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2016.10.18

おかあさんといっしょ

鈴木 涼美

おかあさんといっしょ

 

 そこそこ間違っている私の体感では、日本人の7割くらいが坂口杏里の心配をしている気がするのですが、そんな心配しなくてもあんな高額な商品、業界きってのVIP待遇でいい扱いを受けられると思いますよ。亡くなった有名女優のお母さんを引き合いに出して、天国で悲しんでいるはずだとか、あの気立ての良い女優さんの娘のそういうところは見たくない!だとかいう声もちらほら聞こえるが、母親が悲しむようなことであれば、せめて母親が亡きあとにするほうが良心的と思う。

 まぁ、私のそんなお節介は「天国で悲しんでいるはずだ」的なお節介と同じくらい意味のないものではある。私はニコイチファッションで銀ブラしている母娘も、そもそも男女カップルのペアルックも、何が嬉しいのか何が楽しいのかよくわからない。「恋は盲目」的な理由で箸が転んでもシアワセみたいな気分と似ているのだろうと、なんとか納得しているものの、親子なんていう燃え上がらない関係性の中でそれをやるなんて奇想天外摩訶不思議といつも思う。だけれど、当の2人にとっては楽しい時間なわけだろうし、むしろそういった楽しさを理解できない私のような人間こそ摩訶不思議に思われるかもしれないし、2人の間のことは当人同士しか結局はわからないのだ。

 性産業的なものをオシャレに仕立てた女子高生の援助交際やら小悪魔agehaやらアイドルAV女優やら、一連のブームをスティグマ浄化大作戦と名付けるとするならば、その大作戦の大きな功罪に、自由で自己選択的で貧困や不幸の香りがしない彼女たちに親不孝のレッテルを貼り付けたことがある。借金の肩代わりに吉原に売られていた女児たちを親孝行の極みとすれば、人身売買的な管理売春のイメージが払拭されればされるほど、性的なものは親孝行から遠ざかる、あくまでもイメージ上。だが現実は今でも、親孝行で勇んで性産業に没入していく古典的な淑女がいるのだ。

 ナオミはとても頭のいい子だった。どれくらいいいかというと、のちに警察に保護された時に「なんか警察の人がIQテストしてみたらやばい数字が出たらしい」と噂されるくらいに。色々な人物を評論するのが好きだったレミちゃんは、「誰も、友達も雇い主も現場の人たちも、彼女が14歳だったなんてほんとに微塵も思ってなかった。そういう意味で本当に精神的にオトナだった。その辺の中学生の年齢ではなかった」と、ナオミについて振り返っていた。

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