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2017.01.01

地下鉄の窓に映る自分を見て「亡霊!?」とギョッとするJJは疲れている

アルテイシア

地下鉄の窓に映る自分を見て「亡霊!?」とギョッとするJJは疲れている

キラキラ女子の出現により、キラキラという言葉には「ハイスペ狙いの銭ゲバ女」的なイメージがついたが、本来は「いくつになってもキラキラ輝き続ける女性」というように、肯定的な意味で使われていたのだ。

しかし、キラキラ輝き続けるのは疲れる。
地下鉄の窓に映る自分を見て「亡霊?!」とギョッとするJJ(熟女)は、通勤電車で立っているだけでやっとなのだ。「仕事にプライベートに全力投球」とか言われても、全力投球すると肩を壊すし、ヘタしたら心臓発作で死ぬ。

私も20代の頃は全力投球していたような気もする。仕事後に合コンに参加して泥酔してゲロ吐いて道ですっ転んだりしていたが、いまや素面の時でも転ぶし、転んだ時に受け身もとれない。

「何もないところで転ぶ」もJJあるあるだ。ここが乙女ゲーの世界なら「バーカ、お前ってほんと抜けてるよな」とイケメンが助けてくれるが、課金システムのないこの世界では、震えながら自力で立ち上がるしかない。
同い年の女友達は「何もないところで転んだ後、10日間ほど傷口から汁が止まらなかった」と証言する。40歳は新陳代謝の落ちるお年頃、かさぶただって簡単にはできないのだ。
そんなJJのヒザは年季の入った古傷にシワや黒ずみも加わって「ヒザ小僧」ではなく「ヒザ大僧正」と呼びたい迫力がある。

ヒザ大僧正をすりむく程度ならまだマシで、酔って転んで大ケガした40代の知人男性もいる。冗談じゃなく命取りになるのだから、「キラキラ輝け」「全力投球」といった言葉は無視して、「死なないこと」を第一優先にした方がよい。

JJに限らず、ここはどの世代の女にとっても疲れる世界なのだ。
政府はチャウセスク政権かというぐらい産めよ増やせよ言うてくるし、一昔前は「女は結婚出産して家事育児しろ」だったのが「女は結婚出産して家事育児しながら仕事でも活躍してキラキラ輝け」と無理難題をふっかけてくる。
「無茶言うな!お前がやってみろ!」と女達が出兵したくなるのも無理はない。

そもそも結婚出産なんて他人がとやかく言う話ではないし、言われれば言われるほど「テメーらの思い通りになってたまるかよ!」と戦の火蓋を切りたくなるもの。
私も外道坊のコスプレで武装尼軍団を結成し、錫杖やホラ貝片手に大暴れしてみたい。それだと迷防条例に引っかかるのなら、国会議事堂に向けて一斉に屁をぶっ放すのはどうか。

外道坊に憧れるJJもいる一方で、世間のプレッシャーに疲れ果て「そうだ、インド行こう」と三蔵法師化するJJもいる。日本よりインドの方がよっぽど疲れる気もするが、「人は土から離れては生きられないのよ…!」と小豆島とかに移住して、田舎暮らしを始めるJJもいる。

「ありの~ままで~」がヒットしたのも、みんな疲れているからだろう。
昭和のJJは「CGじゃない昔のディズニーの方がよかったな~」とか思ってるうちに映画が終わるのだが、「言いたいことも言えないポイズンな世の中で、私もありのままに生きてえ」とエルサに共感したJJも多いはずだ。

だがJJがありのままに白髪を伸ばし放題とかすると、エルサではなく山姥(やまんば)になる。
白髪がサマになってるJJもいるが、高級ハイブランドかモード系のハイファッションでビシッとキメて、「私は凡百のババアとは違うのよ」というプライドが垣間見え、ありのままとは真逆のベクトルに思える。

かつては私もビシッとキメたババアに憧れた。具体的に言うと、SATCのサマンサみたいになりたかった。サマンサこそ仕事にプライベートに全力投球で、いくつになっても輝き続ける、キラキラJJ代表のような存在だ。
が、いざ四十路を越えると「自分には無理」と実感した。

まずあんな裸みたいな恰好で出歩くと、一発で風邪を引く。極寒のNYよりだいぶ温暖な近畿地方の冬でも、私はワンピースの下にババシャツを着て、カイロを3枚貼りして出かける。無論カイロはミニじゃなく大判サイズだ。

映画版SATCに、サマンサが女体盛りして恋人の帰りを待つシーンがある。
サマンサ役の女優さんがインタビューで「寿司を冒涜するなって日本のファンに怒られないかしら」と語っていて「いやそこまで寿司に思い入れねえし」と思ったが、もし私が女体盛りをしたら風邪程度ではすまないだろう。「魚介まみれの全裸変死体」として冷たくなって発見され「熟女Aに一体何が?!」と報道されるのがオチだ。

