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2017.04.24

駆け込み寺庵主さんの<今週の引き寄せ問答>その27

「悲しい経験に意味がありますか」→「これが誰かの助けになる」と考える

戸澤 宗充

「悲しい経験に意味がありますか」→「これが誰かの助けになる」と考える

伊豆天城山で女たちの駆け込み寺「サンガ天城」を運営し、たくさんの悩める女性を救ってきた尼僧・戸澤宗充さん。著書『すべてを喜びとする。駆け込み寺庵主の「引き寄せ」問答』より、頑張ってるあなたの小さなモヤモヤをすっきり解消する問答をお届けします。


 出家をしたら、奇しくも、世の中の非常さを痛感することとなりました。お坊さんの世界というのは、実は男社会なんです。男女差別もそうですし、お寺の跡取りと、私のようなよそ者との隔たりもありました。でも、いいお寺に生まれて、のほほんと生きてきた人に、人の痛みはわからないでしょ。その点、私みたいに地を這うような思いで生きてきた人間は、「おかげさま」でわかります。苦しみや悲しみ、色々な思いを味わっているからこそ「今、この人に必要な言葉はなんだろう」って、気持ちを寄り添わせることができるんです。私の人生は、人様からすると決して幸せには見えないかもしれないけれど、そういう意味では幸せでした。

 自分の経験が誰かのためになるというのは、その人が生きる価値となります。以前、サンガ天城を訪れた女性の中に、末期がんの方がいました。まだ30代のキャリアウーマンでしたが「悪性リンパ腫」と診断されて、死を宣告されていたのです。彼女はショックで会社を辞めてしまい、お酒におぼれる生活をしていました。そんな彼女のことを、私は2008年の著書に記しました。そしたらケンカになってね、「訴えて、本を出版停止にしてやる!」って、すごい剣幕で電話がかかってきたんです。だから私は、こう言いました。

「あなたね、ちょっと考えてみて。あなたと同じような悩みを持っている人がたくさんいて、この本を読みました、すごく力づけられましたって、あなたのことを特にお手紙にたくさん書いてくれる人がいるんです。そういう意味では、あなたは菩薩様なんです。考え方を変えてみて」

 そうしたらしばらくしてから「私が間違っていました。庵主さんのおっしゃる通りです。私、狂ってました」と、お電話をいただきました。彼女はもう亡くなりましたが、自分の辛い経験と引き換えに、人の役に立つという喜びを得られたことで、穏やかに旅立てたのではないかと思っています。

 一見、負の存在でしかない経験も、誰かの助けとなることがあります。そしてそれは、悲しい経験をした人に、喜びとなって返ってくるのです。
この本には、私の人生はもちろん、今まで相談に訪れてくれた多くの女性たちの悩みが記されています。この本を通じて、読者の方の心を少しでも救いたいと思っていますが、同時に私は、私に悩みを打ち明けてくれた女性たちにも、喜びを与えられることを願っているのです。

誰かを助けることができたとき、
悲しみは喜びとなって昇華します。

悲しい経験も役立つことに気づいたら、
出来事すべてが色を帯び、人生はもっと彩り豊かになる。

 

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