京都を中心に携帯電話ショップ等を展開するテレアースジャパン。万年最下位のとある店舗が、わずか2ヵ月で首位になった理由は、なんと朝礼でした。

ただ参加するのではなく確実に成果を出すための朝礼の考え方から、人財育成・採用活動・地域密着ビジネスの真髄まで、チーム力を強くするためのメソッドがつまった書籍『朝礼ざんまい 人財が育つ、成果が上がる』より、リーダーもスタッフもお客様も幸せになる働き方を紹介いたします。

成功経験のある人財の採用で、会社の空気が変わった


私を支えてくれる大事な存在として、また当社にとって欠かせない幹部にY室長がいます。
 その彼との出逢い・ご縁もドラマでした。
 当時、その3年前にオープンした京都市内進出第一号店の成績がボロボロで、スタッフはどんどん辞めるという荒廃した状態になっていて、閉店しようかという所まできていました。

 そこに至るまでにも、何とか改善しようと、お世話になっている同業の上村(かみむら)社長(テレックス関西)が経営するお店の店長兼幹部である彼に度々、情報を頂きに行っていました。
 そんなある日、上村社長のはからいもあり、その彼が当社に入社してくれるというのです。心から有り難く救われる思いでした。

 2011年2月、京都府長岡京市の中華料理店で、彼と私と当社のI常務の3人で食事をしながら互いに今後の夢を語り合いました。
 今まで何度も顔を合わせたことのあるY君でしたが、一緒に仕事をさせてもらうと思うとわくわくしながら熱く本気で私も夢を語りました。

 その食事会を終えた後、丹後までの車中で私はI常務に、「折角、Y君がウチに来てくれるから、その価値を上げるも下げるも俺ら次第やで」「このご縁の価値をタダにするのか億の価値にするのか俺ら次第や。絶対、億の価値にしよう」と言い、I常務も「億の価値にしなかったらもったいなさ過ぎますよね」とこたえ、二人で固い決意をしました。
 Y君はY君で上村社長から「お前わかっとるやろな。俺の顔に泥を塗るようなことをするなよ。安達社長は俺も長いつきあいやから絶対、結果出さなあかんぞ」と言い含められていて、決意表明文も持参してきておりました。
 その決意表明文は、
「○○店は○○店以上にする!」「年間粗利は○○億円にする」というものでした。
 それだけ彼も本気でした。
 そして後日、本社のある京丹後市の網野町で面接をし、2人で食事をし、スナックで肩を組んで一緒に歌いました(彼をビジネスホテルに車で送る必要があったので、私はお酒を飲まずにいました)。

 時間は夜中の1時。
 私は彼にどこへ行くとも告げず「ちょっと車に乗ってくれへんか」と誘い、走らせました。
 不安だったのでしょう、何度も「どこへ行くんですか」と訊いてきました。
 真っ暗な山道を通り抜け日本海が目の前に広がる場所に車を止め、雨が降る中、岩場を手探りでよじ登り、一番、高い所に着きました。
 そして、彼に「今から私はここで本気の決意表明をする。ぜひ、それを聴いて欲しい」と言った後、海に向かって「私はY君と絶対、夢を実現させる。そして最高の会社を作ってやる。Y君、よろしくお願いします」と叫びに近い大声で決意表明しました。
 するとY君も自ら「私も決意表明させて下さい」と言った後、「私は安達社長と絶対、会社を何十倍も大きな会社にして最高の景色を一緒に見ます」と決意表明してくれました。
 そしてがっちりと握手をして彼の入社が決定しました。

 実は5年前にY君が当社に来てくれるまでは、当社には成功事例がありませんでした。
 成功事例がないが故に改善提案について「何々してくれる?」「これしてくれる?」「あれしてくれる?」と頼んでも、自信のない返事しかきませんでした。
 「ハイ、やりましょう」「皆と一緒にやりましょう」という自信に満ち溢れた反応で返ってくることがありませんでした。

 今、振り返るとそれもそのはずです。携帯事業は始めた20年前はそれほど説明しなくても売れる時代でしたが、携帯電話の進化と共に接客も進歩しなければならないにもかかわらず、その努力を怠っていました。だから成功事例がなかったのです。丁寧な説明と提案が必要になってから、成功していませんでした。
 ですからスタッフからすれば「社長はそう言うけれど……まあまあほなやってみよか」という感じだったと思います。

 それがY君の入社で変わりました。
 当時、そこまで本気のスタッフがウチにはいませんでした。
どんなパワーのあるアンプがあったとしてもそのスピーカーにパワーを受けとめる能力がなかったらそれはまさに大迫力の音にならないようなものです。

 例えば私が1000Wのアンプ、片やスタッフのスピーカーは500Wしか対応していない。
 これでは500W分がロスになります。
 1000Wあるアンプに対して2000Wで響くスピーカーにしてくれるのが彼との出逢い、ご縁でした。
 彼の本気に私も本気で応えなかったら失礼極まりないと思いました。
 だから私も本気で決意表明したのです。

 

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