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2016.07.16

「ベッキーの誤算」第4回

ベッキーの誤算は、日本人が「ありのまま」を受け入れれず、時々「道徳家」に変貌すると、理解していなかったこと。

岩波 明

ベッキーの誤算は、日本人が「ありのまま」を受け入れれず、時々「道徳家」に変貌すると、理解していなかったこと。

幻冬舎新書『他人を非難してばかりいる人たち バッシング・いじめ・ネット私刑』が評判の精神科医・岩波明氏が、とどまるところを知らない日本人の不寛容性にメスを入れます!
ベッキーの不倫は激しくバッシングされたが、ドラマや映画や小説でも、不倫は”特別なテーマ”ではないし、逆にそれらを好んで見る人も多い
。現実でも、自分の不倫を普通に暴露する人は多いはずだ。にもかかわらず、テレビの人気者が対象となると、一気に厳しいバッシングに晒される。
フランスの恋多き大統領のことを、フランス国民は、日本人のようには騒がない。日本人は、自分たちが「起こってほしくないこと」が起きた場合、それを、「ありのまま」で受け入れることができないのだ。

*   *   * 

 かつて、「道ならぬ恋」には、刺激的で甘美であるとともに、後ろ暗いイメージがつきまとっていた。昭和54年にテレビドラマ化された向田邦子氏による『阿修羅のごとく』(文春文庫)には、そうした心情がよく描かれている。この作品は四人姉妹の恋愛模様が主なテーマであるが、年老いた父親の「不倫の恋」をめぐる物語が、ストーリーの大きな軸となっている。

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