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阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし

2021.11.22 公開 ツイート

占い師全員に「今年は最悪」と言われて【ドラマ化記念リバイバル掲載】 阿佐ヶ谷姉妹

 『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』がNHK「よるドラ」でドラマ化されております。すごい~~!まさかの~!そして今日は第三回の放送当日~!!というわけでドラマ化記念の原作試し読みリバイバル連載。ぜひ併せてお楽しみください~。
※ドラマの放送は11月8日から毎週月曜日、NHK総合にて夜10時45分から11時15分となっております。

 

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今年の運勢を「金曜 ロンドンハーツ」という番組で占っていただきましたら、
出演者14人の中で最下位の運勢と言われてしまいました。
5人の有名占い師さんの鑑定を集計しての結果、最下位。

「思うように行かないことが続き、やさぐれる」
「納得がいかない仕事が多くなる」
「頑張ったら頑張ったで空回りが続く」
「お金は貯まらない」
「人にも宗教にも頼ってもムダ」
「家ではダニによる皮膚炎に注意」


八方塞がりな診断を頂きまして、バラエティにもかかわらず、半べソの途方に暮れた顔でエンディングを迎えてしまいました。

共演の皆さまはお優しく、カズレーザーさんには「でも仕事はたくさん入るって事なんじゃないですか、悪くないですよ」と。平野ノラさんにも「お姉さん、気にする事ないですよ、オイシイおいしい」、永野さんには「戦って!」と言っていただきました。
「ありがとうございます、そうですね」と口ではいいながら、「そんな事を言っても、皆さん私より上なのだわ」と、早速のやさぐれ。
案の定、みほさんからも「ネタにもなるし、いいじゃないの」と、励ましてもらったのですが、そんなみほさんは、新年早々ツイッターでチラ見した生年月日占いで、今年結構運勢がいいと出ていたので、「みほさんは運がいいからそんな風に言えるのよ」と、ほかの方には言えない心の言葉をそのまま口に出して、八つ当たりしてしまいました。

普段、信心深くもない人間なのに、翌日にはコソコソと、ご近所の神社で厄除けをしてもらいに行きました。
神社に行くと、何と今年の私は「八方塞がり」という年回りだとの事。最下位に新種の厄年が加わり、動揺しまくり。
動揺のせいか、神前で読み上げてもらう住所の丁目をなぜか一つ間違えて受け付けで申告してしまい、神主さんに祝詞を上げてもらいながら、あ~違う違う、神様がお隣町の住所に行ってしまう、は~これも最下位だからかしら~と心の中で嘆きまくりました。
結局、ひと通りの儀式が終わった後、恐る恐る相談し、もう一度お祓いしてもらいました。スッキリする為に行ったはずなのに、まさかの自分の粗相に、さらにクヨクヨする始末。

それからしばらく、テレビを見ても、スマホのゲームをしても、カラオケをしても、本を読んでも、身体を動かしても、モヤモヤはなかなか消えず……。
いい事が起こった時には、占いの事はあまり頭にないのですが、悪い事が起こった時には「ああ、やはり今年の運勢が悪いからだわ」と思ってしまう、悪い流れでの占いの支配力。落ち着いてよく考えると、受け止め方が偏っているし、あまり得策ではない気がします。

何年か前に日光へ初詣に行って、家族みんなでおみくじを引きました時の話です。みんな仲良くおみくじを開いたら、母の顔がちょっと曇りました。
お財布にしまったり、木にくくりつけたり、めいめいに新年のおみくじを納め、さて帰ろうかとなったら、母の姿が見えず。
「あれ?はぐれちゃったのかな?」と皆でキョロキョロしていると、小走りに戻ってくる母の姿が。
合流した途端、「は~今年も大吉出ました。よかった、いい一年になる!」とおみくじを嬉しそうに見せてくれました。一連の流れから察するに……一枚目にあまり良からぬおみくじを引き、納得いかずに新たなおみくじを買い、何とか大吉を引き当てて戻ってきたのでは?
しかしながら、嬉しそうに大吉のおみくじを眺める母を前に「今、どこに行ってたの?」「もしかして、おみくじ、買い直してきたんじゃないの?」などと真実を追求して、数少ないお正月の家族団らんの雰囲気をこわす程の勇気はなく。
あの時の母の笑顔を思い出すに、自分で占い結果を引き寄せる位の前向きさやたくましさがあった方が、楽しく人生過ごしていけるのかもしれない、と気持ちが切り替えられるようになりました。

辛辣な占いやアドバイスに凹んで下や後ろしか向けなくなってしまうよりは、前向きに晴れやかな気持ちになる「お言葉」を自分なりに取捨選択して励みにする事が、楽しく生きる術の一つなのかもしれない。
と、今年も半分に差し掛かりつつある時期になってようやく、思ったりしております。(姉・江里子)

お二人のご自宅の簡易神棚。右が江里子さんのお札。占いを踏まえて奮発したため、左の美穂さん分より大きめ。

阿佐ヶ谷姉妹の魅力満載の宣伝動画を作成しました(歌あり)。ぜひお楽しみください!

関連書籍

阿佐ヶ谷姉妹『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』

40代・独身・女芸人の同居生活はちょっとした 小競合いと人情味溢れるご近所づきあいが満 載。エアコンの設定温度や布団の陣地で揉め る一方、ご近所からの手作り餃子おすそわけ に舌鼓。白髪染めや運動不足等の加齢事情を 抱えつつもマイペースな日々が続くと思いき や――。地味な暮らしと不思議な家族愛漂う 往復エッセイ。「その後の姉妹」対談も収録。

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阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし

40代、独身、女芸人ふたりの地味おもしろい同居生活エッセイ。

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阿佐ヶ谷姉妹

ASH&Dコーポレーション所属
高い歌唱力で歌って踊れるピンクのドレスの二人組。
劇団東京乾電池研究所にて知り合い、以来親交を深める。
本当の姉妹ではないけれど、顔が似ているということでコンビを組むことに。
2016年フジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」『第22回細かすぎて伝わらない モノマネ選手権』優勝。現在、数々のバラエティ番組で活躍中。

渡辺 江里子(わたなべ えりこ・写真右)
1972年7月15日生 栃木県出身 特技:ハモり 趣味:カラオケ

木村 美穂(きむら みほ・写真左)
1973年11月15日生 神奈川県出身 特技:ゼリー作り 趣味:仏像鑑賞

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