又吉直樹、サバンナ高橋、しずる村上、ウーマンラッシュアワー村本、NON STYLE石田、椿鬼奴、バッファロー吾郎A……全員笑って泣いた。全800ページ、厚み4センチ、重さ1キロ、でも10分で読めちゃう極上絵本の作者、佐久間一行さんに3つの質問に答えていただきました。(撮影:岡村大輔)

質問1 全800ページのうち、最初の80ページ中のハイライトは、主人公の「ふでばこ君」はすぐに謝ることができるのに、その友達「たてなが君」は謝りたくても、言い出せないシーンです。

佐久間 ふでばこ君はまっすぐいけるタイプ。主人公っぽいですよね。でも、僕は、言いたいけど言えなくてもじもじしてしまうタイプのたてなが君を描いてたら、すごく感情移入しちゃったんです。そういえば、僕もそういう経験をしたことがあるなって。高校時代テニス部だったんですけど、先輩の最後の試合前日に、その先輩のラケットを誤って踏んでしまったんです。「先輩、片付けておきますよ」なんて言って預かったラケットを、です。結果、ラケットは折れなかったけど、確実に、メキッて変な音がした。テニスのラケットって普段使って馴染んでないとうまく打てないんですよ。だから、どうしても言い出せなかった。先輩は翌日試合に負けてしまうんです。そのときの「言えなかった」思いも、この絵本に入ってるのかもしれません。

質問2 人気キャラがいろいろいますね。「文房軍」の頂点にはボス、その右腕、左腕、さらには1号から3号まで先鋭の部下たちが勢揃いしますが、なかでもボスの左腕、テプ子さんの人気が高いと聞きました。

佐久間 紅一点のテプ子さんはたしかに人気ですよ。手足がすらっと長くて、スタイルがよく、動きもスマート。上品な感じです。でも、テープを切るときだけは「キッ」「うっ」「プツン」ってなる。そういうところがいいですよね。そもそも、手を長くしたのも、テープの切り口に手が届かないといけないので、そういう必然性がありました。

質問3 壮大の物語で大事な役割を果たすのが「はさみ鳥」です。はさみ鳥は自分も傷だらけになりながら、頑張っている人がピンチに陥ったときに必ず助けに来てくれる頼もしい存在ですが。

佐久間 僕は今回の絵本を出すにあたって、頑張ってると必ず報われるっていう思いが強くなったんです。もともとはtwitter上で「四コマ漫画やってみようかな」という軽い気持ちで始めた連載なんですが、見てくれてるみなさんが嬉しいコメントをくれたり、芸人仲間が面白い面白いって感想くれたり拡散してくれたり。それによって442枚描き切ることができました。その後、なかなかすぐには書籍化できなかったんですけど、ピースの又吉が出版社に売り込んでくれたり。みんなの力に運ばれて、絵本が世にでることになって。頑張っていればピンチのときに助けてくれる。そんな「はさみ鳥」の存在がみんなにあるといいなと思います。

1本150円のこのペンを100本以上使って描ききりました。

 

4月5日発売
佐久間一行『ふでばこ君
2400円+税

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