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2016.11.05

第26回

ギターケースを持って旅には出ない

コミック:たかしま てつを/文:納富 廉邦

ギターケースを持って旅には出ない

ギターを持った渡り鳥、小林旭演じる滝伸次も、人造人間キカイダーことギターの二郎も、シックスストリングサムライのバディも、映画やドラマのヒーローたちは、ギターをそのまま背中に背負って旅をする。ケースに入れて持ち歩いていたら、いざと言う時、さっと弾く事ができないわけで、ヒーローとしてはそれでは困るのだろう。

しかし、私たちはそうは行かない。やはり外を歩く時、電車に乗る時、ギターを剥き出しで持ち歩く度胸はないのだ。もっとも、流しの人以外で、裸でギターを持ち歩いている人は見たことないし、若いとか年寄とか、そういう問題ではないのだろう。あ、前の文章、裸の人がギターを持っているんじゃなくて、ギターをケースに入れずに裸の状態で持ち歩いている服を着ている人、ということだからね、日本語難しいな。

ギターケースは、ギターを外に持ち出すか、長時間弾かないで保管するかしない限り、特に必要性を感じないものだ。だから、うっかり忘れがちだが、いざ必要になった時に、さっと買えるようなものでもない。たまにソフトケースが付属することがあるが、あれは、ほとんど購入時に持ち帰るために使う以外では使えなかったりする。実際、私がギブソンのSGを買った時に付いていたギブソンのソフトケースは、大きな座布団がファスナーで閉じられているだけといった感じのもので、しかも、ファスナーが最後まで閉まらず、雨が降ると水が入ってしまうというもの。正に、持ち帰るための梱包材的なものだったのだ。これでは、持っていないのと同じ。

かつては、一応、外に持ち出せる程度のケースが付属していた。ただ、それは何故か、どのメーカーのどのギターを買っても同じような素材、同じようなデザインで、同じような茶色い合皮のケースで、バンドの練習では、すぐ、どれが誰のか分からなくなっていたものだ。しかも、何というか、全くカッコ良くはない。いつの間にか、全く見なくなったけれど、あのケースは一体どこで作ってたんだろう。今や、若い女の子が、ちゃんと可愛いケースを背負って街を歩いていて、しかも、みんなリュックのような感じで背負っていて、40年前にバンドを始めた私は、「おお、何と未来」と感嘆するほどファッショナブルになっている。

もちろん、あの女の子たちが背負っているケースを、おっさんが背負っても可愛くはない。あれはケースが可愛いのではなくて、女の子がギターを背負っているという形が可愛いのだ。しかし、とりあえず女の子が背負って可愛いケースが今はある、ということは歴史上、重要だろう。昔、フォークギターのケースには花柄やチェック柄があって、何だかなあと思っていたけれど、今ではエレキギターのケースにも色つきや柄物があって、渋谷辺りでは真っ赤なギターケースを背負ったお兄さんなんかも見かけるが、女の子は黒が多いような気がする。それは正しい風景だと、80年代の尻尾を未だに断ち切れないおっさんは思うのだ。周りの女の子が全員黒づくめだった青春。

ともあれ、今や、エレキギター用のソフトケースは、かなり選択肢が増えているのだ。そう言えば、呼び方も、最近ではギグバッグと言うらしい。練習やらギグやらに持って行くためのケースということだろう。セミハードの軽いタイプなどもあるから、その辺を総称して、更に、保管のためのハードケースと区別するなら、ギグバッグという呼称はなかなかよいのではないだろうか。多分、保管や長距離輸送用のハードケースを「ギターケース」、持ち歩くためのケースを「ギグバッグ」と呼ぶのが美しいのではないか。ハードケースはいっそ「ギタートランク」と呼ぶのもカッコいいな。

ギグバッグの選択肢が増えているというのは、要するに、ギグバッグはギターを買うとオマケに付いて来るものではなく、きちんと自分で選んで買うものになっているということだろう。実際、私にしても、たかしま君にしても、ギターケースを付属していたものから買い替えている。今は不要でも、ギターがある程度弾けるようになれば、いつかギターを外に持ち出す日は必ず来る。その日のために買っておくことは、決して無駄にならない。どころか、ケースがあれば、自動的に外に出る機会がやってくるものなのだ。

