最近よく聞く「consumer activism」という言葉、知ってますか?

私たちは日々、商品を購入しながら暮らしています。商品を売っている企業は、お互い競合しつつ、私たちの日々の選択によって支えられています。「ハーゲンダッツとベン&ジェリーズ、どっちのアイスにしようかなー♡」と悩むとき、実はどちらの企業にお金を落とすかの瀬戸際に立っているのです。そのときに、「フェアトレードや認証済みパーム油を使っているから、今日はベン&ジェリーズにしとこ!」と選択するのが consumer activism=消費者による社会活動です。

日本で環境問題というと、リサイクル・分別・エコバッグなど、個人に課せられる努力が主にフォーカスされます。これはもちろん重要ですが、企業単位で引き起こしているダメージは桁違いに大きい。よって企業に課せられる努力にももっと注目すべきですが、企業は基本的に利益優先なので、自主的な取り組みを待っているだけでは先に進まない。

現在日本では消費者の目があまり厳しくないので、多くの企業は環境を破壊したり希少動物に被害を与えたりしていても特に責められることがなく、そのため売り上げが減ることもなく、デメリットを受けていない状態です。それが日本国外での活動ならなおさらです。それに伴って、あえて頑張って環境対策に取り組むことのメリットも少なくなってしまっています。

環境対策に取り組むことで利益率が下がったり、商品の値段が上がるケースも多いため、消費者に違いをわかってもらえなければ、環境を破壊して安い商品を提供している競合企業に負けてしまう。ここで消費者のリテラシーが問われているのです。

そこで、頑張っている企業がいたときに、消費者が consumer activismを発揮して、その企業の商品を意識して購入する。その企業にとっては利益につながり、競合にも有利になります。これが進んでいくと、環境対策をしないことが初めてデメリットになるため、より多くの企業が取り組み始めます。

商品を選ぶときに、パッケージがかわいいからとか好きなセレブが宣伝してるからとか、それでもいいけど、そこにたった一つ、その企業が倫理的かどうかという目線を加えるだけで、立派な社会活動ができるのです。逆に、環境破壊や動物への被害を引き起こしている企業の商品を買うということは、自らその問題に金銭的に加担していることにもなります。

以下紹介する二つのことをみんながちょっと意識するだけで、頑張っている企業を支援し、非倫理的な企業のお尻を叩くことができる。簡単!

(1)商品を手に取ったときにラベルや認証マークをチェック
よくよく見ると、「動物実験してません」の認証(大体うさぎのロゴ)や、森林破壊を防ぐFSC認証、バイオプラスチック使ってます!という記載など、実は商品自体に色々書いてあることがあります。取り組んでる企業を応援する気持ちで、あえていつも買ってるものじゃなくそっちを買ってみる。

(2)ニュースやネットで、ちょっとだけアンテナをはっておく
関連する話題を見かけたらちょっと頭に留めておく。好きな企業やブランドが環境・動物・人権で糾弾されてないかチェックしてみる。特に外資系企業や海外進出している日本企業は、企業倫理が注目されており情報も多いので、比較的簡単にわかります。最近はおもしろいドキュメンタリーもたくさんあるし。

先週うちの番組で(編集部注:3月16日放送)話した違法伐採の件のように、大手商社や大手企業でもびっくりするような非人道的活動に加担していることがあって、テレビなどで報道されないことも多いので、自分でアンテナをはっておくのは大事です。それを友人やソーシャルメディアにシェアするだけでも大いに貢献できる。

環境・動物・人権に配慮してない企業ってたくさんあるので、現実問題として急に全部買わないようにするのは難しい。でも例えば「これまで週4回アイス食べてたけど、パーム油が入ってるからこれからは週2回にする」とか、みんなが少しずつ減らすだけでも、塵も積もれば山となり、全然違う。

こうしたConsumer activismの動きはアメリカで年々高まっており、昨年複数の大学が共同で行った調査(http://ijoc.org/index.php/ijoc/article/viewFile/4702/1798)では、過去一年の間に31%の人が「環境問題に配慮している企業をサポートするためにそこの商品を買った」と答え、21%の人が「環境に配慮しない企業の商品を買うのをやめた」と答えています。気にする消費者がこれだけいると、企業も配慮せざるを得なくなるし、「環境に配慮しています」というのが有効な宣伝文句として成り立つようになるわけです。

「自分一人が行動したところで何も変わらないだろう」となんとなく思っている人も多いと思うけど、実は全然そんなことないのです。よく「抗議を受けてお詫び」とか「不快に思う方がいたので中止」とか聞くけど、ああいうのだって最初は誰か一人が声をあげたことがキッカケになっている。

私は、環境・動物・人権問題について散々調べていながら、具体的に自分になにができるのかよくわからず、ずっと悶々としていました。なにもしないことで、危機意識だけが高まっていってストレスだった。番組開始当初は問題提起するだけである程度解消できていたけど、3年以上経って、それだけでは足りない、という思いが強まってきました。

そこでファストファッションで洋服を買うのを一切やめたり、環境のため牛肉を買わないことにしたり、なるべくペットボトルを買わないとか、少しずつ始めることに。すると、思ったより困らなかったり簡単だったりして、「なんだ、これならできるじゃん」と発見がありました。社会活動って、ものすごい我慢を強いられるような、ゼロか100かみたいなイメージを勝手に持っていたけど、少しずつからでも始められるし、何もしないよりは十分意味がある。

それで味をしめたので、今年1月にパーム油の協議会を発足し、今まさにプロジェクトを進めています。一筋縄にはいかないので難しいけど、手探りでも進めていくうちに自分ができることがどんどん明確になってきました。するとどうでしょう、なにかひとつタスクを終えるたびに、今まで経験したことのない達成感!笑 全くお金にならないどころか自腹だけど、そんなのどうでもよく思える。最高。

環境・動物・人権問題って、関わる動機として、単純に自分のためでいいと思っています。人類が快適にこの惑星で暮らし続けるため、みたいな大枠でも、気候変動が進んでスーパー台風が増えたら困るとか、作物ができなくなって昆虫食になったらやだ、みたいな身近な懸念でも、好きな動物が絶滅したら悲しいとか、本当になんでも。

環境はものすごいスピードで悪化しているけど、まだギリギリ手遅れではなくて、できることはたくさんあります。でも政府や企業が、経済至上主義をやめるのを待ってたら本当に手遅れになってしまう。自分の消費行動をちょっと変えるだけで意味があるって、こんなに簡単なことはない。このコラムを読んでくれているみなさんがちょっと意識してくれるだけでも、インパクトは多大です。一緒に取り組みましょう。

 

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