んでいく人がますます増える社会になる。そこでは「人並みになれない自分」に焦り苦しむより、人生を半分あきらめながら生きることが、心の奥深く満たされて生きる第一歩となる。自分ではどうにもならない現実に抗わず、今できることに集中する。前に向かうエネルギーはそこから湧いてくる―。臨床経験豊富な心理カウンセラーによる逆説的人生論。

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