伊豆天城山で女たちの駆け込み寺「サンガ天城」を運営し、たくさんの悩める女性を救ってきた尼僧・戸澤宗充さん。著書『すべてを喜びとする。駆け込み寺庵主の「引き寄せ」問答』より、頑張ってるあなたの小さなモヤモヤをすっきり解消する問答をお届けします。

 


 近年は、社会で活躍する女性が増えました。とても喜ばしく思います。女であろうと、男であろうと、自分で自分の生活を賄うことは、とても大切だからです。
私は経済的な理由で大学進学を諦め、18歳で就職をしました。当時も、働く女性はたくさんいましたが、結婚するまでという意識が強かったように思います。でも、自分自身が本当に結婚できるかなんてわからないので、私は習い事にいそしみました。今で言う、自分磨きですね。茶道、華道、洋裁、絵、速記など、本当に遊ぶ暇がなかったですよ。とにかく、なんでも身につけておこう、損はないだろうという思いで必死に毎日を生きていました。

 結婚するときも「茶道を一生続けさせてほしい」と相手にお願いしました。すると彼はこう言ったのです。
「これからの女性は、家事育児に終始するのではなく、一生かけて勉強するものを持つべきだと僕も思うよ」

 彼は教育者だったので、学びに対する理解が先進的だったと思います。
 そのおかげで、彼を33歳で亡くし、独り身になってからは、茶道で身を立てることができました。今でも続いているのは茶道だけですが、茶道というのは総合芸術といわれるように、お花も書も料理も、色々な要素が入っているわけです。私にとって、茶道に真剣に取り組んだことは、経済的にはもちろん、ひとりの人間として歩んでいく上で大きな支えとなりました。

 私は、戦後の悲惨な状況下で、必死に私たちを育ててくれた母を見て育ったため、自立心が特に強いのかもしれません。でも、いつの時代にせよ、何歳であろうとも、自立することは、幸せに生きる基盤になると思っています。

 誰かに寄りかかって生きている状態は、言ってみれば片足立ちの状態です。人生に曇りがなく、晴天が続いている時期はよいでしょうが、雨風にさらされたときはどうでしょう。それまで保たれていたバランスが崩れて、きっと倒れてしまうことでしょう。
もしもあなたが今、ご主人やご両親に頼って生きているとしても、自分の足で立つことを考えてみていただきたいのです。なんでもいいから、まずは自分の好きなこと、それをすることによって喜びを得られることを見つけてみてください。それが今現在のあなた、ひいては未来のあなたの人生も明るく照らしてくれることでしょう。自信がなくても大丈夫。あなたは、自分で歩けない赤ん坊のころですら、自分の両手、両足を地面につけて、一生懸命前に進んでいたのです。大人になった今のあなたが、自分で前に進めないわけがありません。

人に寄りかかって生きる人生は、
揺らぎやすいものです。

自分の足で立たないと

思うようには歩けない。


 

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