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2016.12.10

大事なのは心、もっと大事なのは言葉

安達 晴彦

大事なのは心、もっと大事なのは言葉<br /><br />

京都を中心に携帯電話ショップ等を展開するテレアースジャパン。万年最下位のとある店舗が、わずか2ヵ月で首位になった理由は、なんと朝礼でした。

ただ参加するのではなく確実に成果を出すための朝礼の考え方から、人財育成・採用活動・地域密着ビジネスの真髄まで、チーム力を強くするためのメソッドがつまった書籍『朝礼ざんまい 人財が育つ、成果が上がる』より、リーダーもスタッフもお客様も幸せになる働き方を紹介いたします。

一度吐いた言葉は引き戻せない


 言葉というものは、重いものです。一度、吐いた言葉は口から放たれたら最後、引き戻すことはできません。吐いた言葉は空気をビブラートし、誰かの耳に伝わります。
 伝わった瞬間、聞いた相手の記憶にインプットされます。
 だからこそ、言葉は考えて発するようにしています。
「言っていいこと悪いこと、言っていい人悪い人、言っていい時悪い時」
 そこを間違えると取り返しのつかないことになります。
 だから当社では、毎朝の朝礼時に「人とのつきあいで大事なのは心ですが、もっと大事なのは言葉です」と唱和し、言葉にすることで得られる効果と、言葉にすることで失うものを日々、意識しています。

 言葉の中でも悪口。
 これは気をつけなければなりません。

 悪口は人に対する場合もあれば、モノやサービスに対する場合もあります。
 悪口は多くの場合、その本人・当事者に直接ではなく、逆にその本人や当事者のいない所で言われます。
 陰口です。
・あの人は○○
・あまり美味しくない
・あのお店は○○
・あそこのスタッフは○○
 時に文句ばかり言っている人がいます。
 悪口を言う人はそれでスッキリして楽になるかも知れませんが、聞かされる相手にとっては決して愉快な話ではありません。
 その人はそのことに対してあなたと同じように、悪くは思っていない可能性、逆に良く思っている可能性もあります。
 それをあなたの一言が相手に影響を与えるとしたら、それは迷惑な話です。
 突き詰めていけば好みの問題です。
 好きか嫌いか。
 好き嫌いは皆、違います。個性があります。

 時に訊いてもいないのに、知りつくしているかのようにうんちくを語り、不味いだの、美味しくないだの、上手じゃないだの、下手だの語る人がいます。
 それはしてはいけません。
 相手は美味しい、この味好きと思って味わっているかも知れません。
 相手は、こんなことは自分にはできない、すごい、上手いと思っているかも知れません。
 そういう相手の豊かな思い、素敵な気持ちを消す権利は誰にもありません。
 文句ばかり言っている人には誰も近づかなくなります。
 一緒にいて楽しくありませんし、自分のこともどこかで悪く言われているかも知れないと心配になります。

 あなたが悪口を聞いたら、聞き流して、黙っておくことです。
 あなた自身が何か悪口を言いたくなっても、黙っておくことです。
 悪口は言うだけマイナスの多い、周囲の空気を悪くする毒気の多い言葉です。
 あなたはそれで気が晴れるかも知れません。
 でも悪口はあなたの印象も悪くするおそれがありますし、回り回ってあなた自身に戻ってきます。

 腹が立つ、痛い、つらい、悲しい、面白くない、不味いなどのマイナスの言葉やため息は最終的には自分の得にはなりません。
 これに対してありがとう、楽しい、嬉しい、面白い、美味しいなどのプラスの言葉は相手にとっても自分にとっても良い効果があります。
 マイナスの気持ちや言葉を自分の中で処理する修業が必要です。

 また、相手に本当に心を開いてもらおうと思うのならば、あなたは口が堅いほうがいいのです。
 つきあいのある人ならなおのことです。
 私は知り合いと会ったらたいていの場合、挨拶をし、言葉を交わします。
 しかし、そんな私ですが、中には自分から積極的に避ける人がいます。
 それは非常に口の軽い人です。
 陰で何を言われているか知れたものではありません。
 口の軽い人というのは誰と会っても、あの人がどうの、この人がどうの、自分はどうのと兎に角、よくしゃべります。
 いわゆる「おしゃべり」です。
 他人のことをそれだけしゃべるということは、自分のいない所では自分のことも同じように何か言われているおそれもないとは言えません。

 良いことを言われていようと、悪いことを言われていようと、何を言われていようが、むしろ何も言われないほうがましに思います。
「放っておいて下さい」という感じです。
 こういう人に何か相談することなど想像もできません。
 こういう人は信用されず、心を開いてもらうこともなく、本当に大事な情報は入らないのではないでしょうか。
 口は話すためにあります。
 だからと言ってとりあえず何でも言葉にすればいいということではありません。

 時には「これは言わない」「これは黙っておく」「これは他言しない」とはっきりと意識し黙っておくことも必要です。
 何をどう話すかも大事ですが、どう黙っておくことができるかのほうが、その人の知性や理性や品格を知ることができるのかも知れません。

 

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