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2016.09.15

第2回

イランと中国が準決勝進出でアジアの強さを証明

岡田 仁志

イランと中国が準決勝進出でアジアの強さを証明

見慣れない時間表示が記載された予定表。   

■9月13日(火)グループリーグ第3節

 午前中にこの連載1回目の原稿を執筆。午後は未見の試合をネットでチェックして、19時半に東陽町のスカパー東京メディアセンターに到着した。収録開始時刻は、ブラジル×イランが20時50分、メキシコ×スペインが33時40分。誤植じゃありません。写真を見てもらえばわかるとおり、さんじゅうさんじよんじっぷん、である。

 控え室に入ると、スタッフに「空き時間はどうされます? 仮眠できる部屋もありますけど」と聞かれた。現地リオでは同じ日の試合なので「空き時間」ということになるわけだが、着替えも何も持参していないので「いえ、いったん帰宅します」と答える。しかしその直後、別のスタッフが来て「すみません、2試合目の収録時間が1時間前倒しになりました。どうされます?」とのこと。すると翌朝は集合時間が31時半(7時半)だ。5時半起床になるので「うーむ」としばし迷ったが、やはり着替えはしたいので、いったん帰ることにした。

 さて、ブラジル×イランである。ここまでブラジルは2連勝で勝ち点6。すでにグループAの2位以上を決めている。一方のイランはトルコと0-0で引き分け、モロッコには2-0で勝って勝ち点4。この試合で勝ち点1以上を取れば自力で準決勝進出を決められる(負けて勝ち点4のままだと、トルコがモロッコに勝った場合、2位争いが得失点差の勝負に)。しかしブラジル相手に「引き分け以上」は容易ではない。

 ただ、引き分けでも1位突破となるブラジルは、大黒柱の10番リカルジーニョと守備の要である3番カッシオがベンチスタート。準決勝に備えて主力の2人を温存する余裕を見せたため、イランにも十分にチャンスが出てきた。対戦順のアヤである。  無論、それでも地力はブラジルのほうが上。7番ジェフィーニョや8番ノナートが次々とイランゴールにシュートを浴びせる。途中出場の11番ドゥンボも、独特の間合いの切り返しからいくつも決定機を作った。だが、アジア随一の長身GKショジャエイヤンがそこに立ちはだかる。昨年のアジア選手権、日本×イラン戦の前半終了間際に黒田智成の強烈なシュートを右手一本で弾き出したのも、彼だった。あのときはゴール裏で激しく地団駄を踏まされたものだが、ブラジルの選手たちも止められてしまうのでは、諦めもつく。

 そのショジャエイヤン以上にこの試合で目立ったのは、イラン10番ザダリアスガリだった。日本もこれまで何度も彼にゴールを決められてきたが、目立ったのはシュートではない。腹やら脚やらを痛めるたびにピッチに倒れ、なんと1試合で3回も担架で運び出されたのである。昔から負傷退場の多い選手で、そのたびにケロッとした顔で戻ってくるのだが、さすがに3回というのは初めて見た。さすがに3回目はスタンドからブーイングを浴びてましたね。いや、まあ、本当に痛かったならしょうがないけど、この試合は生中継だったので、スカパー!のスタッフのみなさんは彼が倒れて時計が止まるたびに、放送時間内に試合が終わるかどうかヒヤヒヤしていたようだ。

 それ以外にも、ザダリアスガリは日本のブラインドサッカー関係者にとって既視感のある行動を取った。「サイドフェンス際での時間稼ぎ」である。詳しくは昨年の記事を読んでいただきたいが、アジア選手権における中国×イランの無気力試合はいまだに腹の立ついまいましい思い出だ。あのときフェンス際でニタニタしながら延々とボールキープを続けたのが、ザダリアスガリだった。あのときほど長い時間ではないものの、この試合でも何度かそのキープ力を発揮。ブラジルも「引き分けでOK」なのでそれほど激しく奪いには行かなかった。イランが負ければ準決勝進出のチャンスが生じるトルコの関係者は、イライラしながら見ていたことだろう。

 ブラジルは終盤にリカルジーニョを投入して点を取りに行く姿勢を見せたものの、結局0-0でタイムアップ。ブラジル相手に引き分けという結果を手に入れたイランの戦いぶりは実に見事であった。これでグループAは1位ブラジル、2位イランである。

 解説を終えて帰宅すると、ネットではアルゼンチンと中国がPK戦をやっていた。勝ち点、得失点差、総得点のすべてが並んでいた両チームだが、直接対決も0-0で終わり、順位を決める必要が生じたのである。ルール上は「PK戦もしくは抽選」だが、両チームとも試合会場にいるので、PK戦を選択したのだろう。結果は2-1で勝ったアルゼンチンが1位、中国が2位。これで準決勝はブラジル×中国、アルゼンチン×イランの「南米vsアジア対決」となった。アジアのレベルが欧州よりも上であることが証明されたのは、じつにうれしい。だが、そこに日本がいないことは、やはり寂しい。

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