日本をはじめアメリカ・ヨーロッパ・ロシア・アジア・オーストラリアなど、世界中の国で注目されている健康法「氣の呼吸法」を知っていますか?
 多くの病気の原因は細胞の酸素不足。そこで毛細血管のすみずみまで酸素を行き渡らせる全身呼吸を行うことで心身の健康を保つという考え方です。
 心身統一合氣道会を創見、世界中に普及させ、指導者を育成してきた藤平光一さんによるロングセラー『氣の呼吸法』の電子書籍化を記念して、初心者でもできる正しい呼吸法について紹介いたします。 


<心を静める場所、臍下の一点>

 心を静めることが大切なのは誰でも知っています。それでは、その心を一体どこへ静めたらよいのでしょうか。
   その場所がすなわち、私の説く「臍下の一点」です。
   古来、東洋では下腹部を「臍下丹田」と称し、これを非常に重視しました。そして人間の本当の力は、この臍下丹田から生ずると考えられたのです。

   しかし、ともすると、ただ下腹部に肉体的な力をこめれば、強く安定した下腹ができると考える人が多いようです。これは明らかに間違いです。
 下腹が重要なのは間違いないのですが、下腹は肉体的な力をこめる所ではなく、心を静める所なのです。
   下腹に力が入れば、連鎖反応で胸部にも力が入り、長くこれを行っているとみぞおちが痛くなったり頭に血がのぼったりしてしまいます。
   心が身体を動かしていることを忘れてはいけないのです。そもそも丹田の「田」は面積を意味しています。臍下丹田とは、広く下腹部を指しています。下腹全体を意識していては力が入るのも当然です。

   私はそれゆえ、下腹の力の入らない無限小の一点を「臍下の一点」と名づけたのです。
   初めて臍下の一点を学ぶ方は、例外なく高い位置に間違えています。恐らくは皆さんが思われる位置よりずっと下、恥骨の上あたりを目安にするとよいでしょう。
   古来、臍下三寸といった所です。

   この無限小の一点に心を静めると、肉体的な力が入ることなく強く安定した下腹ができます。臍下の一点に心を静めることを、「心を統一する」とか、「心を集中する」というのです。臍下の一点に心を静め、下腹が充実することで、心に落ち着きが生まれます。



<臍下の一点の意味>

    臍下の一点をさらに深く掘り下げてみましょう。
    天地自然は無限の半径で描いた無限の円周であり、球体であると言えます。
    そして私自身、その天地自然の中心であると言えます。
    なぜならば私の位置より、上下左右、何れをとっても天地自然は無限です。私が左へ一歩寄っても、天地自然は左側が一歩短くなるということはありません。相変らず無限です。
    ただし私だけが天地自然の中心であるという考えは間違っています。
    森羅万象、天地自然の中心です。
    形ある円の中心は一つですが、無限の円周の中心はいくつあってもかまわないのです。
    これを釈迦は「天上天下唯我独尊」と言いました。
    そして同時に「万物に仏性あり」と説いています。
    それを後世、釈迦だけが天地自然の中心であり独尊などと説くから間違ってくるのです。
    さて、この無限の円周を集約したものが自分であり、さらに集約したものが臍下の一点であると思えばよいのです。
    臍下の一点は形ある一点ではなく、心で二分の一、二分の一と無限に集約していく一点です。あまり小さくなって知覚できなくなっても心を止めてはいけません。そのまま続けて放っておけばよいのです。
    無限小に集約していく動の極致が静であり、これが正しい意味での臍下の一点です。
    一点が知覚できなくなるほど小さくなったとき「もうこの辺でよいだろう」などと止めると、それはもう「静止」ではなく「停止」です。
    静止状態は無限の動を含む最も安定した状態であり、停止状態は一切の動がなくなった無力状態です。「無限小」と「無」と言いかえてもよいでしょう。
    見た所よく似ていますが、根本的に異なります。

    この世の中で停止しているものは何一つありません。心もまた同じです。
    停止状態は既に天地自然の理に反しているのです。

 連載を記念して、9月12日(月)19:00~ 幻冬舎にて、心身統一合氣道の継承者、藤平信一さんセミナーも実施いたします。本日のテーマ「臍下の一点」に心を静めるということを直に学べるチャンスです。
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 次回「リラックスこそが最強の状態」は8月11日公開予定です。

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