27歳という県政史上最年少の若さで神奈川県議会議員に当選し、現在は民進党に所属する政治家・中谷一馬さんの著書『だから政治家になった。』が好評発売中です。

 母子家庭の貧困育ちで元ヤンキー、飲食店経営からIT企業の創業……と異色の経歴を持つ政治家が、自身の波乱の半生と、国政で実現すべき具体的な政策について熱く綴っています。

 今回は、なかなか知ることのない地方議員のお給料について。政治活動には、なにかとお金がかかるようです。その使い道はどうなっているのでしょうか?

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 政治家の収入と言えば、議員報酬、寄付、地方議員は政務活動費、国会議員は文書通信交通滞在費などです。神奈川県議会議員の場合、「議員報酬」は当時約90万2100円(2013年)でした。ここから会社員と同じように税金や社会保険料が差し引かれ、おおよそ半分くらいの金額が手取りになります。

 

 県議会議員時代の政務活動費は、ほとんど事務所経費やスタッフの人件費などに消えてしまいます。政策作りのための調査、勉強、説明責任を果たすための広報活動、告知などを考えるととても足りません。

 また、舞台が衆議院議員小選挙区になると、選挙区が倍近い広さになりましたので、人件費、事務所費、広報費などを含め、さまざまな経費を考えると毎月100万円くらいの資金が必要になります。少しでも積極的に政治活動をしようと思ったら、その分の経費を何とか確保しなければならないということです。だから僕も「中谷一馬を応援する会」という後援会を作り、寄付を募っていました。

 

 収支を会社にたとえるなら、これらの収入合計は「売上」に相当しますが、「支出」も非常に多く、手取りのお給料のような「利益」ではありません。これが高いのか、安いのか? さまざまな意見があると思いますが、まともに議会・政治活動をしようと思えば収支はカツカツの状態です。

 そしてこの金額には、僕の生活費は入っていません。ですから、僕の議員現職時代からの生活も質素なものでした。

 

 2LDKSの家に県議会議員候補の同期だった奈良甲介さんと秘書の風間良さんと3人で同居をしていました。奈良さんは結婚して、独立しましたので、今は2人となりましたが、当時の家賃は1人月4万5000円程度、僕自身マイカーは所有せず、プライベートな用事があるときには同居人の仲間の車を少し借りていました。

 地元ではいつも近所の中華料理屋さんか牛丼屋さんにいるねと言われるほどで、今時の若者たちとあまり変わりのない生活水準でした。そして現在の国会議員の選挙区は、県議会議員時代の倍近くの広さになり、浪人中で議員としての収入がなくなったので、公私共に財政状況はとても苦しいのが本音です。

 

 また、政治家は、社会的な風潮として原則、経費決済が認められていません。飲食費などの交際費は特に世論からご指摘を頂くポイントであると思います。ですから、有権者の方々と会合したり、食事をしたりしたとき、自分のポケットマネーから支払います。

 政治家だからと言って、いつも支援者に御馳走になっているわけではありません。そして逆にこちらが御馳走をすると買収になる恐れがあります。

 それなら、夜に飲み食いなどの活動をしなければいいじゃないか。どうせ、自分の選挙のためだろう? と思う人もいるでしょう。しかし、そう簡単な話でもないのです。何より、僕たちには、昼間はほとんど時間がありません。多くの会社員と同様に昼間はバタバタと働いているからです。

 その上で、政治家の仕事とは、国民の代弁者として、人々の声を拾って、政策に活かすことから始まりますから、さまざまな人に会わないわけにはいきません。

 

 特に僕は、前述のように「サイレント・マジョリティ」と呼ばれる人々の意見をもっと政治に反映したいと考えています。このサイレント・マジョリティが、最も一般的な生活者ではないかと考えています。

 しかし、残念なことに、この呼称のごとく、現在この層の人々はなかなか声を上げません。根強い政治不信の中で「政治には何を言っても変わらない」と失望してしまったのかもしれません。

 政治というのは、このようにお金のこと一つでも難しいものです。

 

次回「落選中の政治家はつらいよ」は、3月29日に公開予定です。

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