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2016.12.10

「電通過労自殺バッシングの裏にある日本人のメンタリティー」第2回

「過重労働」した人が、「自殺」しなくてはならなかった
――残酷すぎるリアルな記録

岩波 明

「過重労働」した人が、「自殺」しなくてはならなかった<br />――残酷すぎるリアルな記録

「働きすぎ」が、どんなふうに人の生活を蝕み、心を壊していくのか。そして、それが、悲劇的な「自殺」へと向かってしまうのは、何がどうなっているのか――。
今回は、“第一の電通事件”の裁判から、過労自殺について考えていきます。この裁判において、原告側は、被害者の方の経緯をつぶさに記録したものを、提出しました。大変貴重な記録ですので、ぜひ、ここで、ちゃんと読んでいただきたいと思います。
この記録をまとめたのは、精神科病院の元院長。精神科医の視点で冷静に記された記録ということになるでしょう。これを読めば読むほど、憤りを感じずにはいられません。

     *   *   *

 ここで、1990年代に起こった、「第一の」電通事件について、その概略を述べておきたい。
 いわゆる「過労自殺」が社会的に認知されたのは、この「電通事件」がきっかけであった。
 1996年3月の東京地裁における電通事件の第一審判決は、「長時間労働」と「うつ病」、「自殺」の間に「相当な因果関係」を認めた。そして、会社側の安全配慮義務不履行の過失に対し、1億2千6百万円の損害賠償を命じた。
 これは、過労自殺に関する初めての司法判断であるとともに、遺族側のほぼ全面的な勝訴となったもので、大きな反響を呼んだ(最高裁においても、ほぼ同様の内容で確定している)。

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