側室制度なき現代で、天皇という地位の〈男系男子の永続〉は考えられません。それを認めた“女帝反対論者”は「〈女帝〉はいいが〈女系〉は伝統に反する」と論旨を無意味に分けているといいます。どういうことでしょうか。
『愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか 〜女性皇太子の誕生』(田中卓著)から、連載第5回です。 

 女帝反対論者も、ごく最近は、「純粋な男系継承を続けるということは非常に困難」であることを認め、それを成就(じようじゆ)するためには古来、「庶子(しよし)(正式の婚姻関係にない両親から生まれた子のうち父親に認知された者)継承」と「傍系継承」の「二つの安全装置」があった、という。

 しかし、さすがに「庶子継承」は、今の時代に無理と見て取り下げている。そして国民世論の支持率の高い敬宮(としのみや)愛子内親王を念頭に、このお方は男系だから女帝として容認してもよいが、その後の継承が「女系」となると、それは日本の伝統に反すると、論旨を、「女帝」と「女系」とに分けて論じ始めた。しかし、女帝が皇族以外の婿を迎えられれば、生まれた子は「女系」となるのであるから、結果的には同じであって、これは愛子内親王だけを女帝と認めるための弥縫(びほう)策(一時的な取り繕った方策)にすぎない。

 そして、彼らの本心は、愛子内親王が女帝となることにも、実は反対なのである。そこで嫡出の子に男子がなければ、次の「安全装置」である傍系のお方を迎えればよいとして、敗戦後に臣籍降下された旧宮家の方々の皇族復帰を盛んに提唱している。そしてその中から男子を選出して、愛子内親王はその皇后になられたらよい、と勝手な構想をえがく者さえもいる。実に不遜な妄想ではないか。

 

※第6回「皇室には「氏」がないという特色を理解せよ」は8月11日(木・祝)公開予定です。

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