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2016.11.06

がん細胞が“消える”メカニズムとは

近藤 誠

がん細胞が“消える”メカニズムとは

 検診が普及しても、お腹がふくれるなどの症状によって発見される神経芽細胞腫の数は、検診開始前のそれと変わらず、多くの乳児は亡くなりました。

 つまり、症状によりみつかるケースと、検診で発見されるケースとの合計数は倍増したけれども、死亡数は変わらなかったのです。

 他方、いろいろな研究の結果、検診でみつかる神経芽細胞腫は、放っておけば自然に縮小・消失することがわかりました。検診は、自然に消失するはずのものを早期発見して「治った」と言っていたわけです。

 結局、早期発見は無意味だとされ、日本での検診は2003年に中止されました。3000人の乳児が手術や抗がん剤による不要な治療をうけ、何人もの乳児が治療死したあとでした。

 研究で判明した事実を整理すると、

 

 (1) 乳児検診でみつかった神経芽細胞腫は自然に消失するけれども、検診後に症状を発してみつかったケースでは消失しない

 (2) どちらも組織の顕微鏡検査では、神経芽細胞腫という診断になり、区別できない

 (3) 乳児の場合、肝臓や皮膚などに転移があっても、初発病巣とともに消失する

 

 となります。

 転移がんも一緒に消えることから、このケースでは、すべてのがん細胞が消滅する運命にあり、その運命はがん細胞の遺伝子が決めていることがわかります。

 つまり、正常細胞の遺伝子のいくつかが変異すると、“がん細胞”に変わり、それら変異したものを含む遺伝子の組み合わせが、将来がん細胞自身を消滅させるプログラムの役目をはたしているのでしょう。

 これら遺伝子の全体がコピーされて子孫のがん細胞にうけつがれるため、消滅する運命もうけつがれていくわけです。

 

※第37回に続く。11月13日(日)公開予定です。

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