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2016.11.16

第78回

「毎日お昼を食べていた友達が突然離れていきました。」回答「自分に非があると思っても甲斐ないこと。関係を続けたくない時、人はいくらでも後付けの理由を作り出すものです」

岸見 一郎

「毎日お昼を食べていた友達が突然離れていきました。」回答「自分に非があると思っても甲斐ないこと。関係を続けたくない時、人はいくらでも後付けの理由を作り出すものです」

今回の回答は、岸見一郎さんです。
 
◎相談 vol.78(ナンチー・会社員・33歳・女性・静岡県)

 ある日突然友人が離れていきました。  
 同じ会社で毎日お昼を共にしていた友人の一人が、ある時を境に自分達と一緒に食べなくなり、時同じくして態度も冷淡なものになりました。そのことを自分で受け入れることができず、自分の何が悪かったのかずっと考え続けています。

 元気で率直な正義感が強い彼女が大好きで、これまでお昼は自由闊達な意見交換ができる気の置けない関係で、人の陰口などもなく楽しい時間を過ごしていると思っていただけに、突然の豹変にこちらも困惑を隠せず、初めは、生まれ育った文化の違いなのかと考えたこともあります(彼女とは生まれ育った国が違うため)。  

 けれど、これほどまでに豹変するのにはこちらに非があるとしか思えず、何が彼女をそれほどまでに気分を悪くさせてしまったのか、これまでの自分の言動を振り返る毎日です。その中で自分の態度に反省すべきことが見つかり、LINEで「嫌な思いをさせていたらごめん」とも伝えましたが、「気がつかなかったし、謝ることはない」という返信とは別に、現在もにべもない態度は続いています。  

 一緒に食べていた別の子も、この急激な変化の理由は分からないようです。
但し、私から見てその子には非があるとは思えず、考えられるとしたら自分だろうと思っています。自分を本当に嫌っているかどうかについては、勇気が出ず聞けていません。

 相手の感情は自分にはどうすることも出来ないことなのだからと自分に言い聞かせ、大事なのは自分が相手を好きであることで、相手が嫌っても、せめて自分が好きであることや感謝の気持ちは言葉や態度にしていこうと、自分から話しかける努力をしていますが、硬化した態度が和らぐことはなく、また毎日同じフロアという狭い空間でずっと顔を合わせているだけに、他の人には以前私達に向けられていたような笑顔を見せている姿を目の当たりにすると、とてつもなく寂しく、傷ついたような気持ちになることもあります。  
 どうしたらこの気持ちから解放されて、受け入れることができるようになるのでしょうか。

◎お答えします。(今回の回答者 岸見一郎)

 親しくしていた人が突然離れていく時、自分に非があったのではないかと理由をあれこれ考えてしまいますが、理由はないのです。
 おそらくあなたのお友達は自分でもなぜ急に離れようと思ったか理由がわかっていないと思います。  

 後付けの理由ならいくらでも見つかります。あの人の優柔不断なところが嫌いだという人は、かつては同じ人のことを優しい人と見ていたのであり、支配的でないところが好きだったのです。 
 また、几帳面できちんとしているところが好きだと思っていた人が、細かいことにこだわるうるさい人に、おおらかな人が無神経な人に見えるのです。  

 なぜこんなことになるかといえば、関係を続けたくないと思った時、そのことを正当化する理由が必要だからです。だから、相手は変わっていないのに、その人の同じ面についてそれまでとは違う見方をするのです。  

 今ご相談のケースでも、お友達の気持ちがなぜ変わったはわかりませんから、自分に非があると思っても甲斐はありません。その人を好きである気持ちに変わりがないことをお伝えになってもいいと思いますが、当面積極的に働きかけられないほうがいいと思います。 またいつか戻ってこられたら仲良くしてください。
 

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