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2016.12.07

売上最下位店舗が二ヵ月で首位になった朝の習慣とは

安達 晴彦

売上最下位店舗が二ヵ月で首位になった朝の習慣とは

京都を中心に携帯電話ショップ等を展開するテレアースジャパン。万年最下位のとある店舗が、わずか2ヵ月で首位になった理由は、なんと朝礼でした。

ただ参加するのではなく確実に成果を出すための朝礼の考え方から、人財育成・採用活動・地域密着ビジネスの真髄まで、チーム力を強くするためのメソッドがつまった書籍『朝礼ざんまい 人財が育つ、成果が上がる』より、リーダーもスタッフもお客様も幸せになる働き方を紹介いたします。

全員やる気ゼロ、万年最下位店舗の衝撃


 Y君は2011年4月1日、円町店に初出勤しました。
 ところが開店10分前の9時50分になっても誰もショップに来ていません。
 9時53分に男性店長がようやく来ました。
「お前、何時に来とんねん!」とY君は朝一番から叱りつける始末。
 その後に来た3年前からいるベテラン女性スタッフ(Tさん)は彼を
「誰やこいつ」という目で睨みつける。

 彼女の身だしなみは、「爪はもうネイルでキラキラで、キャバ嬢みたいな濃い化粧をして、髪の毛はエクステしていて、何やここはキャバクラか」くらい強烈だったそうです。
 そのショップは男性店長のもとに男性スタッフ1名、女性スタッフはTさんの他2名おり、女性は計3名。

 Tさんは役職こそついていませんでしたが、そのお店のオープン当初からいるいわゆるボス。他の女性スタッフはTさんの妹分で、見た目は全くギャルでした。
 しかも彼が「おはようございます」と言っても挨拶すらしません。
 Tさんに至っては「おうおう」という感じで、ずっと睨みつけています。
 いわゆる完全アウェーです。
 男性店長に「なんで挨拶もできん。掃除もせん」と怒鳴り散らし、初日から彼は鬼にならざるをえませんでした。
 店長に「なんで朝礼やらへんの」と尋ねると、「みんな反発して、辞めてしまいます」「辞められたら困るから何も言えないんですよ」と言いました。
 また女性スタッフも店長のことを店長と呼ばずDさんと呼びます。
「この店には店長がおるやろ!」
 兎に角びっくりすることばかりだったそうです。
 お客様が来られてもみんな接客に行かない。逃げていて、店長だけが接客に行きます。女性陣3人は何をしているかというと裏でお菓子を食べています。
 その女性陣に向かって、
「ふざけんなお前」「何しに来とんじゃお前」とまた彼は叱り飛ばす始末。
 しまいには頭にきて、「お前ら給料泥棒やわ」「前で一生懸命契約取りに行ってる店長がいて、その店長のおかげでお前ら給料もらえるわけやろ。お前ら何もしてへんやん。お菓子食べてるだけやん。
 それでおんなじ給料もらうな、俺が社長に言うて給料カットしてもらうわ」

 するとあろうことか、「給料が安い」と反発するんです。
「いやよう言うわ。お前らその分の働きしてへんやん」
 初日から大げんかです。
 その日の終礼で「この店終わってる。こんな店すぐ潰れるわ」と話すと、3人の内の1人が泣き出して、「辞めたい」と言い出す始末です。
 するとTさんが「あなたは何しに来たんですか。私たち仲良くやってたんですよ。それで良かったのに何で来たんですか。人1人辞めようとしてるんですよ。どうするつもりなんですか」とY君に噛みつく一方、泣いている女性スタッフに対しては「大丈夫やで、私が守ったるしな」……。
 唖然(あぜん)とするY君。


人財が辞めていく時の覚悟


 その日の夜の彼からの電話は「こらもう無理ですわ。想像以上にひどい。女性スタッフの化粧は濃すぎるし、無法地帯。接客しないし、何しに来てんのっていう感じです」

 私  「Y君、好きにしたらええで」
 Y君 「好きにせえと言われても」
    「辞めますよ全員」
 私  「もうそれもしゃあないやろ」
    「辞めてもろてもええから」

