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2016.11.30

第51回 ナミダ飯

いとうあさこ

第51回 ナミダ飯

 先日「ナミダ食堂」という番組でMCをさせていただきまして。ゲストの方が思い出の味を食べながらその頃の思い出を語り、その味にナミダする。そんな番組。皆さまの“ナミダ飯”はそれぞれ。亡くなったお母様との思い出のラーメン、忙しすぎてなかなか帰れない故郷の味、下積み時代にマネージャーさんが連れて行ってくれたトンカツ屋さんで必ず頼んでいたというカツ丼などなど。その味で思い出すいろんな出来事。皆さんが流す涙や思い出が優しかったり深かったり。横でババアもずっともらい泣きしておりました。時にゲストの方より先に泣き出すという失態を演じながら。

 ただ私は味よりも曲でいろいろと思い出すことが多い。例えば文化祭実行委員に加わり、今まで禁止されていた後夜祭を実現させた中3の時の文化祭テーマ曲でありますREBECCA「MOTOR DRIVE」はいまだに聞くと“青春”が溢れ出してきて胸が熱くなります。

 友達以上恋人未満の男の子を実家の車を借りて迎えに行った時、ラジオからその頃流行っていたユーミンの「Hello, my friend」が流れてきて。理由がわからないけどなんだか涙が溢れてきた夕暮れ時。だから今聞いてもなんとなく切なくなる。

 19歳の頃、片思いだった大宮在住の男の子に会いに、何故か新宿から何時間もかけて歩いたことがあるのですが。その時ウォークマンで聞いていたバナナラマの「Love In The First Degree(第一級恋愛罪)」。今でもこの曲がかかるとなんだか早歩きになったりして。

 更には先日参りましたユニコーンのコンサート@中野サンプラザ。やはり私が生まれて初めて買ったCDシングルであります「大迷惑」がかかると“あの頃”が猛スピードで蘇る。♪町のはずれでシュビドゥヴァー! と暴れながらの大熱唱。ああ、最高。更にはコンサートのメインであります新しいアルバム曲もいい曲いっぱいで。ただそこが46歳。はしゃぎ方間違ってちょっと腰やっちゃいまして。でもまあ60歳の頃とかにこのアルバムの曲聞いたら「あの時は腰痛かったなぁ」とか思い出すのかな。

 さて、そろそろ話を“味”に戻します。そうは言っても私にだって思い出の味の一つや二つ。

 例えば小さい頃、今の数寄屋橋交差点近くにあった銀座大飯店という中華料理屋さん。今はもうなくなってしまいましたが、何か特別な時に家族で行くお店でした。お料理が美味しかったのはもちろんのこと、そのお店の隣にサンリオショップがありまして。だいたい祖父母も一緒でしたからね。「何か一つ好きなのを買っていいよ」と言われ、キキララのメモとかマイメロディのシールとか買ってもらったのを覚えております。そんなお店で一番覚えている味は、ん~……まさかの氷砂糖、かな。大人たちが飲むお燗した紹興酒に入れる氷砂糖。これを親の目を盗んで祖父母からくすねるわけです。なんかちょっとした背徳感含め美味しかったのかもしれません。

 あとは女子高生時代、帰り道寄っていたファストフードのデイリークイーン。本当は寄り道禁止でしたから不良です、不良。そこの名物・ひっくり返しても落ちないしっかりしたソフトクリーム。中でもキャラメルソースでコーティングしてあるのが大好きで。冷え固まったキャラメルソースをちょっとかじって中のソフトだけを吸いまして、最後残った周りのキャラメルを食べるという下品な食べ方をしておりました。お恥ずかしい。今でもよく食べたくなるのですが、いつの間にか日本から撤退していて。残念。

 イエスタディというファミレスはわかりますかねぇ? 店内はちょっと昔のアメリカっぽい内装でBGMもたしかオールディーズがかかっていたような。ちょうど初めての彼氏殿の家があった武蔵境からちょっと行った吉祥寺か三鷹辺りにありまして。私がバイト終わって帰ってきたら、働かずウチで待っていた彼を連れてイエスタディに行き、フルコースかと言うほど食べさせた記憶があります。ちょっと高級でしたが、すごく美味しくて。これまたいつの間にかなくなっておりましたが。

 その彼がある日一念発起して「働くぞ」と。「自分を甘やかさない為にも住み込みで」と。で彼が選んだのが千葉の銚子駅にありました、たしかチャイナムーンという、いけすのお魚を希望の調理法で料理してくれるようなお店だったような。当時はよく銚子まで車飛ばして会いに行っていました。たまに近くにあった、地球の丸く見える丘展望館とかでデートしたりしてね。新鮮で美味しいお魚を丸揚げしてあんかけ、的なお料理が好きでしたが、結局彼はそこも長く続かず。そして今、その店も有らず。

 思い出の味を振り返ってみたらことごとくお店がなくなっているという悲劇。となると頼みの綱は母の味。母は料理がとても上手なので大好物はいろいろあります。以前も書きましたがイカの身一杯に対してワタを二杯分使う手作り塩辛。お誕生日など特別な日に作ってくれるタンシチュー。母はあまり甘いモノをいただかないのですが、唯一作ってくれたカスタードプリンなどなど。

 とは言えまだ母も元気ですし。今は食べて笑う事はあっても泣く事はないかも。なんとも幸せなことです、はい。今宵もまたどこかで日本酒ロック片手に美味いモンでも食べるとしましょう。もちろん笑いながら。

【今日の乾杯】
というわけで今回はオアシズ大久保さんVer.のうまい棒。その名も「大久棒」。大久保さん宅での飲みでこんなん出てきました(笑)。味は“〆のラーメン風味”とのこと。ま、しめませんけどね。

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No Name2016.12.3

いいなぁ、あさこさんはロマンティックだなぁ。いい世界持ってる、且つ現実的で。ひとりを肥えて幸せな結婚されますよっ!!

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