毎日を1%ずつ新しく生きる! 刺激と感動のマガジン&ストア

★がついた記事は無料会員限定

2016.11.20

マンモグラフィで発見される大半の乳がんは消失している!

近藤 誠

マンモグラフィで発見される大半の乳がんは消失している!

 3つめは、自覚症状がなく、検診で発見されたケースです。その場合には、実はがんの縮小・消失がひんぱんに生じます。

 僕は、初期の胃がん、食道がん、乳がんなどが消えてしまうケースを何例も経験しました。初期の子宮頸がんや子宮体がんでは、消失することのほうがむしろ多かったくらいです。

 比較試験でも、検診で発見されたがんの多くが消失することがわかっています。

 乳がん検診の比較試験では、マンモグラフィ(乳房エックス線撮影。以下、マンモ)で発見されるようなケースは、放っておくと多くが消えてしまうと推定されているのです。

 どういうことか説明しましょう。

 スウェーデンで40~69歳の女性六十数万人を対象とした試験がおこなわれました。半数は定期的に6年間マンモを撮影する“マンモ群”で、残りの半数は、最初4年間は検診をせず、最後の2年間に検診をうける“放置後マンモ群”です(Lancet Oncol 2011;12:1118)。

 こういう試験では、マンモ群の乳がん発見数が、放置群よりかならず多くなります。

 放置群で乳がんとわかるのは、乳房内のシコリを自覚するケースだけですが、マンモ群では、それに加えて、シコリがない人にも乳がんがみつかるからです。

 実際に発見された数は10万人あたり、 

 【乳がん発見数】 4年放置:658人
         4年マンモ:982人

 と、マンモ群の乳がんが324人増えました。

 すると放置群には、324人分の乳がんが発見されずにひそんでいることになります。これまでの理論では、それらは“がん”なので消えることはなく、放置群でもマンモをすれば発見されるはずです。

 それを確かめるために、比較試験では、最後の2年間に放置群にもマンモを施行しました。すると結果は、

【乳がん発見数】
4年放置後、2年マンモ群:1269人
      6年マンモ群:1443人

 と、乳がん発見数には依然、174件の差があったのです。324人分の乳がんのうち、どうやら過半は消えたようです。

 この差はその後も縮まらず、10年後でも両群の乳がん発見数には181人の違いがありました。つまり試験の最初の4年間にマンモでみつかった乳がんの過半は、もしマンモを実施していなければ、自然に消えてしまう、ということです。

 このようにマンモで発見される乳がんの大半は、消失する運命にあるわけです。しかし、もし検診をうけて発見されると、乳房全摘になる可能性があるのです。

 マンモ検診の別の比較試験では、検診をうけても、乳がん死亡数が減らないことが示されています(その記事は こちら→http://www.gentosha.jp/articles/-/5735「小林麻央さんは検診を受けていたのに、なぜ「深刻」な乳がんになったのか」)。

 どう考えても、マンモ検診はムダで有害、百害あって一利なし、ということですね。

 

※次回は、小倉智昭さんの話題に続きます。11月27日(日)公開予定です。

★がついた記事は無料会員限定

関連書籍

近藤誠『がん治療の95%は間違い』
→書籍の購入はこちら(Amazon)
→試し読み・電子書籍はこちら

記事へのコメント コメントする

コメントを書く

コメントの書き込みは、会員登録とログインをされてからご利用ください

おすすめの商品
  • ピクシブ文芸、はじまりました!
  • 文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作!
  • 無理しないけど、諦めない、自分の磨き方
  • 時短、シンプル、ナチュラルでハッピーになれる!
  • ビジネスパーソンのためのマーケティング・バイブル。
  • 有名料理ブロガー4名が同じテーマでお弁当を競作!
  • ドラマこそ、今を映すジャーナリズム!
  • 砂の塔 ~知りすぎた隣人[上]
  • 小林賢太郎作品一挙電子化!
  • あなたがたった一人のヒーローになるためには?
朝礼ざんまい詳細・購入ページへ(Amazon)
文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作!
ピクシブ文芸、はじまりました!
エキサイトeブックス
今だけ!プレゼント情報
かけこみ人生相談 お悩み募集中!