 再び、Y君。

 後にも先にもあんな1日はないという初日でした。
 その日に女性1人が辞めました。

 来る日も来る日も、Tさんとのバトルがすごかった。
 本当に言い合いです。
「今すぐ帰れー」とかボロカスに言ってました。
 Tさんは「絶対、自分はこの子らを守る」って感じで。私に対しては敵が来たみたいな感じでした。
 まだ彼女は若くて何もわからず自分の居場所が潰されると感じたのでしょう。
 一から十までそんな感じでぬるま湯の極みでした。
 当然、成績は近隣店でずっと最下位続きでした。
「自分はこの店を立て直しに来た。このままやったらこの店はなくなる。みんなもバラバラになる」「会社を辞めんならん。それでええの」とこんこんと言いきかせました。
 そういう日々の中、Tさんが体調不良で休むという日があって、もう1人の女性スタッフも休むと男性スタッフS君にメールが入りました。

 いよいよボイコットされました。
 朝出勤したらそのメールを受け取って顔を真っ青にしたS君と2人だけ。(店長が休みの日でした)
 僕は「ほっとけ、辞める奴は辞める。S君、2人でやるで」と言って2人だけでお店を開けました。
 とは言うものの週末でお客様はどんどん来られる。店が全然、回りません。
 その内「この店は2人しかおらんのか」とお客様からすごく怒られて、常に3、4人待ってもらっている状態でした。
 Webカメラでその様子を見かねて、丹後から3時間かけて常務が駆けつけてくれて、何とか乗り切りました。
 本当に助けられました。この時の絆を私は忘れません。

 こんな風に自分の力というよりも、この会社のみんなの受け入れる力が強いというか、社長や常務がそういう風にして下さったから自分が残れたと思います。
 これが皆に総スカンを食っていたら多分、僕は自分の決意表明を果たせるはずもなく、すぐに辞めざるをえなかったと思います。


売上最下位から1位へ「本気のスイッチ」


 前話で紹介したベテラン女性スタッフTさんが、自分の休みの日に私に逢いに京都市内から丹後まで、レンタカーを借りて3時間以上かけて直談判しにやって来ました。
 たまたま私は会社にいましたので逢うことができましたが、アポイントメントなく来たということは、ただならぬ用事があると察しました。

 彼女は「私はあんなこと(本気の心の朝礼)をやるためにこの会社に入ったのではありません。朝礼を続けるならスタッフ全員が辞めると思います。だからもうやめて下さい。そしてYさんを排除して下さい」と切り出しました。
 2時間余り、不平・不満をずーっと聞かせてもらいました。
 恐らく他のスタッフを代表して、覚悟を持って来たのだと思います。

 彼女は私に不満を話せたことで落ちついたのか、時間が経つにつれ、表情が少し和らいだように感じました。
 そこで私は彼女に、
「君はすごいで。休みの日にな、俺がおるかどうかわからんのに、3時間もかけて、自腹でレンタカーを借りて、ガソリン代と高速代を払って、クビになってもいいと覚悟して意見しに来たんやろ。自分(君)は気づいてないかも知らんけど、もう既に本気のスイッチ入ってるやん。
 君がこうして本気で来てくれたように、俺も本気や。決して中途半端な気持ちで本気の心の朝礼を始めたんやない。
 お願いやから今日みたいに、本気になって朝礼をやってみてくれへんか。まだそこまで本気になってやってへんやろ。本気になってやってみたら、絶対、何か新しい面白いものが見つかると思う。
 本気になってこの朝礼をやっても結果が出なかったら、すぐにこの朝礼はやめよう。俺が求めるものは朝礼をすることではなくて、活力の満ち溢れた店舗・会社を作ることや。朝礼はあくまでもそのための手段にしか過ぎひん。その手段で結果が出なかったら、他の手段をまた考えるだけや」と話しました。
 そして彼女が帰る時に、手元にあった5000円を渡しました。
 彼女は「このお金は頂けません」と断りましたが「ガソリン代の足しにして欲しい」と言いながら、「来てくれてありがとう。話してくれてありがとう。気をつけて帰って」と見送りました。
 その翌日から彼女は、本気の心の朝礼を本気でやるようになりました。
 それと同時に他のスタッフも、少しずつその朝礼を通じて本気のスイッチが入っていきました。
 お店の売上も近隣8店舗の中で常に最下位だったものが、2ヵ月で近隣1位になり、不動のものになっていきました。
 今、思い出せば当社の「本気の心の朝礼」導入まで色々な思い出が蘇ってきます。

 

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