そんなオチは困る。「死なないこと」を第一優先に考える者としては「キラキラしなくていい、みんなもっと横になろう」と提唱したい。
「疲れた時はエステやヨガや温泉に行ってリフレッシュする」という人も多いが、そもそも服を着て外出するだけで疲れるし、人と会話するのも疲れる。そんな時は家で横になってるのが一番だ。

私は40歳になった時「自分に甘く生きよう」と決意した。
もともとストイックではなく、若返りに励む美魔女をみて「スゲー頑張りやさんだなあ」と感心しつつ「人魚の肉を食いたい」「石仮面をかぶりたい」と楽することばかり考える性格なのだが。

だが真面目で勤勉な日本人のはしくれ、仕事に関しては「頑張らねば」とつい思ってしまう。頑張るのはいいことだが、電撃ネットワークのゴムパッチンのように限界ギリギリまでやらないと「頑張ってない自分はダメなんじゃ」と罪悪感を抱く。それがイヤだからと無闇に頑張って「疲れた…」が口癖のまま棺桶に入る。
そんな余生は真っ平DEATH!!と思ったからだ。
そこで仕事も無理しないようにして、率先して横になるようにしたら、健康診断で「すこぶる健康」と太鼓判を押された。

JJは体の疲れだけじゃなく、気疲れも多いお年頃だ。
JJ仲間が集まると「部下や後輩に威圧感を与えちゃいけないと思って、笑顔で優しく接してるのに、なぜか怖がられる」「わかる!蓮舫みたいに青筋たてて話してるわけじゃないのに」という話になる。
「なぜみんな私を怖がるの?」と哀しきモンスターのように嘆く彼女らに「しかたないのよ、原因はドスだから」と答える私。
ヤクザの親分が笑顔で優しく接しても「怒らせたらタマとられるんじゃ?」とビビられるように、幾多の修羅場をくぐってきた経験から「無意識にドスがきく」のもJJあるあるだ。

また、若い男と接する時は特に気をつかう。
40になると親心が発動して若者に親切をしたくなるのだが、相手がうっかりイケメンだったりすると「ババアが若い男にギラギラしてw」と揶揄する輩もいる。そんなジジイ共は「テメーが若い女にギラギラしてるからって一緒にすんなダボが!」と憶奏のように睾丸を削り取ってやるといい。
とはいえ、自身も「ギラギラしてると誤解されたらどうしよう」と気になるのは事実。そんな時は「理想のタイプは四部以降のジョセフ・ジョースター」と宣言して、若い男に興味ないアピールをするのがオススメだ。

「ババアもキラキラしろ」だの「ババアはギラギラするな」だの「うるせえ!!」と屁をぶっ放したくなる世の中だが、屁を放つ気概があるだけマシなのかもしれない。

若いお嬢さん方と話してると「タラレバを読んで死にたくなりました…」と、屁も出ないほど弱ってることも多い。結婚出産のプレッシャーなどJJ世代よりずっと強いだろうし、気の毒で胸が痛む。
だが「お嬢さん方、安心なされよ」と拙僧は言いたい。

タラレバの中に、10年後の40代の自分達が現われて「私達、毎週3人でバスツアーで千葉とか行ってるの、もうそれしか楽しみがないの」「残念な未来でごめんね」と告げるシーンがある。そんなの読んだら未来は真っ暗闇と思うだろうが、現実はそうじゃないから。

先月、私は女友達3人と赤穂に牡蠣ツアーに行ったが、メッチャ楽しかった。タラレバではモデルの男が「いい歳こいて女同士でつるんで騒いで」「一体何のために年取ってるんだ」と主人公達をディスるが、「この世に女同士でつるんで騒ぐ以上の喜びがあるのか?」と鼻フックしながら問いたい。
女友達のいる未来は明るい。それに友達はいくつなっても作れるし、女の友情にタイムリミットはない。

また「寒さに弱い」「疲れやすい」JJにはメリットもある。
今年のハロウィンはJJ仲間が我が家に集まり、みんなでカボチャを炊いて食べた。「これで柚子湯に入れば冬至だね」とゴロゴロ横になりながら過ごしたが、それもめっぽう楽しかった。
コスプレして街に繰り出し、その画像をSNSにアップしてイイネをもらわなくとも、満足できる。というか「寒いし疲れるし、そういうのはもうええわ」と心から思うようになるのだ。

キラキラ女子も承認欲求が産んだ哀しきモンスターなのだろうが、キラキラ女子じゃなくとも「幸せそうって思われたい」「ミジメで不幸と思われたくない」と悩める娘さんは多いだろう。
でも大丈夫、JJになると「承認欲求とかどうでもいい、とりあえず横になりたい」と思うようになるから。

そんなわけで、2017年もキラキラではなくぼちぼちとJJライフを送りたいと思う。

 

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