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2016.07.28

子なし女性への「悪意なきハラスメント」

香山 リカ

子なし女性への「悪意なきハラスメント」

 「ノンママ」とは、いろいろな事情で、子どもを持たない人生を選択した女性のこと。この夏、「ノンママ」をテーマにした書籍と連続ドラマが誕生しました。
 書籍は香山リカさん著『ノンママという生き方~子のない女はダメですか?~』(幻冬舎)で好評発売中。ドラマは『ノンママ白書』。主演は鈴木保奈美さん、東海テレビ・フジテレビ系で、8月13日(土)スタートです(毎週土曜 夜11時40分予定)。

 働く女性が妊娠・出産・育児をきっかけに職場で嫌がらせされたり、妊娠・出産・育児を理由とした解雇や雇い止め、退職の強要など不当な扱いを受けるのが、マタニティ・ハラスメント=マタハラ。
 マタハラは最近になって、やっと社会問題として認知されるようになり、今年の3月には、企業にマタハラ防止措置を義務づける法改正が行われました。
 そしてワーキングマザーだけではありません。ノンママたちもさまざまなハラスメントに苦しんできました。ノンママに対するハラスメントの特徴は、「悪意のないハラスメント」が大部分を占めていることだと、香山リカさんは言います。

* * *

●ノンママたちは傷ついている

 “本当の理由”はどうであれ、子どものことはとりあえず考えずに、まずは仕事を、とがんばる女性。社会も親も教師たちも、ある時点までは、そんな彼女たちのがんばりを応援する。
 ところが、ある年齢に達すると、まわりの反応が変わってくる。

「本当に子どもがいなくて、いいわけ?」
「やっぱり女は、仕事よりも子どもよ」
「子どものいない老後は、いくら成功していてもむなしいよ」
「あなたのような人が増えるから、少子化が進むわけだよね」

 そして女性たちは傷つく。
 これがノンママ女性たちへのハラスメント、「ノンママ・ハラスメント」だ。
  
 現在、「いろいろな場面での『嫌がらせ、いじめ』」を「ハラスメント」と総称しているが、一般的には「他者に対する発言・行動などが本人の意図には関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えること」を指している。つまり、「嫌がらせしてやろう」という意図がなくても、場合によってはそれがハラスメントになることがあるのだ。

 以下で述べるような理由により、ノンママに対するハラスメントの中には、この「悪意なきハラスメント」が大きな部分を占めている。それは、「子どもを持つことはすばらしい」という価値観があまりにも世間に浸透していること、またノンママ自身もその価値観を否定はしていないので、たとえ相手の言葉で傷ついても「そんな言い方、やめてください」と言い返せないことが理由と考えられる。

 ここでは、そのように光があたりにくいままであったノンママ・ハラスメントを、あえて掘り起こして述べていきたい。

→次ページに続く

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『ノンママという生き方~子のない女はダメですか?~』香山リカ

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