毎日を1%ずつ新しく生きる! 刺激と感動のマガジン&ストア

★がついた記事は無料会員限定

2016.09.12

人間ドッグだけでがんは見つからない

高山知朗

人間ドッグだけでがんは見つからない

 30歳でIT企業を興して経営者となった高山知朗さん。ところが猛烈に働いていた40歳の時に脳腫瘍、さらに42歳の時に白血病と、2回の異なるがんを経験します。5年生存率はそれぞれ25%と40%、かけ合わせると10%という低い確率です。しかし高山さんは手術、放射線治療、抗がん剤治療の西洋医学のみで寛解し、45歳の今日まで生き延びているのです。
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ』では高山さんが2度の闘病経験から学んだ、病を生き抜くヒントを丁寧に解説しています。今回は「がんは早期発見すべきか」の一部を試し読みとして公開します。毎年人間ドッグを受けているから自分は大丈夫、と思っているあなた、実はアブナイのです!

*  *  *

≪がんは早期発見すべきか≫

 今回からは私が2回の闘病体験から得た「気づき」や「知恵」をみなさんにお伝えしていきます。自分自身ががんになって初めて学んだことの中には、みなさんにとっても役立つ内容があるのではないかと思います。

☆人間ドックだけでがんは見つからない

 定期的に人間ドックを受けている方は多いと思います。でも「人間ドックで病気が見つからなかったから大丈夫」というわけではありません。人間ドックだけで全てのがんを見つけられるわけではないからです。
 私の場合、通常の人間ドックでは、脳腫瘍も、白血病・悪性リンパ腫も見つけられませんでした。
 脳腫瘍は、空港で倒れたことがきっかけで見つかりました。悪性リンパ腫が見つかったのは、左足の激痛がきっかけでした。ともに、異常に気づいてからすぐに病院で検査を受け、がんが見つかったのです。

 実際に人間ドックで見つかるがんもありますので、人間ドックが無意味ということはないと思います。私の脳腫瘍についても、人間ドックのオプションのMRI検査を受けていれば、時期によっては見つかっていたかもしれません。
 でも私自身の経験から言うと、人間ドックを受けるのは前提としつつも、それだけに頼るのは危険だと思います。人間ドックを過信せずに、日頃から自分の健康状態に気をつけ、異常を感じたら早めに病院で検査を受けることが大切ではないでしょうか。
 その上で、検査でがんが見つかったときには、治療のために最適な病院を選ぶことが重要です。病院により生存率まで変わってくることがあるからです。
 そして、ネットや本などで病気や治療法に関する知識を得た上で、医師と信頼関係を構築し、議論し、最善の治療を受けることが大切です。
 人間ドックだけではがんは見つかりません。

・日頃から自分の身体の声に耳を澄ますこと。
・異常に気づいたら早めに病院で検査を受けること。
・病気が見つかったら治療に最適な病院を選ぶこと。
・自分で情報収集した上で医師と信頼関係を構築すること。
・納得した治療を受けること。

 こうしたことが大切ではないかと思います。

☆早期発見は必ずしも重要ではない

 がんという病気では「早期発見が大切」とよく言われます。「がんは早期発見できれば治る」とも言われます。もちろんそういうがんも多いと思いますし、早期発見に越したことはありません。でも必ずしも早期発見することが必要というわけではないことを、私は2回のがんを通じて知りました。

 私は2回とも、「自覚症状」が出てから病気が見つかりました。そのため検査で見つかるような「早期発見」ではありませんでした。ではもっと早期に発見できていたら何か変わったか、と考えると、あまり変わらなかったのではないかと考えています。

 脳腫瘍のときは、倒れる2年半ほど前から、「視野がゆがむ」という症状が出ていました。眼科で目の検査をしたところ、「特に目に異常はありません。もし眼鏡の度を弱めても改善しなければ、脳の検査をした方がいいかもしれません」と言われました。でも脳の検査までは受けませんでした。

 確かに、その時点で脳の検査をしていれば、もっと早く脳腫瘍が見つかったという可能性はあるかもしれません。でもそうだとしても、治療や予後は変わらなかったと思います。
 なぜなら、その時点でグリオーマが見つかっていたとしても、いずれにせよ手術で摘出する必要があることに変わりはないからです。そして仮に悪性度が1つ低いグレード2だったとしても、術後に抗がん剤治療と放射線治療が必要になることが少なくありません。さらに女子医大病院であればグレード3でも78%と十分に高い生存率が期待できます。

 つまり、2年半前に検査を受けて脳腫瘍が見つかっていたとしても、結果としては私が実際に受けた治療と、その内容や予後には大きな違いがなかったと考えられます。だから「あのとき脳の検査を受けていれば」という後悔は全くありません。

 白血病・悪性リンパ腫のときは、最初に左足の痛みの症状が出始めてから、3週間後に激痛に変わったため、すぐに病院でMRI検査を受けて腫瘍が見つかりました。ちなみにこの2ヶ月前にたまたま受けていたPET検査では腫瘍は見つかっていません。

 そうしたことを考えると、やはり私の病気は、週単位で進行する高悪性度のものであったことが分かります。こちらは進行の速さもあって、症状が出てからは比較的早く検査を受け、治療に入りましたが、自覚症状が出てからの発見ということで、やはり早期発見というわけではありません。

 でも白血病・悪性リンパ腫の場合は、必ずしも早期発見が重要ではありません。なぜなら悪性リンパ腫の治療は、固形がんのように腫瘍が小さいうちに手術で切除するのではなく、腫瘍の大小に関わらず化学療法による全身治療となるからです。だから必ずしも早期に発見した方が予後がよい、ということはないのです。
 こうした経験から、がんは早期発見に越したことはないが、自覚症状が出てからでも決して遅くはないのだと思います。

(高山知朗『治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ』「第三章 がん闘病から学んだ患者学」に続く)

 次回『病院選びは命の長さを選ぶのと同じ』は、9月16日公開予定です。

★がついた記事は無料会員限定

関連書籍

『治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ』
 高山 知朗 著
 
 →書籍購入はこちら(amazon)

記事へのコメント コメントする

コメントを書く

コメントの書き込みは、会員登録とログインをされてからご利用ください

おすすめの商品
  • ピクシブ文芸、はじまりました!
  • 文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作!
  • 無理しないけど、諦めない、自分の磨き方
  • 時短、シンプル、ナチュラルでハッピーになれる!
  • ビジネスパーソンのためのマーケティング・バイブル。
  • 有名料理ブロガー4名が同じテーマでお弁当を競作!
  • ドラマこそ、今を映すジャーナリズム!
  • 砂の塔 ~知りすぎた隣人[上]
  • 小林賢太郎作品一挙電子化!
  • あなたがたった一人のヒーローになるためには?
文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作!
ピクシブ文芸、はじまりました!
エキサイトeブックス
今だけ!プレゼント情報
かけこみ人生相談 お悩み募集中!