伊豆天城山で女たちの駆け込み寺「サンガ天城」を運営し、たくさんの悩める女性を救ってきた尼僧・戸澤宗充さん。著書『すべてを喜びとする。駆け込み寺庵主の「引き寄せ」問答』より、頑張ってるあなたの小さなモヤモヤをすっきり解消する問答をお届けします。


私ももう79歳なので、私がいなくなったあと、サンガ天城をどうしようかと考えることがあります。たまに、「やってみたい」という尼僧さんがいらっしゃるので、台所事情も含めて状況をお伝えするんですけど、そうすると皆さん「私には無理」と言って去っていきます。確かに、ろくにお給料を払える状況ではないので、仕事としては成り立たないでしょう。

駆け込み寺なんてものをやっていると、本当に大変なことばかり。でもね、「私の言葉で、この人の人生が変わるかもしれない」と思ったら、自然と一生懸命になるし、立ち直って巣立っていく女性を見ると、「あぁ、やっぱり、やっていてよかったな」と思います。

何事も、最初から見返りを求めていたらできません。見返りを求めると、愚痴が出ます。「私はあれだけやってあげたのに」って。仕事もそうでしょ。がんばっているのに上司から評価されないと「こんなにがんばっているのにわかってくれない」と思うはず。だけど、私たちは、誰かに評価されるために生きているわけじゃないの。自分の使命を全うするために生かされているのです。

私にとっての使命は、困っている人々に手を差し伸べること。
2011年の東日本大震災では、たくさんの命が失われ、孤児もたくさん生まれました。私自身、幼少時に終戦を迎え、辛い経験をしたので、子どもたちを少しでも助けたいと思いました。だから、募金が貯まると東北の小学校へ行っています。春から小学生になる子どもたちに「入学おめでとう」と言って、1万円ずつ手渡しているの。このお金は、おにぎりを売ったり、募金活動をしたりランチをやったりして得たもので、たくさんの人の思いが詰まっています。募金を集めることで、私自身多くの方のやさしさに触れることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。

おかげさまで、これまで、およそ900人の子どもたちに入学祝いを手渡すことができました。震災直後は、将来の夢を尋ねると「自衛隊」や「警察官」などの答えが多かったですけれど、最近はようやく「野球選手」とか「お花屋さん」とか、普通の答えが増えてきました。物資もだいぶ行き渡るようになったので、これからは心のケアをすることが私の使命だと思っています。仮設住宅をなるべく頻繁に訪れて、色々お話をさせていただきたいと思っています。

使命は、決して私だけに与えられたものではありません。誰しもが与えられているのです。使命は、自分の命の使い道です。使命を果たすことが、生きる喜びとなるのです。

大切なのは自分にできることを
自分なりにがんばること。
与えられた使命に大小はない。

どんなことでも
必ず誰かの助けになる。

 

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