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2016.10.16

第5回 思い出の出演者たち

一水会・鈴木邦男は大荒れイベントに必ずいた

平野 悠

一水会・鈴木邦男は大荒れイベントに必ずいた

■1995年9月6日「右も左もぶっとばせ」【出演】鈴木邦男(一水会)/宅八郎(ライター)~この10年プラスワンがあって僕があった

 鈴木邦男は民族派の新右翼である。思想家として多くの識者を呼び、価値あるディベートを数多くこなしてくれて、たぶんプラスワンを一番活用してくれた。そしてプラスワン大荒れイベントの襲撃や、論争が昂じての殴り合いの場面には必ず鈴木がいた。プラスワンのダイナミズムというか予定調和を嫌う思想にはピッタリの人だ。

 本人は携帯電話も持たない完全アナグロ派。柔道4段、合気道3段。学生時代は新左翼の連中と乱闘した右翼活動家だった。自分の著書には必ず住所、電話番号を平気で載せる。自分のアパートに放火されたり街宣かけられたり、脅迫があったりしても平気だ。凄い読書家で1年に300冊以上の本を読むという。このロフトプラスワンを最大限に評価してくれて、20年たった今もプラスワンの重鎮である。

「宿敵・左翼の崩壊を危惧する」「左右の超越を訴える」など、既成右翼とは違った主張を展開している鈴木は、

「この10年は、ロフトがあって僕があったような気がします。富久町時代は時々震えが来るような緊張があった

〈鈴木氏インタビュー 聞き手:ロフトプロジェクト副社長 加藤梅造〉

 ――鈴木さんはジャンルがないと言われていますが?

「なんか好奇心があったんでしょうね。せっかくだから普段なかなか出会えない人に会ってみようと。ロフトは、右にも左にも宗教にも犯罪者にもすべてに門戸を開いてくれるからありがたかったですね。そもそも暴力とかテロのほとんどは、自分の発言の場を求めてやっていることが多いですから。言葉を訴えるために暴力を振るっている。自由な言論の場がなくなったらテロが増えるのは当然ですよ」

 一水会会長・鈴木邦男はロフトプラスワンの常連出演者だ。私は常々、ロフトプラスワンの一番の恩人は鈴木邦男だと言ってはばからない。

 初めて彼が店にやって来たのは、オープン3日目の佐川一政イベントだった。

 当時は週刊SPA!で「憂国のコペルニクス」という連載を持っており、民族派右翼ながら若い連中に人気があった。

 それから20年。新右翼一水会とロフトは深い関係になっていった。さらに鈴木は、ロフトでの政治関係や社会問題、格闘技、文学のイベントにはほとんど出席し、映画、演劇、哲学、宗教にスポーツと、何にでも通じている。ロフトで起こる事件のほとんどに絡んでいたのも面白い。20年のロフトプラスワンの歴史の中で、一番ロフトに出演した回数が多いのも確かなのだ。

 

 <自由な言論の場がテロを止める>

「昔はロフトプラスワンは、政治的なイベントが多かったですよね。僕もいろんなイベントに出させてもらいましたが、個人的に大きかったのは、むかし僕らが憧れていたコアな左翼の人たちと、生で会えたことです。そこですごく感動した時もあれば、なんだ左翼なんてこんなものかと失望した時もあった(笑)。

 先日、粕谷一希さんという元『中央公論』編集長の方にインタビューしたんですが、彼がこんなことを書いているんです。

 “左翼の人たちは自分たちの中では強いけれど、外に出て考えの違う人と闘うことがない”と。

 なるほどなと思いました。全共闘の時には強大な敵だと思っていたのが、それは集団としての強さであって、実際一人になってみたら、そんなに強くないんじゃないかと。

 例えばプロレスラーが自分らのリングではもの凄く強いけど、なんでもありの総合格闘技に出たらボコボコにされちゃうみたいな。つまり左翼はプロレスラーなんだと。それが分かったのがロフトプラスワンのステージでした(笑)。なんだ意外と大したことないと思ったのと、彼らも案外、人間的なんだなと親近感がわいたのと、両面ありますね。

 ロフトプラスワンに出るようになって交友範囲が広がったし、それまで僕の本もほとんど仲間内だけにしか読まれてなかったのが、もっといろいろな人に読んでもらえるようになりました」(『夕刻のコペルニクス』=週刊SPA!より)

 

 <左翼はもっと強くなってほしい> 

 ――鈴木さんは予備校や専門学校の講師もされていますが、今の若い人を見てどう思いますか?

「やっぱり雰囲気的に右派的な人が多いですね。僕らのころも右翼になる奴はだいたい落ちこぼれだったけど、昔と違うのは、今は闘いの場がないことです。一水会が一番生き生きしていたのは、野村秋介さんの選挙の時でした。あのときはびっくりしましたよ。ただのオタクだった若い会員が選挙活動で鍛えられ、人間的に大きく成長した。

 今は監視社会化が進んでいて、デモでちょっと暴れたり、チラシを配っただけですぐ逮捕されて、大学でビラ貼りすらも自由にできない。そのぐらいもっと自由にやらせればいいんですよ。街宣、デモ、チラシ配り、ビラ貼りは無制限に。じゃないと無気力な若者しか育たない。デモやビラまきをしたら逮捕されるから、じゃあネットでうさ晴らしでもしようってことになりますよ。僕が今の若者だったら、ネット右翼になっちゃうでしょうね」(プラスワン10周年記念本インタビューより一部転載)

 

※次回は「パリ人肉事件の佐川一政がきた日」です。

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