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2016.10.26

オランダ旅行記1

狗飼 恭子

オランダ旅行記1

 旅に出る。
 行き先はオランダ。運河に囲まれた国。川が好きなわたしにはとても合いそうな気がする。
 オランダは不思議な国だ。風車、チューリップ、チーズ、なんていう可愛らしいイメージと、麻薬合法、売春合法、安楽死合法、などというダークな事実が同居している。良くも悪くも「自由」で「自己責任」の国のように思う。アンネ・フランクがずっとかくまわれていたのがオランダのアムステルダムなので、優しい国民性、というイメージもある。
 特に有名な画家はゴッホとエッシャー。わたしの好きな画家トップテンに入るヒエロニムス・ボスもオランダ人だ。DJとサッカー選手がたくさんいるらしいが、どちらも興味がないので分からない。有名な映画監督はポール・バーホーベン。あとはミッフィーを描いたディック・ブルーナも有名。日本人がオランダで仕事をするのに特別な許可がいらないらしく、日本人の移住が増えているらしい。
 エアチケットの手配はすんなりとすんで、さて次はホテルだ。
 そう思ってネットを眺めていて、初めて知った。オランダは、ヨーロッパの中でもホテル代が高い国なのだという。わたしのホテル代の目安は一泊六千円くらい。しかしアムステルダム市内では、ドミトリーすら一万円近くしていた。ホテルオークラ・アムステルダムがホテルオークラ・東京より一泊一万円高い感じ。どうしよう、少し郊外に泊まろうか、そう思い検索を続けていて、わたしはさらに驚かされる。オランダにある「変なホテル」の多さに、だ。
 まずわたしが見つけたのは、路面電車を改造したというホテルだった。その名も「ホテルノットホテル」。トラムの中で寝られる、がコンセプトだという。しかし空き室はなかった。残念。
 次に見つけたのが、お城を使ったホテル。しかも一泊三千円。もちろんドミトリー。泊まった人の感想を読むと、広い城の中に二段ベッドが幾つか並んでいるだけのようだ。アメニティもなくタオルもなく布団も薄いという。せっかくお城に泊まるのに、気分は使用人。新しい。敷地面積はとにかく広く、駅から歩いて三十分。最後まで迷ったが、ここに泊まったらずっと城から出られないと思い、断念。メイドごっこがしたい人にはいいかもしれない。
 その次に見つけたのは、十数年前まで監獄だった場所を改装したという「ロイドホテル」。河に浮かぶ小島にあるところがなんともリアルだ。鉄格子が多くあり、牢屋を思わせる名残がある。ここも泊まるか迷ったが、なんだか悪い気が残っていそうだったのでやめた。
 他にもトラムの倉庫だった「DE HALLEN」や、家を七十軒以上積み上げたような見た目の「インテルホテルズ」。砂でできたホテル「sandhotel」(現在閉鎖中)など、どうかしてるホテルが目白押しである。
 どうしよう、面白すぎてホテルが決められない。
 日和ったわたしは、結局、運河に浮かぶ船を利用したホテルを選んだ。
 それだって充分面白いホテルのはずなのだけれど、なんだか小物感がいなめない。
 アムステルダム、癖が強すぎてわたしの手にはおえないかもしれない、なんて予感を抱きつつ、旅が始まる。  

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