毎日を1%ずつ新しく生きる! 刺激と感動のマガジン&ストア

3月30日(木)14時~20時にシステムメンテナンスを行います

★がついた記事は無料会員限定

2017.03.10

2017年3月9日 指扇

辛酸 なめ子

2017年3月9日 指扇

 ディーゼルのギャラリーのKYOTAROさん(実体は美女)の展示に行き、宇宙的な才能に感じ入りました。そこで会った武蔵美の知人に聞いた話で、20年以上前に皆が集っていたP-HOUSEというギャラリーをやっていた人の近況エピソードに驚きました。Tさんは、前の舛添都知事の秘書をやっていて(その後は不明)、Aさんは農業をやっているそうです。時の流れを感じました。自然と一体感を得られる生き方にも憧れます。
 先日、指扇の成勝園という盆栽園で開催された「Bon祭」に行って参りました。海外でも活躍する盆栽師、平尾成志さんの園です。どこで情報が拡散されているのか、行ったらおしゃれな方々がたくさんいました。
 でも、その園にたどり着くまでが大変でした。場所は指扇。 浦和に住んでいた時から、その地名は何となく気になっていました。なんとなくこの地名に漠然とした畏怖の念を抱いていましたが、その予感が現実のものとなったようです。地図を見てもつかめない、川辺の道の先に園は所在していました。車でそこに行くのが、まさかこんな道を?という細い川沿いの土手とかV字に曲がる道とか、さまざまなトラップをくぐり抜け、やっと近づいたと思ったら道路工事の看板が。工事の人に行き止まりだと言われ、引き返しました。その途中もすれ違うのが不可能の細い道で、対向車が来たりして大変でした。行き止まりに見えた道の横に、細い道があって、そこを進めば園に着いたらしいのですが、あきらめて駅に戻ってしまいました。駅から歩いて園に向かったのですが、おかげで発見がたくさんありました。
 指扇は、実は広大な大宮の一部で、今はさいたま市です。のどかな原っぱや畑の間に住宅街があり、その原っぱを見て「さいたまには土がある!」と叫んでしまいました。原っぱの匂いが、「プルースト効果」のように、幼少期の記憶を呼び覚ましました(「失われた時を求めて」でマドレーヌの味覚で幼少期の記憶を思い出すエピソードにちなんだ心理現象)。
 原っぱにはハコベやオオイヌノフグリや菜の花が生えていました。小学生の時、フグリなんて言葉の意味は全く知りませんでしたが、この小さい青紫の花が大好きでした。入間市に住んでいた頃は、原っぱを走り回って、ヨウショヤマゴボウの実を摘んで食べたりしていましたが、大人になって薬用植物園に行ったら、なんと有毒植物に指定されていて驚きました。あの時毒を摂取しすぎてしまった後遺症が何かあるかもしれません。
 とにかく、のどかな田舎道のおかげで、しばらく幼児退行できました。成勝園には、盆栽だけでなく、馬も猫もいました。そして、カフェは、自転車好きの間で有名らしく、ロードバイクの駐輪場もあり、次々と自転車に乗った人々が入ってゆきました。店長も自転車風の服を着ていました。成勝園、もしアドマチック天国で指扇を取り上げる時は一位になりそうなほどホットな場所です。

 

園内で開催されたポニーショー。片足を上げて振って挨拶してくれたり、何よりふさふさした毛がかわいいです。


 出張料理人、ソウダルアさんによるおいしい料理を食べさせていただきながら、盆栽に囲まれ、猫の戯れを見つめる休日の午後。平尾さんの盆栽の植え替えショーも行われました。樹齢70年の銀杏を、鉢から出して、根っこを整理し、鉢を洗い、また植え替えます。老木が植え替えによって若返っていました。土を入れるときは一番上は細かい土、底は粗めの土を入れるのが良いそうです。何も考えずに適当に植え替えた家の観葉植物が即枯れたことを思い出し、反省しました。

 盆栽の植え替えを、輪になって見ていたら、古代の集落でもこんな風に人々が暮らしていたのかもしれない、と縄文時代がフラッシュバックしました。古代の叡智とつながる必要性を感じています。

 

盆栽を植え替えする平尾さん。数年おきにこうやって植え替えすることで盆栽の寿命が伸びます。自然を縮小したからには手厚いケアが必要のようです。


 そんな風に平和な休日が過ぎていきましたが、しばらくしてポニーの広場から「ヒヒヒ〜ン!」と悲鳴が聞こえてきました。「こらーっ」と叱る声も聞こえてきます。そちらを見るとポニー同士が喧嘩していました。それも激しく、ポニーがジャンプして後ろ足二本で相手に飛び蹴り連発。人間だったら骨折しそうな強さです。さっきまでかわいかったポニーがお互いお尻を蹴り合っていました。テリトリー侵犯があったのでしょうか。人間の表面的な感想で「ポニーかわいい〜」なんて言ってましたが、野性は人間の手に負えないことを実感しました。

★がついた記事は無料会員限定

関連書籍

【電子オリジナル書籍】辛酸なめ子『次元上昇日記 ベストセレクション50』
→試し読み・電子書籍の購入はこちら
→Amazonでの電子書籍の購入はこちら


辛酸なめ子『辛酸なめ子の現代社会学』
→試し読み・電子書籍はこちら
→書籍の購入はこちら(Amazon)


辛酸なめ子『次元上昇日記』
→試し読み・電子書籍はこちら
→書籍の購入はこちら(Amazon)

記事へのコメント コメントする

コメントを書く

コメントの書き込みは、会員登録とログインをされてからご利用ください

この記事を読んだ人にはこんな記事もおすすめです
  • 我欲にまみれた20兆円産業の闇を突く。
  • 過去最大ボリュームでお届けする、著者渾身の一作!
  • 夫との最後の日々が教えてくれた、人生の真実。
  • 新聞にこそ、世の中の仕組みが詰まっているのです!
  • 爆笑、号泣。こんな猫本ずるすぎる! !
  • このまま足踏みはしていられない――。
  • “イヤミスの女王”との呼び声高い真梨幸子の作品はこちら
  • ひたむきにあがき続ける女性を描いた、胸が締め付けられる短編集
  • 心に「ない」を抱える人々を痛いほど繊細に描いた代表作
  • 愛する父母との最後を過ごした“すばらしい日々”
よく生きることと、よく死ぬことは、同じこと。
ピクシブ文芸、はじまりました!
エキサイトeブックス
今だけ!プレゼント情報
かけこみ人生相談 お悩み募集中!