使うことを考えれば、単にギターが入れば良いというものではないのは当然。私たちが初めてギターを手にした時代は、選択肢が無かったからしょうがなかったが、今は、選ぶことができる。仕事用と散歩用と旅行用で違うカバンを使うように、ギターを、どのように持ち運びたいかで、選ぶケースも違うのが当たり前。もっと言えば、複数のケースを用意しても良いくらいなのだ。まあ、ケースに場所を取るくらいなら、ギターをもう一本買うぜ、というのがギター弾きだろうけれど。とりあえず、ここでは、プロではないので旅にはでないからハードケースは置いておいて、スタジオやカラオケなどに持って行くためのケース選びを考える。

例えば、Amazonやサウンドハウス、石橋楽器やイケベ楽器のサイトで「ギターケース」「ギグバッグ」といったワードで検索すると、それはそれは沢山のケースがヒットする。価格も2千円くらいから数万円のものまであるし、機能も様々。防水仕様もあれば、2本、3本を一度に収納できるものもある。肩掛けタイプもあれば、背中に背負うタイプもある。どれを買えばいいか、とても分かりにくいのだ。かといって楽器屋に行っても、ギグバッグは場所を取るせいか、それほど多くの種類が置かれているわけではなくて、ネットで見たアレを触ってみたいと思っても、それが置いてあることの方が少ないくらいなのだ。つまり、選ぶのが難しいのだ。

そして、ギターケースはギターを入れるケースだからデザインのバリエーションがどうしても限られるので、ひと目で「カッコイイ!」と思えるようなものは無い。最近はゴルフバッグでさえ、それなりのデザインのものがあるのだから、どこかのカバンメーカーが本気でギターケースに取り組んでくれたらとも思うのだけど、まだ、そういうのも無いようだ。プロのギタリストがカバンメーカーに発注とかすると面白いものが出来そうだけど、プロはギグバッグを使う頻度が多分とても少ないから可能性が低い。ギターケース抱えて電車に乗ってるプロのギタリストは、いないこともないけれど、基本ハードケースなのだ。商売道具なのだから当たり前だろう。

デザインと機能と品質のバランスを考えると、Providence、IGIG、SADOWSKY、Ibanezあたりがオススメ。ポイントとしては、電車で移動するなら、表側上部(ネックの上部にあたる場所)のハンドルが必須。それに、背中に背負える機能と、ヘッド側と下部の両方にポケットがあること。ギターを持って行く時は、出来れば他の荷物も全部入ると楽なのだ。将来的にはエフェクターボードを持つにしても、ケーブルやエフェクターの3個や4個は入るギグバッグにしておけば、スタジオに行くのも負担にならない。その意味では、折り畳み傘やペットボトルを差し込めるポケットが外部に付いているギグバッグが欲しいところだが、まだ見たことがない。残念。後は、防水機能はあると安心。別売で防水用のカバーが用意されているタイプもある。

そして、これは結構重要なのだけど、ギターを抱えたまま飲みに行く場合、意外に居酒屋や焼鳥屋などでも、ギターを預かってくれる。その際に、多少ぶつけられたりしても平気なくらいの頑丈さと、他の人のギターと間違いにくい個性はあった方がいい。大人になると、夜、バンドの練習があるけれど昼間は人と会う仕事がある、なんてことは当たり前にあるので、ギターを預ける場合があることは忘れてはならないのだ。そして、バンドの練習の後の飲み会こそが、実はおっさんバンドの楽しみだということも忘れてはならない。残る問題は、大人になると、ギグバッグにいっぱいステッカーを貼ったりするのが照れ臭くなることか。下北沢辺りで、女子高生なんかが背負ったギターケースに貼ってあるステッカーやバッジを眺めて、カッコいいなあと思いながら、しかし、いざ、自分のケースとなると貼りにくい。本当は貼っといた方が自分のケースだとすぐ分かって便利なのだけどね。

 

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