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2017.06.16

第3回

高学歴おじさんは、ダメ男と結婚して子どもを作る女性が嫌い

藤沢 数希/山口 真由

高学歴おじさんは、ダメ男と結婚して子どもを作る女性が嫌い

結婚は国が用意した制度であり、便利なツールでしかないのに、結婚の意味が重すぎる日本。それは、日本の社会、文化に問題がありそうです。結婚したい人、してる人、結婚にこりごりの人、必読の対談です。
(構成:池田園子)

 

養育費を強制するシステムづくりに積極的ではない高学歴おじさん

結婚という制度は、本来、女性と子どもを守るためのもの、ということを忘れてはならないという山口さん

山口 結婚という制度は、基本的には女性と子どもを守る側面があります。そのため、結婚に「お金持ちには不利」「損」という側面があるとしても、誤解されることがないよう、慎重に伝えなければいけないと思います。

藤沢 その話を深掘りするとき、避けて通れないのが養育費の問題です。所得の低い男性と結婚した女性は、離婚しても養育費をもらっていないケースがほとんどです。弁護士に相談するだけでコスト割れするから、当然依頼なんてできなくて、救いの手を差し伸べてくれる人もいない。弁護士も着手金として30万円くらいはほしいわけです。養育費が月3、4万円もないぐらいだと、もう、回収コストが上回っちゃうわけです。

現実問題として、全体で約8割の養育費が支払われない。高額所得者と結婚した奥さんは、離婚しても大金をもらうんですけど、そうでない8割の女性の離婚は“無法地帯”になっちゃっているのが現実です。

山口 アメリカと比べると、日本は養育費を強制するシステムがないのですね。アメリカでは、概ね養育費を1年以上滞納している場合には犯罪で、罰金や場合によっては収監も。最終的には収入からの天引きや差し押さえなどをして、何が何でも徴収する仕組みがあります。

藤沢 日本は民事不介入の方針ですから、すぐにアメリカのような制度に移行するのは難しいでしょうね。スウェーデンの養育費の法制度も興味深いですよ。国がひとり親世帯に養育費相当額を支払い、別居親からその額を回収する「立替払い制度」があるようです。それで、養育費を払わない父親は今度は国から取り立てられる。個人的には、ぼくはアメリカ方式にしろスウェーデン方式にしろ、養育費の8割が支払われていない現状を日本は何とかしろ、と思っています。しかし、日本ではやはり政治的に難しいとも思います。

山口 それはどうしてでしょうか?

藤沢 日本は政界も大企業も裁判所も、いい大学を出た中高年のおじさんたちが支配している国だからです。彼らはその辺の男と後先考えずにセックスして子どもを作るような女が大嫌いなんです。だから、口ではシングルマザーの貧困問題を解決しなければ、なんて言っていますが、内心ではざまーみろ、と思っているんですよ。

山口 日本は女性と子どもに対して、本当に厳しい国だと思います。スティグマの話にも通じますが、そういう社会観念が確実にありますね。

藤沢 国の中枢にいる高学歴のおじさんたちは、無責任にセックスして子どもを作る女を軽蔑しているため、彼女たちを放置して、「それみたことか」と思っているんですよ。スウェーデンやフランスでは、政治の世界でも大臣の半数は女性ですから、女性と子どもを守る制度や仕組みも整っています。日本とはぜんぜん違いますね。

山口 日本は、女性政治家でも、そのタイプの同性には厳しい目を持っていると思います。婚外子については、男性政治家以上に女性政治家の方が冷たそうですから。

藤沢 その通りで、女性政治家のタイプも日本と欧米では根本的に異なります。日本では、おじさんたちの権力の中枢に、女として取り入るのがうまい女性がエラくなっていく。そもそも女性政治家は本当に少ないですし、いても男性に媚びてのし上がっていった女性ばかりじゃないですか。

 

文化はそのまま、法律と仕事だけが変わり、女性たちはもがき苦しんでいる

山口 この状況は10年、20年で変わっていくものなんでしょうか?

