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2016.08.04

自分を肯定できない「子なし女性」たち

香山 リカ

自分を肯定できない「子なし女性」たち

 「ノンママ」とは、いろいろな事情で、子どもを持たない人生を選択した女性のこと。この夏、「ノンママ」をテーマにした書籍と連続ドラマが誕生しました。

 書籍は香山リカさん著『ノンママという生き方~子のない女はダメですか?~』(幻冬舎)で好評発売中。ドラマは『ノンママ白書』。主演は鈴木保奈美さん、東海テレビ・フジテレビ系で、8月13日(土)スタートです(毎週土曜 夜11時40分予定)。

 ノンママが一番傷つくひとことは「子どものいない人にはわからない」と、香山さん。多くのノンママは、そう言われると返す言葉がありません。なぜならそれは、ノンママたちの「自分を肯定できない心理」と深く関わっているからです……。

*  * *

●「子どもがいない私がいけないんだ」

 女性にとって妊娠や出産とは、いろいろな“縛り”がかかっていて、仕事を持っている場合、よほど計画的にするか、あるいは計算外でそうなるかでないと、すぐには実現できない。

 そこでウカウカしていたり、その“計算外”が訪れなかったりすると、「はっと気づいたら子どものいない人生に」となりやすい。そういう人の場合は、「子どもがほしいと思ったことは一度もない」というタイプとは違って、容易に「私の人生、やっぱり間違っていたのだ」と自信喪失に陥りやすい。

 そして、子育て中の女性がまわりへの配慮もあまりなく、子育ての話に夢中になったり、早く帰るワーキングママの仕事が自分に回ってきたりしても、それを「おかしい」とか「間違っている」と思えず、「子どもがいない私がいけないんだ」「人生間違ったかもしれない」と自分の側を責めてしまう。

 この自信喪失、自己肯定感の低下こそが、子どものいない女性にとっては何より深刻な問題なのではないだろうか。

 それは相手が嫌がらせや意地悪をしようと思わなくても、起きてしまうこともある。私自身、まわりの友人が少しでも子育ての苦労話を始めると、「これって、子どものいないあなたはラクね、という当てつけかな」と思い、「いやいや、さすがにこれは被害妄想だろう」と自分に言い聞かせることもしばしばだ。

 相手は単に、いま自分がいちばん時間やエネルギーを取られていることについて話しているにすぎないのだろう。これを「子なしハラスメント」と受け取るのはやや過敏かもしれない。

 しかし、相手がはっきりと何かの意思を持って、子どものいない女性に「どうして子どもがいないの?」と聞いたり、「子育てもしてないんだから仕事くらいちゃんとやってよ」と不当にたくさんの仕事を押しつけてこようとするのは、明らかなハラスメントであろう。

 ここでまずはっきり確認しておきたいのは、「子どもがいることは立派」かどうかはさておいても、この「子なしハラスメント」は許されるべきものではない、ということだ。

●ノンママ・ハラスメントに声を上げよう

 自分の人生が正しいか間違っているかは、また別問題としてゆっくり考えたほうがよいかもしれないが、少なくとも「子どもがいない」ということで肩身の狭さを感じたり自信を失ったりする必要はないし、ましてやワーキングママの仕事を肩代わりして自分だけが残業などで苦しむ必要はまったくない。

 とくに、「どうして子どもがいないの?」といった言葉は、これまで述べてきたように、明らかなハラスメント行為だ。ハラスメントの種類としては、相手の人格を傷つけるモラル・ハラスメントになろうが、もし相手が上司であるなど本人が「そんなこと、言わないでくださいよ」と言い返せない場合はパワハラにもなる。もし、その人が同じようなハラスメント発言を頻繁に繰り返すようであれば、人事課や会社のハラスメント対策室に報告すべき案件だ。これは、決して「子どものいない女性のひがみ」などではなく、職場から根絶すべきハラスメントなのだ。

*次ページに続く

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『ノンママという生き方~子のない女はダメですか?~』香山リカ

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