「私」「自分」という、謎のお化けが復活を果たす問題の根本は、「何かになる」とか「何者かになった」というような、アイデンティティ欲求に他なりません。

 一般的な生活での例を挙げるなら、「仕事で成功を収めた私になった」とか、「今日は人々と楽しく過ごせて明るい私になった」といった好印象から、「仕事でうまくいかない私になった」とか「今日は会話で空回りして、情けない私になった」などという、悪い印象に至るまで、ありとあらゆる場面で、「○○な私」という幻影を見ているのです。

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