藤沢 職場における雇用機会均等法などで、ジェンダーフリーは着々と進んでいると思いますよ。

山口 それは単に、女性に「働きなさい」と言っているだけで、依然として「家事しなさい」「子どもを産みなさい」とも言っている。

藤沢 だから、最近の女性たちは本当に悲惨です。今の20代では男女の年収の差はなくなりました。そうなると欧米のように事実婚という選択肢が増えるのかな、とぼくは思っていたのですが、ぜんぜんそうはならなかった。昔ながらの結婚や家族観に固執している人が大半です。

山口 他と違うことをする人だけが制裁を受けるというか、お父さんとお母さんの間に血のつながった子どもがいる場合には何の説明義務もないのに、そこから外れると途端に説明が求められて、周囲の理解と共感を得なければいけないというのは、かなり大変なことです。

藤沢 法律のことはあまり知らなくても、女性たちは自分より年収の高い人と結婚したいと思っています。それは正しいことで、今の日本で自分より年収の低い男性と結婚したら、仕事に家事、育児をすべてやった上に、離婚騒動に発展したら、夫にお金まで払わなければならなくなる。

山口 そこを変えなければいけないですよね。職場での平等が言われていても、家庭での平等が無視されているとなると、何のための平等かわからない。

藤沢 法律上は男女平等になり、それによって女性も働かなければいけなくなりました。文化は変わらないまま法律と仕事が変わったんですね。ある意味で悪いところ取りになって、その間で女性がもがき苦しんでいるということです。

山口 日本でも欧米でも、働く上では女性が不利で、親権では男性が不利な状況でした。でも今は、女性が社会進出するようになり、家にお金を運んでくる立場だった男性が家庭に戻ってくるようになった。そのため男性が離婚時に親権を手放さなくなり、アメリカではそれが共同親権につながったと、私は思っています。

パパとママが親権を半分こして、子どもは週の半分はパパと残りの半分はママと過ごすという、共同親権のケースが増えています。そうなると当然のことながら、パパからママに支払われる養育費は下がる。私はこれを「パパの逆襲」と呼んでいます。日本でも徐々にそうなるのかなと思うのと、結婚や子育てをめぐる不合理な制度は、LGBTが注目を集める過程で変わっていくような期待もあります。

藤沢 同性婚は一部の界隈では盛り上がっていても、世間の関心はそう高くない気がしますね。特に日本では、人口比で見ると少数の人たちの話で、あまり身近ではないんですよね。

山口 リベラル風潮の中では、LGBTは脚光を浴びやすいテーマなので、変わっていく気はしているんですけれど。

藤沢 ぼくは、そこも同性のカップルは、勝手に事実婚で幸せにやっていれば、何の問題もないと思うんですけどね。

山口 アメリカ連邦最高裁で、2015年6月に同性婚を認める判決が出されました。その前の2013年にも、同性婚を禁止する連邦法は違憲だという判決が出ていますが、このとき訴訟が起きたのは、相手が亡くなったとき「配偶者」なら相続に伴う連邦税の控除が認められていたのに、同性カップルには認められなかったからなんですよね。シビル・ユニオンという事実婚の形態には認められる、法律結にだけ認められる経済的な権利がいくつかありますよね。

藤沢 まあ、税金とか多少は違うと思うのですが、それにしても、そういう違いは、金額としては微々たるものだと思いますけどね。

山口 他にも、相続、年金や税金など、結婚していない限り認められない制度はありますよね。法律婚と事実婚を比べると、やはり法律婚に認められて事実婚に認められない経済的権利なんかはあるわけで、結婚できない限り同性のカップルには不利になるのは日本でも同様ではないでしょうか。ただ、日本も過渡期にあると思います。

私の知っている人の話をすると、財務省のキャリアの先輩で、年下のノンキャリアの男性と結婚して、自分が海外赴任する際には夫が仕事を辞めてついていったという方がいます。彼女は最終的には国際機関のトップになるわけですが、彼女のように、男性に媚びることなく、組織のトップになるような女性が増えたら、日本はもっと変わっていくはずです。

藤沢 たとえば、ドイツのアンゲラ・メルケル首相もイギリスのテリーザ・メイ首相も、日本でエラくなる女性とは明らかに違うタイプじゃないですか。彼女たちのような女性が、日本でも出てくるといいですよね。

社会が急速にジェンダーフリーに向かって、昔のように男女差別がある方が幸せだったんじゃないか、と言うような意見もあります。女性は就職も不利だったし、同じ仕事をしても給料も安く、専業主婦になることを推奨されていた。一方で、男性は企業戦士となって、仕事に専念する。昔の日本は、そういう差別的な役割分担があった。じつは、そっちのほうが日本人は良かったんじゃないか、と。

しかし、ぼくはそれは間違った考え方だと思います。働きたい女性は働けばいいし、同じ仕事なら男性と同じだけ稼げて当然です。男女平等はやはり人類普遍の正義だと思います。だから、昔に戻るなんてことがダメなのは当たり前です。より良い社会に向けて、今の日本は“成長痛”を感じる時期が来ているんだろうと思っています。
(おわり)

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