(photo : 齋藤陽道)

 本屋にとっての特別な時間は、大抵は本が売れた時から始まります。どんな本が売れても嬉しいのですが、ずっと長い間そこにあり、「どうしようかな」と思っていた本が売れた時など、気持ちの良いものです。棚を見ている時に「ずっとこの本ここにあるけど、そろそろ返品しようか……」とぼんやり思った日に、その本が売れていくような、ジンクスめいたこともしょっちゅうあります。

 その本のことをどこかで気にかけると、それが不思議と手に取られるということはあるものです。この間も「植本一子の本を買う人は、大概が一人で来店した女性、それも決まって静かにそっと本を出される……」という書評文を書いている横から『家族最後の日』(太田出版)をお持ちになる女性がいたので、「見てたの?」と一人で可笑しくなってしまいました。

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お知らせ

2018年10月24日(水)寄藤文平さんのラジオ「渋谷のナイト」に出演します

10月24日(水)19:05~21:50、寄藤文平さんがパーソナリティを務める「渋谷のナイト」に、店主辻山がゲスト出演。渋谷区以外でもお聴きになれます。

 


◯ 2018年10月4日(木)〜 2018年10月21日(日)12:00〜 Title2階ギャラリー

ジャパニーズ・チップ展 テーブルのうえで見つけたいろんな形
辰巳雄基『箸袋でジャパニーズ・チップ!』(リトルモア)刊行記念

全国の料理屋、食堂、居酒屋、すし屋、ラーメン屋、喫茶店、カフェで、“誰かが折った”箸袋の造作物……蒐集家・辰巳雄基さんが集めに集めたその数は、なんと13,000点! 本展では、辰巳さんの元へ全国から集まった“ジャパニーズ・チップ”より、厳選の2,000点を2カ所のギャラリーで一斉に展示。


◯2018年10月23日(火)〜 2018年11月6日(火)12:00〜 Title2階ギャラリー

『漢字の風景』〜白川静文字学への扉〜展
金子都美絵 個展

東洋学者の白川静がときあかした古代文字の世界を絵で表現する金子都美絵さん。ベジェ曲線で描かれた漢字の深遠な世界。

 

 


【東京ではじめて、本の世界に触れた街・江戸川橋】 辻山良雄
haletto 2018.5.22掲載 リレーコラム 

 


『365日のほん』辻山良雄(河出書房新社)

春、夏、秋、冬……過ぎゆく毎日に1冊の本を。Titleの店主が紹介する、スタンダードな本365冊。どこでも、どこからでも楽しめる、完全書きおろし。

 

 


『本屋、はじめました―新刊書店Title開業の記録』辻山良雄(苦楽堂)

<5刷!ロングセラー>
「自分の店」をはじめるときに、大切なことはなんだろう? 物件探し、店舗デザイン、カフェのメニュー、イベント、ウェブ、そして「棚づくり」の実際。事業計画書から、開店後の結果まですべて掲載。堀部篤史さん(誠光社店主)との特別対談を収録。