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2016.10.17

試験が終わってからが「真の戦い」と心得よ

鬼頭 政人/佐藤 大和

試験が終わってからが「真の戦い」と心得よ

 開成中学・高等学校から東京大学を卒業し、司法試験にも一発合格した弁護士の鬼頭政人さん。著書『結局、ひとりで勉強する人が合格する』(幻冬舎)でそのノウハウを惜しみなく公開し、話題となっています。

 今回の対談では同じく弁護士で、『ずるい暗記術――偏差値30から司法試験に一発合格できた勉強法』(ダイヤモンド社)を執筆した佐藤大和さんを迎え、一生役立つ勉強法について語っていただきました。第3回は永遠の論争が続く受験と恋愛。そして合格してからの心構えについてです。(構成:向山勇)

 

 

 佐藤  鬼頭先生は恋愛は勉強の中で必要と考えていますか?

 鬼頭  勉強の中でですか(笑)。

 佐藤  そうです。僕は必要だと思っているんです。勉強の中で試験に合格することが目標なわけですけど、同時に「人間力」が大事だと思うんですよ。加えて人の痛みが分かる共感能力であったり、コミュニケーション能力も必要です。それを学べるのが恋愛や人付き合いだと思うんです。「人間力」と「勉強」は車の両輪みたいな存在ではないでしょうか。それが揃ってこそ社会で結果も出せるようになると。

 鬼頭  なるほどね。「受験勉強をうまくいかせるために、恋愛は必要か?」っていうことになると、わからないですね。僕はしてましたけど(笑)。でも、恋愛をしていたから、いい結果が出たとまでは言いきれない。ただ、社会に出てから「人間力」は必要で、「人間力」を養うために、恋愛っていう手段がすごい適切だろうなとは、僕も感じますね。

 そういう佐藤先生は、恋人いたんですか(笑)?

 佐藤  恋人ですか(笑)。

 鬼頭  見る見る顔が赤くなってきましたけど、何かありました? そういえば、何か本に書いてあったかな……。

 佐藤  えっと、その、いや、僕はモテない人生だったんで。

 鬼頭  どうしたんですか、今日の対談の中で一番狼狽していますよ(笑)。

 佐藤  テレビの出演歴も六年くらいあるので、どんなパスが来ても答えられるようにしてるんですけど……。

 鬼頭  でも、心当たりがあるからうろたえているんですよね。

佐藤  えっ? そういうことじゃないですよ(笑)。

鬼頭  何もなかったら、「ない」って言いますもんね。

佐藤  ちょっと、封印していた記憶がたくさんあるんで(笑)……。実は、男子校出身なんで二〇歳まで人と付き合ったことなかったんですよ。

鬼頭  女子と?

佐藤  二浪してやっと大学入ったときに初めて女性とお付き合いして。でも、ロースクールのときにいろいろあって別れました。だからこそ、人間関係がわかってきたんでしょうね。

鬼頭  佐藤先生は、「恋愛は必要派」でしたよね。

 佐藤  そうですね。僕みたいに、人間関係の機微を知ることができますしね(笑)。

 鬼頭以前対談した佐藤亮子さんは、もう断固否定派でした。「半年くらい我慢しなさいよ」って(笑)。

 佐藤  多分、佐藤亮子さんが言いたいことは試験勉強に直結した恋愛って言うか、そこに関連した恋愛は要らないってことなんでしょうね。

 鬼頭  まぁ時間取られるし、高校生だと、やっぱりメンタル的にも未熟なんで、かなり恋愛にパワーを持っていかれますよね。

佐藤  確かに、それは一理あるかもしれないですね。

鬼頭  まぁ、でもね、恋愛って一期一会だしタイミングもあるから。同じ二人が会っても、ある時期には恋愛になるけど、ある時期にはならないっていうこともありますからね。

佐藤  そうですね。でも、燃えるような恋愛っていうのも僕はいいかなと思いますけどね。僕も司法試験のときに燃えるような恋愛をしましたが、結局別れてしまいましたし。

鬼頭  そうなんですね。いまの佐藤先生は、こんなに立派になって。その女性もキーッ!って後悔していますよ(笑)。

佐藤  いやぁ、「キーッ!」って言ってほしいですけどね、本当(笑)。自分で恋愛の話を出したんですけど、恋愛だけはちょっと弱いんです(笑)。

鬼頭  いいじゃないですか。そっちのほうが好感度高いと思いますよ。

 

 ★勉強本を読んだだけで満足していないか?

 

 

 佐藤  ちょっと話を戻すと(笑)、やっぱり「合格した後が大事」という点では、僕も鬼頭先生も共通していますよね。司法試験に合格した後の燃え尽き症候群は多いですしね。

 鬼頭  多いですよね。開成にもいましたし、東大にもいました。司法試験にもいましたね。 合格した時には、瞬間的にみんな満足するんですね。目標を達成したわけですから。ただ、冷静に考えると、司法試験だろうが、(合格者は)毎年1500人はいるわけだし、既存のプレイヤーも4万人いますし、その中ではワン・オブ・ゼムなわけですよね。

 で、「そこで努力をやめたら、4万人中4万位になるわけで、そんなやつが社会で伸していけるわけない」っていうのを、頭で理解できるかどうかだと思うんですよ。それをちゃんと理解できたら、勉強をやめないと思うんですけど、「俺は弁護士なんだ。すげぇんだぜ」ってなる人って、いるんです、確かに。

 佐藤  弁護士になったことで満足してしまって、終わってしまっているんですよね。

 僕は、弁護士として生き残っていくためには「本能と結びつけること」と「自分の武器を3つ見つけること」が必要だと伝えるようにしていますね。3つの武器というのは個性を3つ見つけなさいということなんです。三刀流になれば、自分なりのポジションというか、自分のブルーオーシャンを作れるということなんです。4万人いる弁護士の世界はそのままだったらレッドオーシャンですから。

 鬼頭  僕も本質的な欲求と結びつけるのは、大事だと思いますね。お金を儲けたいとか、女の人にモテたいとか、何でもいいんですけど、そういう人間の欲求って、すごくシンプルなんで。

 佐藤  そうですね、本当に。

 鬼頭  「社会に貢献したい」といっても、本能的な欲が満たされた後にしか出ないんですよね。自分がもう死にそうなときに「社会に貢献したい」とか思わないじゃないですか。「飯食いたい」って思うじゃないですか。

 佐藤  確かに。

 鬼頭  それと一緒なんですよね。結局、まず自分が満たされないと、絶対に社会を幸せにできない。だから「本質的に何考えているのかな?」って、自分に自問自答するっていうプロセスは絶対やったほうがいいと思いますね。

 佐藤  そのとおりだと思います。あと、「勉強本を読むことがゴールじゃない」ということもちゃんと伝えたいですね(笑)。どんなにいい予備校やいい本があっても、それで満足するだけだったら、成長しないんですよ。本を読んで、「ふぅん」って満足しちゃったら、それ、誰でもできる話ですから。そこに書かれていることを「再現して、活かして、繰り返す」。つまり実践することが何より大切なのかなと思います。

 

 

(おわり) 

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 鬼頭政人著

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 佐藤大和著

『ずるい暗記術―――偏差値30から司法試験に一発合格できた勉強法』

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