日本をはじめアメリカ・ヨーロッパ・ロシア・アジア・オーストラリアなど、世界中の国で注目されている健康法「氣の呼吸法」を知っていますか?
    多くの病気の原因は細胞の酸素不足。そこで毛細血管のすみずみまで酸素を行き渡らせる全身呼吸を行うことで心身の健康を保つという考え方です。
    心身統一合氣道会を創見、世界中に普及させ、指導者を育成してきた藤平光一さんによるロングセラー『氣の呼吸法』の電子書籍化を記念して、初心者でもできる正しい呼吸法について紹介いたします。

<自分の心の状態を知る>

 プラスの心が大切なことは多くの方が理解をしていますが、一般的に、常にプラスの心でいることは簡単なことではありません。
 なぜなら、マイナスな心の状態に陥っているときは、自分自身ではその事実に氣がつかないためです。プラスな心を心がける以前に、まずは自分自身の心の状態を正しく知る必要があります。

 氣の呼吸法は、自分自身の心の状態を知るうえで重要な役割を果たします。氣の呼吸法を日々行うと、呼吸が静まるとともに心が静まります。
 すると、心は波静まった水面の如く、すべてのものを明らかに映し出します。自分が陥っているマイナスなこと、自分がとらわれて見えなくなっていることなど、自分の心の状態を正しく知ることができるのです。

 私はこの心の状態を「波静まった水面の如く、月来たれば月映じ、鳥来たれば鳥映ず。万物明らかに映ずる心の状態」と説いています。

   心の状態は水面と同じで、不安や動揺、緊張などで波立っているときは目の前のことを何も見えなくします。水面が静まっていると、鏡のように、月は月として鳥は鳥としてあるがまま映し出すのです。

    一番大切なことは、氣の呼吸法によって心が静まっていく過程で、私たち人間の本来の姿、すなわち天地自然に生かされている事実に氣づくことです。
 そうすることで、天地自然に対する感謝の心を私たちに思い出させるのです。そして、心は自然にプラスに変わっていきます。

 私たちの人生には良いことばかりが起こる訳ではありません。せっかくプラスになった心も、ちょっとしたマイナスな出来事でマイナスに陥るものです。そこで、氣の呼吸法で心をプラスにするだけではなく、プラスの心を日常生活で常に堅持する訓練が必要です。
   訓練と言っても、マイナスな出来事を無理にプラスに考えることではありません。それではかえってストレスとなって更にマイナスを生じます。一体どのように訓練したらよいのでしょうか。

    心には、私たちが認識できる意識(顕在意識)と認識していない意識(潜在意識)があります。潜在意識は心の倉庫のようなもので、一般的に言われる私たちの心の働きは、潜在意識より出された材料によって組み立てられています。
   したがって、潜在意識がマイナスであると、表面的にいくらプラスの心を心がけても、すぐにマイナスになってしまいます。潜在意識をプラスにするには、日常の訓練が必要なのです。

   最も身近にできる訓練は、日常でプラスの言葉を使うことです。
   言葉には大きな力があります。自分で発する言葉は、最も自分に対して近くで発せられる言葉なので、深く潜在意識に働きかけています。

   子どもに「お前は何をやってもダメな奴だ」とくり返し言葉をかけると、その子がダメになるのは自明の理です。しかし、これが自分自身になると、不用意にマイナスな言葉を発するのです。「できない」とか「嫌い」などは最たる例です。
   毎日毎日、自分自身に「できない」という言葉を発していると、それが潜在意識に入るので、何をするときも「できない」という氣持ちが先に生じてしまうのです。
   したがって、常にプラスの心を堅持するには、日頃からプラスの言葉を自分自身に発して、仮にマイナスな言葉を発したとしてもプラスの言葉で言い直せばよいのです。
   潜在意識をプラスに変えていくことで、物事を自然にプラスにとらえることができるようになります。


  「自然に」ということは極めて重要で、ストレスは生じません。潜在意識を変える訓練をせずに、ただ「プラスになれ」では単なる根性論になってしまいます。
   潜在意識をプラスにする訓練は他にも多くあります。ご家庭であればリビングや寝室など、自分の目の届く範囲に「プラスの人間になる」など目標を書いて貼っておき、日々目にすることでも大きな効果があります。また、寝る前に鏡の前に立って、鏡の中に映る自分自身に対して、「お前はプラスの人間になる」と言葉を発することも効果的です。

    こういった方法はあまりに単純なため、多くの方は知るだけで行動を起こしません。期間はどのくらい行えばよいかという質問もよくありますが、自分自身が変わるまでです。少なくとも、三ヶ月は行う必要があります。

   最近のテレビや新聞のニュースは凶悪犯罪や不祥事など、マイナスな情報であふれています。マスコミは事実を正しく伝える義務があるので、仕方のないことかもしれません。
   しかし、マイナスな情報をただ漠然と自分の心の中に入れておくと、知らないうちに自分の身にもマイナスの作用を及ぼし始めます。潜在意識にマイナスが蓄積されて、それが何らかのきっかけであらわれるのです。

    潜在意識をいかにプラスに保つか、それが自分の身を守るうえでとても大切なことです。自分の身を守るのは何も護身術だけではありません。
   まず、氣の呼吸法で心を静めて自分自身の心をプラスにして、さらに、潜在意識を変える訓練を日々行うことで、一時的なものではないプラスの生き方を身につけることができるのです。
 

次回「そもそも自然体ってどんな状態?すぐできる簡単氣のテスト」は8月5日公開予定です。

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