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2016.11.21

11月に本格スタートしたSpotify。このままでは日本の音楽定額サービスは駆逐される。

まつだ かついちろう

11月に本格スタートしたSpotify。このままでは日本の音楽定額サービスは駆逐される。

2015年から急増中、音楽定額サービス各社の現状とは

日本法人設立から4年の歳月を経て、9月29日から招待制でサービスを開始した「Spotify」が、11月10日から本格的に日本でサービスを展開しました。

日本では、2015年から「AWA」、「LINE MUSIC」、「Apple Music」、「Google Play Music(YouTube Redも2016年内に予定)」、「Prime Music」(Amazon)とネット大手各社がこぞって、音楽定額サービスに参入しました。
最後に世界最大、そして最強の「Spotify」が参入しました。

昨年、各社のサービス開始時に、とても話題になった音楽定額サービス。
初期の無料お試し期間中に、各社とも1000万近いアプリのダウンロードが行われました。

しかし、無料お試し期間が終了すると、各社のアプリダウンロード数は大幅に減少し、また期待された有料会員はダウンロード数の1〜数%に相当する10万人台、善戦していると言われている「Apple Music」でも数十万と言われています。

世界では「Spotify」が4000万、「Apple Music」は短期間に1700万の有料会員を有し、それぞれ日々増加しています。

一方で、なぜ日本では音楽定額サービスが低調なのでしょう。
音楽は、無くなりませんし、人々が音楽を聴かなくなることも考えられません。
今回は、その背景を考察してみました。 

 

音楽定額サービスが日本で根付かない本当の理由

1.ラジオの音楽文化の違い
アメリカやヨーロッパでは、たくさんのFM局が存在します。各ステーションがそれぞれの特徴を持って様々なジャンルの音楽を流しっぱなしにしています。リスナーは自分の好きなジャンルの音楽を流すステーションを選択して周波数を合わせて聴きます。

他方、日本のFMラジオは、音楽中心の構成をすると鳴り物入りで開局したFM局も、時代の経過共にトークの時間が多くなり音楽を流す時間が少なくなったのが現状です。

リスナーが自分の好みで音楽を選択して、いつでも音楽が流れている欧米とは、音楽に触れる土壌、生活の中にある音楽という点で文化の違いがあります。

2.消費財になってしまった音楽
テレビコマーシャル、ドラマ主題歌、映画主題歌などのタイアップという巧みなプロモーション手法を編み出し、CDを大量に売るというビジネスモデルを作り上げた音楽業界は、70年代の2000億円程度から90年代に6000億円超という市場にまで大きく成長することができました。

しかし、デジタルとネットの時代に移行した結果、その巧みなプロモーション手法は、不幸なことに音楽を嗜好品から消費財に変えてしまったのです。

CD時代は、CDを購入するかレンタルするかしか選択肢がありませんでした。現在は無料で音楽を聴くことができる環境がたくさんあります。プロモーションを行っても無料で音楽が消費されてしまうのです。

嗜好品として音楽を楽しむ人達、本物の音楽好きを大切に育ててこなかったツケが、ここにきて露呈している気がします。

3.いつでも無料で聴ける、見られる環境
世界最大の音楽の貯蔵庫「YouTube」には、最新曲から昔の曲まで膨大に格納されています。「YouTube」は無料で閲覧することができます。さらに、スマホのアプリで人気の無料音楽アプリを使って、許諾なくYouTubeの音楽を無料で格納して、自分のプレイリストを作成して聴くこともできます。
わざわざ、音楽定額サービスを使わなくても、自分が聴きたい音楽は無料で聴ける環境が存在してしまっています。

4.パケット定額の弊害と無線LANの環境不全
携帯キャリアのデータ通信量制限があるため、音楽を最も聴くはずの世代が、スマホで音楽をストリーミングで聴くよりも、SNSやゲームにパケットを優先して消費しています。

他方、無線LANについては、最近、街中の環境が充実し始めていますが、まだまだ使える場所は限定されていたり、有料サービスであったりして、携帯のデータ通信を使わざるを得ない場合が多いです。

5.テレビが見られなくなった
若者のみならず、社会全体がテレビを見なくなりました。その結果、みんなが共通して聴く音楽が少なくなり、社会的なヒットが生まれにくくなっています。そのため、音楽の広がりや深さが、現在は浅く狭くなってしまっています。

 

危惧される、日本の文化的損失

このままでは、日本において音楽を志す人達が、音楽で生活するのが非常に苦しくなる恐れがあります。
クリエイターがどんどん少なくなるという文化的損失の危機に日本は直面しています。

では、どのようにすればもっと音楽が聴かれていくことになるのでしょうか。

 

リスナーを増やすためにできること

「Spotify」は、他の音楽定額サービスと違い、無料で4000万曲全曲を聴けるサービスプランがあります。無料プランの位置付けは、広告収入ビジネスと有料サービスに昇華するための入り口です。広告が入ったり、音質が完全な高音質でなかったり、シャッフルでの利用にはなりますが、全てのサービスが使えます。
「Spotify」のように、まずは無料で気軽に自分好みの音楽に触れたり、思わぬ新しい音楽を発見する楽しみを通じて、音楽好き、音楽がある生活を増やすことが望まれます。

日本には、欧米には例がないCDレンタル市場があります。

現在、音楽定額サービスを利用している人達は主に、年間1万円以上をCDを購入したり音源ダウンロードに費やしてもよいと思っていた音楽愛好家が多いと考えます。
そうするとCDレンタルを一定頻度利用している人達が、次の利用者としての可能性を秘めている人達ではないでしょうか。
リスナーを増やすためには、この人達にいかに新しい発見、音楽の楽しさを再発見してもらう仕掛けができるかが問われると思います。
それを考えるとまだまだ需要は掘り起こせると思われます。

次に、パケットのデータ通信量制限ですが、海外のように特定サービスが自社サービスのパケット代として課金されないように携帯キャリアと取り決めるような環境があれば、スマホでパケット量を恐れずにもっと音楽を聴く人達が増えるのではないでしょうか。

もちろん、2020年のオリンピックを控えて、街中に無料で無線LANが使える場所が増えることも期待されます。

 

ガラパゴスの終焉。ネット時代のサービスは規模勝負の時代へ

最後に、日本の音楽定額サービスを考えると、"ガラパゴスの終焉”を感じざるを得ません。
それはネットの時代は、規模の勝負の時代になってしまったからです。
「Spotify」は無料会員が1億、有料が4000万います。1億の会員はもはやメディアです。
「Apple Music」も約1年で1700万の有料会員を得ました。「Google Music」もYouTube Redと合わせて攻勢をかけてきます。
これらのサービスは、世界規模で展開することにより、その規模の優位性を生かして、楽曲の契約の効率化、固定費や宣伝費の低価格化、広告収入の増大をはかれます。

他方、日本国内だけでサービスを行っていると、規模の経済を発揮できません。

音楽を志す人達も、世界規模で展開するサービスに自分の作品を発表することにより、日本国内のみならず、世界の数千万の音楽好きに聴いてもらえるチャンスがあります。

日本のサービス提供者は、日本が優位性を保つ特定のジャンルに特化して世界に進出するなど対抗しなければ、存続は厳しい可能性があります。

 

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