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2016.11.16

不在と時間

鈴木 涼美

不在と時間

「どこにいる? また帰ってこないつもりなのか? 手紙には何が書いてあるんだ? 手紙は帰ってからお父さんが読む」

 横浜西口の駅ビルに入っていたシアトルカフェというベーグルとサラダの店で、ユリアに見せられた携帯電話の画面を前に、彼女と私はいろいろと対策を練っていた。今から14年ほど前の秋のことである。

「一応、返信しといた方がいいんじゃない? また捜索願出されるよ」
「返信しても出されると思う。でも、帰るとほんとに監禁状態だし。ただ、ダブルの場所も自分の店の場所もバレてるから、当分、出勤はできないかも」
「店替えれば? 普通のキャバじゃ嫌なの?」

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