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2016.11.15

「風呂」にまつわるメモ

山田 マチ

「風呂」にまつわるメモ

 入浴は、読書の時間。初心者のころは、つるりと手がすべってお湯に本がどぼん、なんてことがあったので古本を読んでいましたが、ベテランになった今は、新品の本でも臆することなく持ち込みます。落としたり濡れたりしなくても、湯気でふやけますので、風呂からあがったら、重たい本の間に挟んでプレスしておきます。

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 排水口のフタははずしています。丸見えの状態ですと、見て見ぬふりをすることができず、強制的にそうじをするので、詰まることがありません。

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 浴槽を洗うのに、柄つきのブラシを使っています。タオルハンガーにS字フックをかけ、そこにぶらさげているのですが、インテリアにこだわるおしゃれさんは、こういうものをどこにしまっているのでしょう。おしゃれな風呂場には、そうじ用品を隠す場所があるんでしょうか。我が家にはそれらしき場所がないので、好きな色のブラシを使うのが精一杯です。

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 タイルの溝や、蛇口のわきなど、狭いところを掃除するのに、IKEAのキッチンブラシを使っています。安くて軽くて丈夫でかわいい、我が家唯一の北欧の品。ひとり暮しの台所には大きいですが、風呂にはちょうどいいです。

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 木造アパートの1階の部屋に住んでいたころ、お風呂の扉をあけっぱなしにして旅に出てしまいました。約1週間、季節は梅雨。帰ってきたら、部屋じゅうカビのにおい。自分のすべての持ち物を、洗ったり干したり捨てたりしても、その名残が完全になくなるまで何年もかかりました。こんな過ち、もう誰にもしてほしくないです。

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 風呂そうじをできるだけラクにしたくて、使うものを極力減らしています。シャンプー、リンス各1本、石鹼ひとつ。世の中には、髪や体にとても良さそうな液体があふれています。リラックスやデトックスできるというものが、ドラッグストアの棚にところせましと並んでいます。疲れているときにふらふらと手が伸びそうになりますが、自分を厳しく律しています。

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 ヌメヌメするのがいやで、お風呂場の床には、何も置かないようにしています。洗い場に椅子はなく、洗面器も使いません。シャンプーや石鹼の置き場は、吸盤などで壁にとめています。そうじがきらいなので、そうじをしなくてすむための努力はおしみません。

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 吸盤だけはケチってはいけません。密着力は、値段と比例していると考えてよいでしょう。百円、二百円で、将来に大きな差が出ます。

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 タオルは、安くて薄いのが好きです。粗品とか、温泉でもらえるようなペラペラのが理想的。しぼるのがラクですし、すぐに乾きます。ふわふわの毛足の長い高級タオルをもらったりしたら、冬場に首に巻いて寝るのに使います。

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 バスタオルをいつ洗うか、チマタでは時折論争になっていますが、あれはバスタオルの使い方によるのではないでしょうか。私は、薄いフェイスタオルを洗ってはしぼりながら、できる限りの水分を吸い取り、風呂を出ます。それから、汗がひくまで、バスタオルを体に巻きます。バスタオル、私にとっては、バスローブ。なので毎日は洗いません。

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 タオルを白で統一するのは、ひとり暮しをはじめて、わりと早い段階であきらめました。タオルは人それぞれにこだわりがあるので、もらうと意外と困るのだけれど、どこからか集まってきてしまうもの。困ることを知っている以上、人にあげることもできず、新品をぞうきんにする勇気もなく……。タオルの負の連鎖を断ち切るために、もう私はどんな色でも柄でも使っていくことにしました。

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 体を洗うときは、手で石鹼を泡立てて、とか、絹や麻などの天然素材でなでるように、とか言われます。でもやっぱりたまには、ナイロンのしゃかしゃかしたやつで、石鹼をぶくぶく泡立てて、ごしごし洗いたくなります。さっぱりします。

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 バスマットは、試行錯誤の結果、ペラペラのものに落ち着きました。小さなスノコのカバーとして売っていた、薄いタオル地のものです。お風呂からあがるときは、タオルで足の裏までふいて片足ずつ出るので、濡れるのはほんの少々。使いおわるたび、脱衣所のつっぱり棒にぴっと干します。洗濯するのもラクチンです。

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 外国の雑貨をあつかうようなおしゃれな店で、木製の柄つきのボディブラシをみかけます。あれで脇の下をはじめとする敏感な部分を洗うことを考えると、むずむずして笑いがこみあげます。足の裏なんて洗おうものなら、いったいどうなってしまうのでしょう。

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 バスマジックリン以外のお風呂用洗剤を、生まれてこのかた、使ったことがありません。存在を知りません。とくに不満がないので、探したこともありません。お風呂用洗剤の王者、バスマジックリン。独走を続けるバスマジックリンは、ひとりよがりにはなっていないでしょうか。トップを走り続けるうちに、見失ってしまうものはないのでしょうか。ライバルが現れて、切磋琢磨してほしいものです。

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 バスマジックリンって、外見がバスマジックリンすぎるので、しゃれっ気を出して、別の容器に入れて使ってみたことがあります。でもなんだか、きれいになった気がしないのです。あの黄色のビジュアルにも、なにか不思議なマジックがかけられているのかもしれません。

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 どうせ風呂場にバスマジックリンを置くのなら、洗面器はケロリンにするといいと思います。色が合います。

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 脱衣所には、つっぱり棒を何本もはりめぐらせています。バスタオルやバスマット、使いおわった濡れタオル、お風呂でちょっと洗ったもの、雨の日には洗濯物。何本あっても困りません。つっぱれるもんなら、どんどんつっぱっていきましょう。

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 引越しするときは、窓のあるお風呂を条件にしています。二日酔いの朝、太陽のひざしを浴びながら熱い湯につかるとき、私は「自由」を感じます。

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 お風呂からあがり、汗がひくまでは、パンツもはきたくありません。温度や湿度を完璧にした部屋で、真っ裸でうろうろと好きなことをしているときに、誰とも住んでないっていいなぁ、と思います。
 

バスマジックリンとケロリンでお風呂場をコーディネート。色、合いすぎ。

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