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2016.10.16

「心臓病」の場合も、医者にかかったほうが早死していた!

近藤 誠

「心臓病」の場合も、医者にかかったほうが早死していた!

 長生きするためには、国民の死因順位が第1位の悪性腫瘍(がん)だけでなく、心筋梗塞と脳卒中を含めた“心臓血管病”にも気を配る必要があります。心疾患が死因順位の第2位に、脳血管疾患が第4位になっているからです。

 この点専門家たちは、心臓血管病を予防するためには、高血圧や高血糖、高コレステロール血症などの“生活習慣病”への対策と治療が必要だと主張しています。それで日本では、健康診断が推進され、血圧や血糖値などを下げるクスリが数千万人に処方されています。しかしながら、本当に効果はあるのでしょうか。

 僕のセカンドオピニオン外来には、クスリを続けるべきかどうかを質問に来られる方が少なからずおられます。そこで今回は、がん治療の番外編として、生活習慣病の対策・治療で心臓血管病を予防できるかどうかを検証します。

 その検証には、比較試験が欠かせません。おおぜいの健康な、しかし生活習慣病をわずらっている人たちを2班に分け、片方は治療し、他方は治療せずにおき、効果を比較するのです。

 日本にはその手の研究がないのですが、心臓血管病が死因順位の第1位である欧米では多数実施されており、なかでもフィンランドで適切な試験が実施されています。

 その比較試験では、自覚的には元気で健康な、40~55歳の男性管理職3500人から、心臓血管病になりやすい因子をもつ1200人を選びだしています。具体的には、下記の7つの危険因子のうち、少なくともひとつに該当する人たちです。

 

 ●上の血圧が160~200
 ●下の血圧が95~115
 ●総コレステロール値が270以上
 ●中性脂肪が150以上
 ●タバコが1日10本超
 ●体重が標準の120%以上
 ●糖の負荷試験で、1時間あたりの血糖値が162以上

 

 そして、これら1200人を2班に分け、片方は定期検査を行わず、医者と面接しない「放置群」としました。

 他方は、4か月ごとに定期的な検査と、医者との面接がある「医療介入群」。面接では、体重のコントロールや食事内容の変更、運動量の増加や禁煙など、ライフスタイルについての細かな指導があり、それでも血圧や血糖値などが下がらないケースではクスリが処方されます。

 この比較試験では、危険因子をもつ人の割合は医療介入群のほうが減ることが確認でき、それもあって15年間にわたり、1200人の生死を調べつづけました。

 そして両群の、心臓血管病や、がん、事故、自殺などによる死亡数が公表されました。まず、“総死亡数”のグラフをみてください。

 なんと総死亡数は、医療が介入したグループのほうが46%も増えていたのです。

 

※第34回へ続く。10月23日(日)公開予定です。

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