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2016.11.07

駆け込み寺庵主さんの<今週の引き寄せ問答>その3

「子どもをなかなか授かりません」→今、手にしているものの中に宝物がある

戸澤 宗充

「子どもをなかなか授かりません」→今、手にしているものの中に宝物がある

伊豆天城山で女たちの駆け込み寺「サンガ天城」を運営し、たくさんの悩める女性を救ってきた尼僧・戸澤宗充さん。著書『すべてを喜びとする。駆け込み寺庵主の「引き寄せ」問答』より、頑張ってるあなたの小さなモヤモヤをすっきり解消する問答をお届けします。


 昔に比べて、不妊に悩む夫婦が増えているようです。私の知り合いにも、子どもをなかなか授からない女性がいました。長年不妊治療をしているんだけど、赤ちゃんがやってこないのです。私も母親ですから、わが子を抱いてみたいという女としての本能は、よくわかります。昔は珍しかった体外受精も、今はずいぶん増えているようですね。医学の進歩に救われたお母さんもたくさんいるでしょうが、その一方で、経済的な理由や健康上の問題で、結局授かれない人もいます。

 そう考えると、やっぱり子どもは、授かりものなんですよね。子どももそうですが、地位や名声、お金など、人々が欲しがるものは、みんな授かりものであり、生きている間の預かりものにすぎません。

 以前、子どもを亡くしたお父さんが、インタビューに答えている様子をテレビで見ました。その子どもさんは、紛争地帯にボランティアで赴いていたとき、現地の人間に殺されてしまったそうです。「なんで殺されなきゃいけないんだって、相手を恨みませんか?」と記者に聞かれ、お父さんはこう答えていました。

「わが子と思えばすごく悲しいし、殺した人を憎いと思います。けれど、あの子は、私たちが神様から預かっていただけだから、仕方がないと、しかも、あんな素晴らしい子を預けていただいたと自分に言い聞かせました」

 感情を押し殺し、淡々と話す姿がとても印象的でした。
 命はもちろん、地位やお金も、死んでしまったら、全部手放さなくてはいけません。ですから、すべてのものにおいて「自分のもの」なんて本当は存在しないのです。

 私の知り合いは、結局赤ちゃんを授かることができませんでした。とても悲しいけれど、子どもがいないと、その人の人生が不幸かと言うと、決してそうではありません。私は彼女にこう言いました。

「子どもがいればいいのにと、手に入らない現実に執着するのではなく、今、あなたが手にしているものを大切にしましょう」

 執着から離れると、すでに手元にあるものの価値が見えてきます。たとえお金がなくても、子どもがいなくても、パートナーがいなくても、あなたが手にしているものの中に、宝物がきっとあります。「あれが欲しい」と天を仰いでいるときこそ、足元に目を向けてみてください。そこにはきっと、あなたの人生を支えてくれている大切なものがあるはずです。


人々が欲しがるものは、
授かりものであり、
預かりものです。

「あれも欲しい」「これも欲しい」
追い求める人生で手に入るものは、
虚無感。
 

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