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2016.09.19

「造語」は、固定観念を捨てるきっかけになる

武田 双雲

「造語」は、固定観念を捨てるきっかけになる

人気書道家の武田双雲さんは、ポジティブシンキングについての書籍も数多く著しています。その武田さんが、「書く」ことで疲れを取る方法をお教えする新刊『疲れない!!』の試し読みをお届けします。
第5回は、「今の気分にぴったりの言葉を造語する」について、本文より抜粋します。

*  *  *

 先が見通せないから不安になり、不安になるからストレスや不眠に悩まされてその結果疲れてしまう。

 この悪循環を断ち切って今を楽しもう。

 そんな気持ちにさせてくれる言葉をこれまでにもたくさん紹介してきましたが、どうせなら言葉でもっと遊んでみましょう。そのときの気分にぴったりの言葉がなければ、自分で造語したり、文章を作ったりすればよいのです。なんたってそういう余裕のある態度こそが、余裕を生むのですから。

 僕が自分で作り、仕事を続けていく上でずっと信条にしている言葉のひとつに「成幸」があります。

 ふつうは「成功」ですが、この言葉には、たとえ犠牲を払っても、実利とか野心とか、何か目標を達成できさえすればOKというニュアンスが感じられるのに対し、「成幸」のほうは野心や実利、自己実現や社会貢献など、仕事をする上でのあらゆるモチベーションをすべて備えているという意味で、「成功」よりももっと欲張りだし、もっと上質な言葉だと捉えています。

 極端な未来志向をやめて今を楽しむには、「成功」のイメージからくる固定観念を捨てることが必要だし、それができれば本当の「成幸」を手に入れるためのアイディアも湧いてくるに違いありません。要するに、この固定観念を捨てるきっかけを、今までにない新しい言葉を創造することで手に入れるというわけです。

 だから、こうした“造語”を発想するにはなんといっても遊び心が大事。

 僕が会社を辞めて独立したとき、最初に玄関に飾った書にも「すべてを遊びに」としたためました。子どものころの僕は、一日中遊んでいてもまったく疲れませんでした。大人になった今もそういう人生を送れたらいいなあ、と思ってそう書いたら、本当にそういう人生を送れるようになったのです。

 そして、今、これも僕が書いて教室に飾ってある造語が「いきあたりばっちり」。

 これから起こることはすべて神の采配なのだから、じたばたしても始まらないし、こうして生きていられるのは家族や信頼できるスタッフ、友人たち、仕事仲間のおかげで、すべてはラッキー。そう考えるようになったら、先のことがどうであろうと、さらに楽な気持ちで生きていけるようになりました。

 毎日がパラダイス。

 これは、僕が適当道の師と仰ぐ高田純次さんの実にありがたいお言葉です。

 適当とは言いましたが、対談させていただいたときに感じたのは、周囲の人たちに細かい気配りができて、誠実ということでした。遊んでいるんだけど、それで誰かに迷惑をかけるようなことはせず、気がつけばまわりの人たちもその遊びに巻き込んでハッピーにしてしまう。

 まさに高田純次さんが「成幸」モデルですね。

 自分が心から楽しくなったり、楽になる言葉を選んだり作ったりすることで、日常のささいなことにも、そういう気持ちで接することができるようになります。

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